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ノーベル賞・本庶佑教授が改めて「PCR検査の大幅な拡充」訴え! 一方、厚労省は検査拡大を否定する文書を作り政権中枢に
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2021.01.15 ノーベル賞・本庶教授が「PCR検査の大幅な拡充」訴えるも厚労省は… リテラ
羽鳥慎一モーニングショーFacebookより
本日15日、新型コロナの全国の重症者が934人と過去最多となった。止まらない感染拡大および医療の逼迫という現状に対して「医療壊滅」になる恐れが指摘されはじめているが、そんななか、「知の巨人」の提言が話題を呼んでいる。
それは、14日放送『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日)に出演したノーベル賞受賞者の本庶佑・京都大学特別教授がおこなった、「PCR検査の大幅な拡充を!」という提言だ。
本庶教授といえば、首都圏に緊急事態宣言が再発出された今月8日、山中伸弥・京大教授と大隅良典・東京工業大学栄誉教授、大村智・北里大学特別栄誉教授という同じノーベル医学・生理学賞受賞者とともに新型コロナ対策について緊急声明を発表。「医療機関と医療従事者への支援の拡充」や「科学者の勧告を政策に反映できる長期的展望に立った制度の確立」など5つの提言をおこなっているのだが、そのうちのひとつが「PCR 検査能力の大幅な拡充と、無症候感染者の隔離の強化」だ。
本日で国内感染を初確認してから1年を迎えたが、他の先進国と比較しても、この国のPCR検査は進んでいるとは言えない。政府は1日あたりの可能検査数を最大約12.5万件としているが、実際は1日平均で約4.4万件(1月1〜11日)。世界で比較すると、人口1000人あたりの検査数がイギリスは8.1人、フランスが4.4人、アメリカが3.9人である一方、日本は0.5人でしかない(7日移動平均、9日時点)。
こうした現状に対し、本庶教授は「いまだに検査数が少ない」と指摘。「中国のように地域ごとに全検査・隔離するのが理想だが、現実的に日本では難しい」とし、こう提言をおこなった。
「少なくとも『感染しているかも』と思ったら即座に検査を受けられる体制を作るべき。今、業界支援という形で何兆円もばらまいているが、検査にお金を使うほうが断然コスト的にも社会的にも有効」
感染拡大のなかでも菅政権は「GoTo」で経済を回す方針を押し通し、第3次補正予算案でも追加で計1兆856億円も計上。菅義偉首相はいまだにこの予算案を組み替えようともしていないが、本庶教授は検査拡充に使うことこそが社会経済には有効だと訴えたのである。
■本庶教授は自動PCR検査機搭載トレーラーを提案、韓国は匿名の無料検査実施再び感染抑え込みへ
本庶教授は具体例も示した。すでに国内で開発されている自動PCR検査システムを搭載したトレーラーならば、12時間で2500件の検査が可能。これを1000台用意すれば1日250万件の検査が可能だ。トレーラーは1台1億円だというから、「GoTo」追加予算の約11分の1である1000億円を投入すれば実行できるのである。
こうした検査拡充をおこなえば無症状感染者も広く捕捉できるようになるが、本庶教授は無症状の感染者の隔離により「宿泊先や食事を提供するホテル業界、飲食業界、生産者にもプラスになる。このほうが『GoTo』よりはるかによいと思う」と提唱した。
政府分科会の尾身茂会長も「感染させる人の約半数は無症状」と認めているように、いま必要なのは検査の徹底によって無症状を含む感染者をあぶり出し、隔離すること。これは本庶教授も「医学の教科書にも『感染者を見つけて隔離するのがもっとも良い』と書いてある」というように感染症対策の基本のキだ。だからこそ他国ではそうした対策がとられてきたのだが、この国ではなぜかそれが進まず、ネット上でもいまだに「検査を増やしても感染者は減らない」「検査しても意味がない」という意見が後をたたない。その主張の代表例が「アメリカは検査数が多いのに感染者は減っていないじゃないか」というものだ。
しかし、約3億件近くも検査をおこなってきたアメリカでも、じつは検査数が足りていないという指摘がある。〈1人の感染者を見つけるために、どの程度のPCR検査を実施したか〉を割り出したところ、〈中国が1808.7回と突出し、韓国66.6回、カナダ24.3回、イギリス22.2回、ドイツ21.0回、日本19.5回と続く〉一方、アメリカは12.7回だというのだ(東洋経済オンライン13日付)。感染者が多いアメリカでは、それでも検査が不足しているというわけだ。
