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野党は「だらしない」脱却へ 乾坤一擲の大勝負を懸ける年 2021年「激震の予兆」の吉凶
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/283356
2021/01/01 日刊ゲンダイ
勝負の年(立件民主党の枝野幸男代表)/(C)日刊ゲンダイ
「悪夢のような民主党政権」。安倍前首相が好んで使ったこのフレーズは、有権者に当時のことを思い出させ、「野党つぶし」に効果を発揮した。これに“追従”するような、大マスコミの「野党がだらしない」という論調もそうだ。
しかし、2020年の政治を振り返ってみると、安倍・菅政権のデタラメを野党はしっかり追及した。盗っ人猛々しい虚偽答弁の数々と法解釈の勝手な変更。政府による議会と民主主義の冒涜を白日の下にさらしたのは、野党の国会質問の成果だった。
安倍本人にも捜査が及んだ「桜を見る会」をめぐる問題では、前夜の夕食会で安倍事務所が会費の不足分を補填していたことが明らかになった。「ホテルへの支払いは参加者個人」「事務所は関与していない」という安倍の答弁は真っ赤な嘘だったのだが、夕食会が開催されたホテルから独自に回答をもらい、いち早く、安倍の答弁との矛盾を指摘していたのは辻元清美衆院議員(立憲民主党)だった。
黒川弘務東京高検検事長(当時)の定年延長問題では、山尾志桜里衆院議員(国民民主党=当時は立憲)が「検察官に国家公務員法の定年延長は適用されない」という過去の政府答弁を発掘。法務省を揺るがした。
日本学術会議の問題では、小西洋之参院議員(立憲)が、過去の政府資料に、学術会議から推薦された会員の任命を首相が拒否することは「想定されていない」という新証拠を発見。政府の法解釈の違法性を裏付けた。
「官僚が政権におじけづき、マスコミが政権に遠慮する中で、野党の追及がなければ、いかに政治が忖度で歪められているか国民は分からなかったでしょう。『選択的夫婦別姓』に後ろ向きなど、自民党はもはや時代遅れ。2021年には衆院選が行われる。野党は乾坤一擲の大勝負を懸ける年になります」(法大名誉教授・五十嵐仁氏=政治学)
立憲が衆参150人となり、再び政権が取れる規模になった。嘘つき政権に比べたら、野党のほうがマトモ。「野党がだらしない」に対する見方は改めていい。
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