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バイデン大統領就任でも日本のトランピストのフェイクは止まらない!ほんこんは陰謀論続行、百田尚樹は断筆宣言を「忘れてたわ」
https://lite-ra.com/2021/01/post-5769.html
2021.01.22 バイデン大統領就任でも日本のトランピストのフェイクは止まらない リテラ
YouTube「ほんこんのちょっと待て」より
バイデン大統領の就任式が20日、予定通り開かれた。しかし、2週間前、トランプ前大統領に煽られた支持者の議会乱入で、アメリカの民主主義が崩壊する一歩手前までいっていたことを忘れてはならないだろう。
根拠のない「選挙の不正」デマをがなり立てるだけならまだしも、暴力で選挙結果を覆し、正当な政権移行を妨害する……。トランプ支持者のカルト的本質が完全に露わになったと言うほかはない。
しかし、もうひとつ呆れたのは、日本のネトウヨや右派論客の言動だ。連中はこの間、アメリカのトランピストに負けず劣らずの熱量で、トランプ支持を叫び、不正選挙デマをがなり立ててきたが、この議会乱入でさすがに、おとなしくなるのではないかと思われていた。
ところが、日本のネトウヨ・右派論客たちはその後も、「選挙は不正だ」と叫ぶのをやめなかったばかりか、アメリカのカルト丸出しトランピストと同様、暴動肯定や「ANTIFAのなりすましだ」などと強弁し始めたのだ。言うまでもないが、「議会襲撃はANTIFAのなりすまし」というのは、アメリカ当局や複数のメディアによって速攻で否定されている完全なデマ。トランプ支持であっても、普通に判断能力のある人間なら「こんなことを口にしたらさすがに馬鹿にされる」と口をつぐんでしまうレベルの陰謀論だ。
ところが、日本のネトウヨ・右派論客たちはその恥ずかしすぎる陰謀論を平気で主張しているのだ。
その典型が、大統領選前後から数々の陰謀論を拡散し、メディア業界では“ネットde真実おじさん”と言われるようになったジャーナリストの門田隆将氏だろう。
門田氏は7日に〈先頭を切り連邦議事堂に突入した人間が“アンティファである”との告発が相次いでいる〉と、典型的な日米ネトウヨフェイクをツイート。さらに9日には、〈我那覇真子氏の現地レポート、特に連邦議事堂で女性が死亡した現場の映像分析に見入った。連邦議事堂の“窓を割る人間、映像を撮る人間も、アンティファであると思われる”と。その人物が「目撃者」としてCNNに出演し、視聴者に刷り込みを行い、トランプ・警察双方に打撃を与えるやり方。戦慄を覚える〉とツイートした。
我那覇氏は沖縄ヘイトデマの拡散で有名なネトウヨ中のネトウヨ活動家で、現在はアメリカ入りしトランプ陣営のフェイクを発信しまくっている。そんな人物のレポートを平気で引用して、「戦慄を覚える」って、その暴走ぶりのほうがずっと「戦慄」ものだろう。
■地上波でANTIFAのなりすまし説を開陳したほんこんはBPO案件だ
一方、不正選挙デマをめぐってネトウヨ仲間の上念司氏やKAZUYA氏と内ゲバするほどトランプにのめり込んでいる百田尚樹氏は、〈ペンスが裏切った今、反トランプが議会になだれ込んで、開票を混乱させる理由が思いつかない〉とツイートするなど、“ANTIFAのなりすまし”説には立たなかった。しかし、そのかわりに〈民衆の暴動により、ペンスの裏切り行為が中断された〉〈バイデンが選出される流れが中断されて、トランプ陣営に立て直しの時間が与えられた〉と発言。議会襲撃の「民衆」を評価したのだった。
百田センセイはその後も〈トランプの大逆転を信じたい!〉〈これからトランプの大逆襲が始まるのかもしれん!知らんけど〉などと同種の事態を期待するようなツイートも連発し、今週になっても、まだ〈今、アメリカで何か起こってる?私は20日までに一波乱あると見ている〉とツイートしていた。
まさに錯乱としか思えないが、さらに信じられないのは、ネトウヨ芸人・ほんこんだ。門田氏、百田氏はネットでの発言だったが、ほんこんはなんと地上波テレビ番組で議会襲撃をめぐる陰謀論を垂れ流したのである。
1月9日放送の『正義のミカタ』(朝日放送)でのこと。ほんこんは得意げにこう語った。
