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危機感なき菅首相に尾身会長“ブチ切れ” 会見でアテこすり
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/283612
2021/01/08 日刊ゲンダイ
相変わらずの棒読みスカスカ会見(1都3県に「緊急事態宣言」、会見する菅義偉首相、右は尾身会長)/(C)JMPA
やっぱり中身スカスカの棒読みだった。緊急事態宣言の再発令を受けた7日の菅首相の会見。その言葉からは感染爆発と医療崩壊への危機感が全く伝わってこなかった。
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日刊ゲンダイは今回、所属する「日本雑誌協会」を通じて会見への参加を申請。抽選に当たり、出席することができた。
会見室に登場した菅首相は冒頭で宣言の内容を説明した後、珍しく「国民の皆さまへのお願い」とメッセージを発信。感染対策の徹底を呼びかけ「いま一度、ご協力を」と神妙な面持ちだったが、最後に「これで私からの『あいさつ』を終わります」と締めた。菅にとって、国民への重要なメッセージは「あいさつ」程度らしい。
さらに危機感の薄さを露呈したのが、東京五輪を巡る発言だ。ロイター通信の記者が「開催の決意は変わらないか」「国民の3分の2程度が開催に懐疑的だ」とただすと、菅首相は「ワクチン接種が進めば、国民の雰囲気も変わると思う」と放言。効果がまだ不透明なワクチンで、国民の感情がガラッと変わるものか。終始、手元のペーパーに目を落としていたが、この時だけは記者を見据えていたから、この程度が菅首相の本音なのだろう。
”深い溝”が垣間見えた(C)日刊ゲンダイ
隣であからさまなアテこすり
深刻なのは、菅首相の隣に登壇した政府コロナ対策分科会の尾身会長との“深い溝”だ。険しい表情の尾身会長は感染抑制への4条件を提示。「国と自治体が一体感を持って明確なメッセージを国民に伝えること」と強調した。メッセージを発信したばかりの菅首相に、<あんたのメッセージは弱い><小池都知事といがみ合っている場合か>と当てこすった格好だ。
実は尾身会長、「経済を回す」ことにこだわってきた菅首相が気に入らないようなのだ。昨年10月に「新型コロナ対応・民間臨時調査会」がまとめた報告書に掲載された尾身会長のインタビューには、菅首相への怒りがにじみ出ている。菅首相が主導した「Go To キャンペーン」について、事前の相談がなかったことを指摘。〈ずっと一緒にやってきたのに、単にハンコを押すだけのような役割ではかなり不満がありました〉〈中途半端に、(相談を)あるときはして、あるときはしないというのはやめてほしい〉とぶちまけた。
「安倍政権時に“御用学者”だった尾身会長は、菅政権でガラッと豹変。苦言を呈す場面が目立ちます。安倍前首相は事あるごとに専門家に意見を求めていたが、菅首相は耳を貸さない。相当な不満を抱えているといいます」(官邸事情通)
専門家軽視が「政治決断」なら、コロナ終息は遠のくばかりだ。
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