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※2021年1月14日 日刊ゲンダイ1面 紙面クリック拡大
※2021年1月14日 日刊ゲンダイ2面
【それは政治家のやってるフリ】
— 笑い茸 (@gnXrZU3AtDTzsZo) January 15, 2021
緊急事態宣言の空疎とマヤカシ
最後の奥の手も もはやなまくら
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※文字お越し
新型コロナの第3波は、どこまで広がるのか。とうとう「緊急事態宣言」の対象地域が、11都府県に拡大された。2月7日まで実施される。
深刻なのは、大阪や愛知、福岡といった大都市だけでなく栃木県まで指定されたことだ。栃木県知事が政府に申し入れたという。栃木の医療体制は壊滅寸前である。12日までの直近1週間の人口10万人当たりの感染者は44・3人と全国3位。今年に入って、1362人が新規感染している。新型コロナの患者のために、県は計617の病床と宿泊療養室を確保しているが、13日時点で189人が入院中のうえ、969人が入院調整中だという。もはや必要な医療が受けられない状態なのだ。
首都圏の感染拡大が、ジワジワと栃木まで染み出したのだろう。この調子では緊急事態宣言の対象地域は、さらに拡大されるに違いない。
問題は、緊急事態宣言の発令によって、感染拡大を止められるのか、ということだ。菅政権は「効果は必ず出てくる」「1カ月の中で感染拡大を阻止し、ステージ3に戻るように取り組む」としている。
しかし、どう考えても感染拡大を沈静化させるのは不可能だ。「緊急事態宣言」と名称こそ物々しいが、昨年4月に発令された前回の「宣言」に比べても、中身がユルユルだからだ。
前回の緊急事態宣言は、全国が対象だった。飲食店への“休業要請”だけでなく、映画館、体育館、ジム、デパート、さらに図書館まで“使用制限”された。イベントは中止・延期。学校も一斉休校となった。ところが、今回は事実上、飲食店の“時短営業”だけである。
感染状況は、今回の方が危機的なのに随分とゆるい。これでは、感染拡大を食い止められるはずがない。通称“8割おじさん”の西浦博京大教授も、「昨年春に近い厳しい対策を講じても、都内の感染者が十分に減るまで2カ月要する」と試算している。
しかも、昨春と違って、国民は政府の呼びかけに耳を貸さなくなっている。1都3県に宣言が発令された後も、人出はさほど減っていない。本来、緊急事態宣言は、最後の切り札なのに、もはや、なまくら同然となっている。
中途半端な「宣言」では効果も半減
どうして菅政権は、昨春並みの措置を取らないのか。発令するなら、思い切った手を打たないと意味がない。中途半端では効果も半減してしまうだろう。
昨年4月7日に宣言を発令した時、1日の新規感染者は368人だった。いま足元の新規感染者は、5870人である。ここまで感染が拡大したら、前回より強力な措置を取らないと感染拡大にストップがかからないことは、子供にだってわかる話だ。
しかも、季節はウイルスが活性化しやすい冬である。感染力が1・7倍という変異種も日本国内で見つかっている。最低でも、昨春のように人と人との接触を7〜8割減らす必要があるのではないか。
西武学園医学技術専門学校東京校校長の中原英臣氏(感染症学)はこう言う。
「1回目の宣言時より、感染者の数がケタ違いに多いのだから、今回のような甘い対策で感染を抑えるのは難しいでしょう。本来は、欧米各国のようにロックダウンに近いレベルの厳しい宣言を全国で発令し、感染が収まった地域から徐々に緩和していくべきです。菅政権のように、後から宣言の対象を加えていく手法は最悪です。現状の感染状況を見る限り、次々と対象地域が拡大される可能性が高い。しかし、『○○県を対象に加えます』などと繰り返すと、国民は『またか』と慣れてしまい、どんどん危機感が薄れてしまいます」 いったい、菅政権は、何のために緊急事態宣言を発令したのか。
仰々しい宣言の実態は“やってる感”の演出 |
そもそも、宣言の発令自体、遅すぎる。これまでも後手後手だったが、また失敗に終わるのは目に見えている。
今回の宣言対象の拡大にしたって、知事に押し切られたのが実態である。嫌々、宣言を発令したのは明らかだ。西村大臣は13日の衆院議院運営委員会で、「私権制限は最小限にすべき」と全国拡大に否定的な姿勢を示したが、宣言を出し渋ってきたのは、私権ウンヌンではなく、要するに幅広い規制に伴う“補償”を出したくないというのが本音だろう。なにしろ、これまでも国民に補償金を払うことをトコトン嫌がってきた政権である。
もちろん、カネがないのなら仕方ないが、財源はいくらでも捻出できるはずである。“不急”の対策が盛り込まれた第3次補正予算案を組み替えれば済む話だ。
昨年12月15日に閣議決定した追加経済対策総額19兆円超のうち、「新型コロナの感染拡大防止策」は約4・3兆円と全体の4分の1にも満たない。一方、「Go to トラベル」事業の延長に1兆円超、「国土強靱化」に1・9兆円も計上している。立憲民主党の安住国対委員長が「お金の使い方を間違えている。この予算は認められない」と組み替えを要求したのも当然である。
なぜ菅政権は、Go Toや国土強靱化の巨額の予算を、コロナ対策に振り替えないのか。十分な補償さえあれば、個人も店舗も喜んで“自粛”する。厳しい要請にも従うに違いない。菅首相は「国民の命と暮らしを守る」と口にしているが、結局、保身と利権が最優先なのではないか。今回の緊急事態宣言も、いつもの“やってる感”の演出に過ぎないのではないか。高千穂大教授・五野井郁夫氏(国際政治学)はこう言う。
「13日の菅首相の会見からは、『日本の感染状況は米国などに比べればまだマシ』と言わんばかりの態度が見て取れました。この期に及んでなお、危機感の薄さを露呈したと思います。結局、強い自粛要請に伴う補償を出したくないのでしょう。“自粛要請”と“補償”はセットですからね。国民への補償を嫌がり、Go Toや国土強靱化などもってのほかです。今やるべきは、国民に行動自粛をお願いすることと、手厚い補償です。当然、予算配分は見直すべきでしょう。菅首相からは『国民の命を守る』姿勢は見て取れません」
これまで、「時短要請」や「緊急事態宣言」を巡って、自治体と国で、補償と責任を擦り合う醜い争いが繰り返されてきたが、国民はもうウンザリだ。
菅政権では「医療壊滅」が進むばかり
こんな連中に任せていたら、新型コロナの感染拡大はいつまで経っても収まらない。地獄が訪れるのは必至だ。
すでに新規感染者数は連日のように最多を更新。死亡者は2000人から3000人に到達するまでに1カ月かかったが、4000人を突破するのに要したのはわずか18日間。死者の増加ペースは急激に加速している。
都内の病床使用率は8割を突破。さらに、新規感染者のうち、当日中に入院・療養先が決まらない「調整中」の人は11日時点で7000人を超えた。入院先が見つからず自宅療養中に症状が悪化して死亡するケースも出始めている。
「医療崩壊が進むと、コロナ以外の救急患者を受け入れられなくなる恐れもあります。心筋梗塞などは、発症後1時間以内に救急治療すれば9割が助かる病気になっていますが、それもままならなくなってしまう。感染拡大を止めるには、休業要請など強い規制をかけて、同時に補償するしかない。手をこまねいていると、危機はさらに大きくなるでしょう」(前出の中原英臣氏)
菅政権に未曽有の事態の収拾はとても無理。緊急事態宣言はあまりにも空疎だ。
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