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2021年、検察が次は「菅総理」をターゲットにする理由 すべては遺恨を晴らすため
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/78882
2020.12.31 時任 兼作 ジャーナリスト 現代ビジネス
特捜部の深謀遠慮
2020年7月に体制を一新した検察の動きがめざましい。東京地検特捜部を軸に、政権・前政権への捜査が次々へ繰り出されている。
まずは安倍晋三前首相の「桜を見る会」の前夜祭にかかわる事件だ。病気を理由に退陣したはずの安倍前首相の政治活動が活発化した11月末、東京地検特捜部は、マスコミへのリークで政治資金規正法、公職選挙法違反の容疑で安倍氏を捜査対象としていることを公にした。
特捜部による捜査は安倍氏の首相退陣直後の10月から始まっており、同氏の秘書らに加えて支援者らの取り調べにも着手、その数は20名を超えていることも明らかにした。本格的に捜査をしていると示したわけである。
もっとも、すでにこの時点から、いわゆる形式犯のような結果に終わると見られていた。それというのも、前夜祭に招待した後援者らの飲食代を補填したのは、厳密には公職選挙法違反であり、さらに補填したことを政治資金収支報告書に記載しなかったのは政治資金規正法違反であったが、はなから特捜部は軽微な後者の容疑での捜査に軸足を置いていたからだ。前者で有罪となれば、安倍氏は公民権停止になりかねず、政治生命にもかかわるが、こちらはやらないという方針であった。
こうした特捜部の姿勢に対し、捜査関係者の間で「いまさら、しかもこの体たらくか」との批判の声が上がった。だが、これには深慮遠謀があったようだ。というのも、12月に入ると、特捜部は自民党二階派幹部で、安倍政権で農水相も務めた吉川貴盛氏にかかわる捜査を行っていることも明らかにしたからだ。
「検察介入」の恨みを晴らす
吉川氏に対する容疑は贈収賄だった。農水相としての職権が絡む事案で、鶏卵業者から多額の現金を受け取った見返りに便宜を図っていたのではないか、というものだ。受け取った現金について、政治資金収支報告書に記載していない点も問題になっている。政府関係者が語る。
「この捜査の端緒は、実は検事総長が代わった7月に行われた家宅捜索だった。つまり新体制になった検察が、それまでの安倍政権による人事介入の遺恨を晴らすかのような挙に出たとみられる」
検察への人事介入とは、ずばり林真琴現検事総長外しだった。
事の始まりは2016年9月に遡る。当時、次期検事総長の座をめぐっては、法務省刑事局長であった林氏と官房長の黒川弘務氏とが争っていたが、検察首脳は林氏を次官に昇格させ、黒川氏は地方の高検検事長に転出させる人事案を作成した。林氏に軍配が上がったのである。
ところが、安倍政権はこの人事案を却下。逆に黒川氏を次官に昇任させた。また、2018年1月にも上川陽子法務相が林氏の次官就任を拒み、名古屋高検検事長に転出させたのだった。
政権は無傷で済まない
一方、黒川氏については2019年1月に東京高検検事長に昇進させたうえ、さらに定年が近づいた2020年1月には、検察庁法の規定に反し、任期を延長させる閣議決定まで行った。
最終的に黒川氏は、たまたま賭けマージャンをしていたことが発覚したために辞任を余儀なくされ、急転直下、林氏の検事総長就任の運びとなったのである。
「すったもんだあったものの、かくして一見落着かに思えた。だが、一連の仕打ちに腹を据えかねた林氏は、就任早々に安倍政権の中枢を狙ったとみられる。安倍氏当人、そして安倍氏の選挙を支えた二階派。完全なる報復だ。安倍氏本人の事情聴取に踏み切ったのは、まさにそれを裏付けている」
ある政府関係者は、そんな分析をした。
安倍前首相の捜査をめぐっては、辞任後にわかに活動を活発化し、3度目の首相を狙うかのような動きに対して業を煮やした菅義偉首相がゴーサインを出したとの見方が専らだ。しかし、それほど単純な構図ではないようだ。
「捜査対象に二階派議員が含まれている以上、菅政権も無傷では済まない。菅政権は二階派とのタッグで誕生したからだ。
安倍氏に続いて検察の的にかかった二階派重鎮の吉川氏は、総裁選では菅陣営で選挙対策本部の事務局長を務めていた。しかも、その後は自民党の選挙対策委員長代行に抜擢されている(のちに辞任)。検察にとって、菅政権はあくまでも安倍政権の継承であり、敵であるとの認識だ」(政府関係者)
検察は菅政権と軌を一にしているわけではなく、むしろ安倍政権との対立構図が引き継がれているというのだ。
安倍捜査が「前例」になる
そもそも政権と検察との対立は、林氏が検事総長に就任した直後から顕在化していた。就任祝いの宴席からミソがついたのである。検事総長秘書官が、その席でセクハラを行ったというのだが、森雅子法相(当時)はこの件について報じた週刊新潮の記者に対して、検察庁からの報告の有無を問われてこう怒りをぶちまけている。
〈報告はないです。全くないです。事実ならひどいですね。すぐ隠すんですよ。黒川さんの(賭けマージャンの)時も、私のところに報告が来たのはいよいよ記事が出るって時。もういつものことです、この隠蔽体質は。常にそう。大臣には情報を上げない。マスコミを操作する。それの繰り返しですよ。ほんっとうに頭にきますね〉(週刊新潮2020年9月24日号)
政権と検察の対立関係は、菅政権になって以降も続いているともいう。
「何と言っても、菅政権の法相は上川氏。林氏を外した当事者のひとりだ。うまくいくはずがない」
前出の政府関係者はそう言って、さらに続けた。
「菅首相自身にも事件が浮上してきている。安倍前首相の『前夜祭』と同じようなことをして、後援者に利益を供与していた。憲法の規定で、現職の首相を訴追するのは実質上不可能だが、安倍首相に対する捜査が前例となる。菅氏が首相でなくなったなら、という牽制が含まれている。
いま問題になっているイージス・アショアのイージス艦搭載の件についても、特捜部は動いていた。一旦はムダだとして陸上配備が中止されたにもかかわらず、それどころではない巨額の費用がかかる見込みとなっている背景に注目していた。いざ立件となれば、政権を直撃する事件となっただろう」
そして永田町筋は、こう語る。
「検察の『意趣返し』は、すでに効果を発揮している。コロナ再流行だけでなく捜査の影響もあって、菅政権は1月解散が打てなくなった。これほど自民党や旧政権の汚職、腐敗が明らかになりつつある中で選挙はできない。本来、菅政権が長期政権を目指すなら、1月選挙が最善の選択だったが、その道が閉ざされたわけだ」
この年の瀬、菅政権はコロナ対策の失敗により著しく支持率を落としたが、それ以前に検察の一連の捜査が政権に大きなダメージを与えていたというのだ。そして年明けには、吉川氏への捜査が本格化する。
検察と政権の恩讐対決。2021年は早々から波乱の年となりそうだ。
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