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※補足 2021年1月9日 朝日新聞9面
心の通う対話の要諦は相手の目を見て自分の言葉で語ること
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/283801
2021/01/14 日刊ゲンダイ
ただ読み上げるだけ(菅首相)/(C)日刊ゲンダイ
9日付の朝日川柳に「メモを読むまぶたばかりを見せられる」という句があり、菅義偉首相がこの職務に向かない不適格性の核心を見抜いていると感心した。
私は子供の頃から親や教師に、「話をする時には相手の目をまっすぐに見て話しなさい」と言われて育った。ある時、母親に「どうして?」と尋ねると、「嘘をついている人、やましいことがある人は相手の目がまぶしくて見られないのよ。そうでないとしても、相手からは『あ、この人は自分に自信がなくて、何かおどおどしているのだな』と思われるでしょ」と、まことに的確な説明をされて、身に染みたことを今も覚えている。
ジャーナリストの仕事に就いて、最初に教えられたことのひとつもそれで、先輩から「人にインタビューする時にメモを見ながら質問するな。相手の答えをメモするのも駄目だ。相手の目を見てどんな表情の変化も見逃すな」と言われた。でも、相手が細かい数字とか知らない固有名詞とかを出して、覚え切れないということが起きるでしょうに。「そういう時には『ちょっと失礼』とトイレに立って行ってメモをすればいいんだ」と。
なので、私は1時間半や2時間の講演でもメモも資料も持たずに壇に登り、聴衆の皆さんの顔を見渡しながらお話をする。引用する数字が覚えられそうにないといった場合は、それを記した紙切れをポケットに入れ、その時だけ取り出して読み上げ、すぐにしまうようにする。
人と心の通う対話をしようと思えば、視線を上げて、自分の内面から湧き出す言葉で語らなければならず、まして一国の指導者ともなれば、全国民に自分の思いを届けて国を動かしていくのが仕事なのだから、人一倍そう努めなければならない。
ところが、菅のこの4カ月を振り返ると、国会はできるだけ開かない、開いても答弁はできるだけ短くするというふうだし、記者会見もできるだけ開かず、開いてもメモを読み上げるだけにして質問は短時間で打ち切るという具合で、国会議員とも記者とも国民とも、まともな対話が成り立っていない。それが、共同通信調査で12月に12・7ポイントのマイナス、1月に9ポイントのマイナスと内閣支持率が暴落し続けている最大の理由なのだが、自分が視線を下げたままなので国民の自分に対する視線にも気がつかないのだろう。
高野孟 ジャーナリスト
1944年生まれ。「インサイダー」編集長、「ザ・ジャーナル」主幹。02年より早稲田大学客員教授。主な著書に「ジャーナリスティックな地図」(池上彰らと共著)、「沖縄に海兵隊は要らない!」、「いま、なぜ東アジア共同体なのか」(孫崎享らと共著」など。メルマガ「高野孟のザ・ジャーナル」を配信中。
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