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安倍前首相が櫻井よしこ氏との対談で語った的外れな憲法論 ここがおかしい 小林節が斬る!
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/283273
2020/12/29 日刊ゲンダイ
報道によれば、安倍晋三前首相は最近、櫻井よしこ氏との対談で、「憲法」について次のような見解を語ったとのことである。
いわく、「@(憲法が)宗教上の法典のような存在となり、指一本触れてはいけないという認識があるAそれを変えていく。私たちの憲法だから私たちが書き上げていくのは当然だ(中略)B自衛隊が、士気高く、命を懸けてやっていくために、憲法の中に自衛隊を明記する必要がある」。
しかし、この発言はほとんど的外れである。
まず、@憲法は、主権者国民大衆の最高意思として権力担当者を縛る規範である。だから、今でも最も影響力のある政治権力者の一人として、安倍代議士は迂闊に憲法に「指を触れて」(違反して)はいけない立場にある(憲法99条「権力者の憲法尊重擁護義務」)ことを忘れてはいけない。
だから、A「憲法に規律されるべき立場の者」が軽々しく「それ(憲法の不可侵性)を変えていく」などと言い放っていいものではない。安倍代議士は、まずは「憲法は順守する。その上で不都合があれば、責任を持って、主権者国民に改憲を提案したい」と語るべき立場である。
しかも、B改憲を提案する理由が「自衛隊が、士気高く、命を懸けてやっていくために憲法の中に自衛隊を明記する必要がある」のだといまだに繰り返している姿には呆れてしまう。現行憲法の中に直接その名称が書かれている国家機関は国会、内閣、最高裁判所、会計検査院、天皇だけであるが、そこに「自衛隊」を加えようという知性には疑問を禁じ得ない。自衛隊を統括する防衛省や国家財政を司る財務省も一行政機関としてそれぞれの名称は法律で定められており、自衛隊もそれで自然である。さらに、政府自民党は一貫して、「憲法9条は、国際法の用語例に従って『国際紛争を解決する手段としての戦争』つまり『侵略戦争』のみを禁じており、国家の自然権である『自衛権』は当然に留保されている」として、その自衛権を担う自衛隊を合憲としてきた。自衛隊の正当性の根拠としてはそれで十分であろう。
小林節 慶応大名誉教授
1949年生まれ。都立新宿高を経て慶大法学部卒。法学博士、弁護士。米ハーバード大法科大学院のロ客員研究員などを経て慶大教授。現在は名誉教授。「朝まで生テレビ!」などに出演。憲法、英米法の論客として知られる。14年の安保関連法制の国会審議の際、衆院憲法調査査会で「集団的自衛権の行使は違憲」と発言し、その後の国民的な反対運動の象徴的存在となる。「白熱講義! 日本国憲法改正」など著書多数。新著は竹田恒泰氏との共著「憲法の真髄」(ベスト新著)
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