「これ、『議会へ』ていうトランプ大統領の発言がちょっと問題であって、これ逆手に取られて、TwitterとかYou Tubeとか見させてもらったけど、あの、警官の方が招き入れている映像も残ってるんですよ。そういうのもあるんで、やっぱり、これがほんまに、ANTIFAっていう証言も出ているていうのもね、そこは平行にして公平性を持って放送したほうがええと思いますけど」
いったい何を寝言を言っているのか。ほんこんは警官が招き入れている映像が残っているなどとしたり顔で解説しているが、それ、ANTIFAのなりすましの証拠でもなんでもなくて、アメリカでは、議会襲撃における警官の姿勢が、BLM運動への対応と違って、白人・トランプ支持者に甘いとして大きな批判を浴びている。というのに、ほんこんは真逆に解釈しているのである。あげくは、明らかな陰謀論を「公平に」扱えって……。
当然、この発言には批判が殺到し「BPO案件だ」という声まで上がったが、翌日当のほんこんはYouTubeライブ配信で「事実を知りたいだけ」などと釈明。さらに1月17日には、やはり自身のYouTubeチャンネルで、「ドミニオンとかフランクフルトとかなぜ報道しないのか不思議」と不正選挙フェイクを堂々と語ったうえ、議会襲撃について今度は「トリックを使ってつくられた映像なのか、検証してほしい」などと言い出す始末だった。
■百田尚樹は“トランプが負けたら小説家引退”宣言をなかったことに
ネトウヨ・極右論客の陰謀論、フェイク拡散はその後もどんどんエスカレートしていった。「世界同時緊急放送が行われる」「人民解放軍がアメリカ国境付近に展開」といったカルト発のフェイクニュースが毎日のように大量に拡散。さらには、なぜか三浦春馬の自殺をめぐるヘイトまがいの陰謀論と合体して、こんなツイートが大量に出回っている。
〈トランプさんと春馬くん、同じ相手と闘っていた気がする!〉
〈春馬くんの事があって色々調べ出し、日本の闇に気付き、トランプ大統領の正義に気付き、マスゴミの印象操作やコロナの嘘に気付きました。〉
〈春馬くんのこともトランプさんのことも諦めたら敗けですね!諦めません〉
〈春馬くんはトランプ大統領にコンタクト取ってて確実な方法で逃げたと。〉
〈春馬くんはQ と一緒にいてトランプさんと連絡とってるとか?!〉
〈トランプさんと三浦春馬さん、どちらも闇側のマスメディアによる情報操作をされているのです。〉
論評するのもばかばかしくなるが、トランプを擁護したい人たちが意図的に三浦春馬の自死を利用しているとしか思えない。
だが、アメリカと日本のネトウヨたちのこうした狂乱の一方、当のトランプ大統領は刑事訴追を恐れてトーンダウン。今後の動向はまだ不透明だが、大統領の椅子を空け渡し、20日、バイデン大統領は就任式を迎えることになった。
そのあとは、さすがに分が悪いと踏んだのか、不正選挙の陰謀論やANTIFAなりすまし論、最後はトランプが勝つという盲信も、以前ほどの勢いがなくなって、少々トーンダウン気味だ。百田氏もトランプが負けたら小説家として断筆すると宣言していたことをユーザーからつっこまれたが、「まだトランプは負けていない」とは言えず、〈忘れてたわ〉となかったことにしてしまった。
しかし、彼らが現実を見ないでフェイクをわめいているのは相変わらずだ。
門田氏は〈人権弾圧中国と闘い、過去最低の失業率で人々を救い、奇跡的な中東和平を実現し、1ドルを除き給与を教育機関等に寄付し、日本人拉致を国連で訴え、現役大統領最多得票を記録…多くの偉業に感謝〉と、あのレイシスト前大統領をまるで人権派のような美辞麗句で持ち上げ、謝意を述べた。
また、百田氏は〈ついにバイデンが大統領が就任した。中国の高笑いが聞こえるようだ〉、ほんこんは〈寅さんいなくなる C国出てくる この方々つくづくですね 同盟国との安全保障〉と、バイデン大統領と中国の癒着説をまたがなり立てている。
どうやら、連中はバイデン政権が大統領の就任式に初めて台湾を招待したことや、新国務長官がウイグル族への弾圧・虐殺を問題にしていることを、完全にネグってしまうつもりらしい。
あれだけがなり立ててきた「愛国」とやらよりも、トランプ支持がもっとも重要なメルクマールになってしまった日本のネトウヨや右派論客たち。そういえば、安倍政権時代も途中からネトウヨは政策が右派的かどうかより安倍首相支持かどうかで敵味方を峻別するようになった。もしかして、いまの日本の極右ってただのファンクラブなのかもしれない。
(編集部)
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