一方、日本と同じくロックダウンはせず、「社会的距離の確保」による対策をおこない、日本とは違い検査に力を入れてきた韓国はどうか。
ワイドショーでもしきりに取り上げられたように、韓国も11月中旬から感染者が急増し、12月下旬には1日あたりの新規感染者数が1200人台にまで達した。そうしたなかで韓国は、症状の有無にかかわらず携帯番号を提出すれば誰でも匿名でPCR検査が受けられる臨時検査所を首都圏に計144カ所設置。その結果があらわれはじめたのか、1日あたりの新規感染者数は500人台を4日連続でキープ(15日時点)。油断ならない状況であることには変わりはないが、減少傾向だと分析されている。韓国の感染者が増えたときしかワイドショーは取り上げようとしないが、実際に検査体制の拡充が数字に出つつあるのである。
だが、こうした成果からこの国は学ぼうとはけっしてしない。初動からドライブスルー検査や「プール方式」導入などによる検査の拡充によって感染拡大を抑え込み、アメリカやドイツなどもそれを取り入れた。だが、日本ではドライブスルー検査が導入されるまでに時間がかかり、「プール方式」にいたっては世田谷区が行政検査として認めてほしいと再三要望も声をあげてきたにもかかわらず、厚労省はそれを無視。本日15日にようやく認めるという体たらく。
■厚労省が1%の偽陽性をタテにPCR検査拡充を否定する「ご説明文書」をもって政権中枢へ
しかも、全国的な感染拡大の局面にあっても、厚労省はいまだに検査拡充には消極的だ。実際、11日になって都市部で不特定多数を対象にした1日数百〜数千件のPCR検査を実施すると公表したが、なんと実施時期は3月。いますぐにでも必要なのに、この状況下で「春になってからやる」というのである。
なぜ、政府はここまで後ろ向きなのか。それは、「PCR検査は誤判定がある。検査しすぎれば陰性なのに入院する人が増え、医療崩壊の危険がある」という理由からだ。
現に、政府関係者への聞き取りをおこなったシンクタンク「アジア・パシフィック・イニシアティブ」が10月8日に公表した報告書によると、厚労省は昨年5月に「検査拡大」を否定する内容の文書を作成。それを政府中枢に説明に回っていた。その内容はこうだ。
〈文書では「PCR検査で正確に判定できるのは陽性者が70%、陰性者は99%で、誤判定が出やすい」と説明。仮に人口100万人の都市で1000人の感染者がいるとして、全員に検査した場合、感染者1000人のうち300人は「陰性」と誤判定され、そのまま日常生活を送ることになる。一方、実際は陰性の99万9000人のうち1%の9990人は「陽性」と誤判定され、医療機関に殺到するため「医療崩壊の危険がある」とする。
これに対し、医師や保健所が本人の症状などで「検査が必要」と判断した1万人だけに絞ると、「陽性」と誤判定されるのは100分の1に減る。〉(東京新聞2020年10月11日)
1%の偽陽性者による医療機関の圧迫を恐れて、70%の陽性者を見過ごす──。しかも、こうした検査体制のもとで感染拡大が起き、いまでは医療崩壊ならぬ「医療壊滅」の一歩手前まできてしまった。この5月の時点で繰り返し検査がおこなえる検査体制と医療提供体制の整備を強化していたならば、ここまでの状況にはいたっていなかっただろう。
しかも、不特定多数を対象にした検査を春まで先延ばしにしたことからもあきらかなように、厚労省はいまだにこの姿勢を崩しておらず、分科会をはじめとする政府の専門家も同様だ。
さらに悲惨なのは、「縦割り打破」を掲げながら、菅首相はこの検査体制の問題についてまったく関心がないこと。記者からの質問も理解できず、よりにもよって「国民皆保険の見直し」を示唆した菅首相だが、『news23』(TBS)アンカーの星浩氏が政府関係者に取材したところ、菅首相はこの期に及んでも「(医療体制など現状の)本質、深刻さをまだまだ把握していない」というのだ。
政府はいま罰則強化でこの波を乗り切ろうとしているが、人びとを分断し、攻撃を扇動するだけで、それで効果が出ることは絶対にあり得ない。暗澹たる現実が、今後もつづいていくことになりそうだ。
(編集部)
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