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「PSR」の意識が完全欠落した菅政権が第3波をもたらした 特別寄稿 浜矩子 同志社大学教授
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/283694
2021/01/11 日刊ゲンダイ
PSRの意識の低さが感染者増を招いた(C)日刊ゲンダイ
昨今、CSR(企業の社会的責任)への高い意識が企業に求められるようになっていますが、それと同等か、それ以上に我々は政治に「PSR(政治の社会的責任)」を強く意識してもらうべきなんじゃないか。そんなことを思っています。
新型コロナウイルスの感染拡大に対する菅政権のむちゃくちゃな対応を通して、PSRが日本においていかに低いか、この政権においていかに酷いかを日々、目の当たりにさせられています。首都圏の1都3県を対象に、遅ればせながら「緊急事態宣言」が再発令されました。本当は発令して欲しくなかったのですが、それをもたらすに至った一因は「Go To トラベル」という名の「Go To トラブル政策」。これぞ、PSR意識の低さを表していると言えます。
CSRの重要な土台を形成するものは、「倫理観」と「利他性」です。菅政権には、これらが完全に欠落しているのは間違いありません。人々が痛み、恐れおののいている時に、「旅行に行け」「飲み食いに出ろ」とけしかけ、そのことが明らかに感染者数の悪化を招いている。当初は「エビデンスがない」などと言い訳していましたが、時間的な経過や数値を見れば、相関関係は明白です。
「Go To」をもっと早いタイミングで一時停止にしていたら、緊急事態宣言の再発令には至らなかったかもしれません。菅政権に、この「社会的責任」をどうやって取らせるべきか。
CSRの世界で最近もっぱら注目されているのは、「SCSR」という概念です。Sは「strategic(戦略的)」。どういうことかと言うと、CSRは「倫理観」と「利他性」という「清く正しくすばらしいもの」ではあるけれども、余裕のない企業にはコストとして受け止められがち。そこで、「利益追求と社会的責任を上手に結びつけるやり方があるのではないか」という考え方が出てきたのです。「本業に近いところで社会貢献するのがいい」と言っている学者もいます。
社会的責任の取り方を全く理解できない集団が政策展開
ただし、そうした考え方は、一方でご都合主義の利益誘導にも見えてしまう。いかにも虫のいい考えだと思われ、ステークホルダーに嫌悪されかねない、と顔をしかめる企業もある。むしろCSRは本業から遠いところで考えるべきという企業もあったりと、なかなか複雑ではあります。
とはいえ、方向性としてはやはり、あちらを立てればこちらは立たず、などと言わないで、ダイナミックな発想でCSRを経営に有機的に取り込んでいくべきだと思うんですね。
同じことは政治についても言えるのですが、問題は、今の日本の政治が、何はともあれ自分たちにとって利益になる方向性しか選択できないこと。せめて「情けは人のためならず」くらいのことは知っていて欲しいものですが、これさえもなさそう。社会的責任の取り方を全く理解できない政治集団が、政策を展開していることが恐ろしい。
利益追求が本務である企業でさえ、社会的責任意識を高めているのに、社会的責任意識の塊であって、それ以外の何ものであってもいけない政治が、その意識を持ち合わせてない……。そんな政治がもたらした災禍が、今のコロナ第3波なのです。
浜矩子 同志社大学教授
1952年、東京生まれ。一橋大経済学部卒業後、三菱総研に入社し英国駐在員事務所長、主席研究員を経て、2002年から現職。「2015年日本経済景気大失速の年になる!」(東洋経済新報社、共著)、「国民なき経済成長」(角川新書)など著書多数。
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