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東京五輪いまだ「強行開催」は森・バッハ両会長と周辺だけ
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/sports/284311
2021/01/25 日刊ゲンダイ
ホンネは「中止」か(バッハIOC会長と森喜朗組織委会長)/(C)日刊ゲンダイ
「やるぞ!」と言っているのは、幹部連中だけだ。開催が危ぶまれている東京五輪。24日の朝日新聞の調査で、選手らの間にも微妙な空気が流れていることが分かった。出場内定選手41人中、21人が今夏開催に「不安を感じている」「少し不安を感じる」と回答したという。
新型コロナウイルスの感染拡大が止まらない現状、慎重意見が出るのは当然だ。ボート競技で4大会連続金メダルを取った英国のマシュー・ピンセント氏はツイッターで、「東京には2024年まで延期できる選択肢を与え、パリは28年、米ロサンゼルスは32年と夏季五輪は開催時期をずらすべき」と今夏の開催に反旗を翻したほどだ。
契約打ち切りを検討したスポンサーも…
不安の声は、大会スポンサーからも上がる。
「コロナ禍で業績が低迷し、社内では、昨年末までのスポンサー契約の打ち切りが検討されました。ところが、大会組織委員会の幹部らが継続を強く要望。『スポンサー料はいらないから、スタッフだけ出して』などと要望があり、条件闘争した末、結果的に押し切られました」(スポンサー企業関係者)
組織委内部にもシラケムードが漂う。
「最近は幹部クラスの意思が現場職員にほとんど伝わってこない。『もう無理か』という声が上がっている」(組織委関係者)
そんな中、勇ましいのは国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長だ。23日、「全ての見通しは良好」とのビデオメッセージを公表。組織委上層部も強行姿勢を崩していない。森会長に近い大会関係者は、英タイムズ紙の「五輪中止」報道について、「ふざけている。IOCと組織委は無観客も視野に入れて懸命に準備しているところです。なぜあんな報道が出るのか理解できません」と憤る。
いまだ強行姿勢を崩していないのは“スポーツ貴族”の森、バッハ両会長くらいのものだ。東京五輪に関する著書がある作家の本間龍氏はこう言う。
「森会長やバッハ会長も、さすがに現状の厳しさを認識しているはずです。『中止』を視野に入れているが、まだ表で発言できるタイミングではないということ。聖火リレーがスタートするのが3月25日で、準備期間を考えると、3月上旬が『正式決定公表』の最後のタイミングです。国内外の感染が収まっていなければ、『中止』を表明することになるでしょう」
3月上旬にはIOCの会長選挙が予定されている。バッハ会長の再選確実とされるが、禍根を残さないよう、キチンと決断して欲しい。
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