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※週刊ポスト 2021年1月1・8日号 各紙面クリック拡大
菅首相の独断でGo To一時停止 二階氏との関係修復は容易でない
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2020.12.22 07:00 NEWSポストセブン 週刊ポスト2021年1月1・8日号
菅義偉・首相のGo Toを巡る独断は自民内部にも不評? (時事通信フォト)
昨日の主は今日の敵――総選挙の年を迎える前に、Go To中止を巡る失政などで菅義偉・首相には強い逆風が吹いているが、最大の敵は自民党の「内部」にいるようだ。総理の座を“禅譲”したはずの安倍晋三・前首相との間に緊張が走り、対立は統一会派の議員を含め399人いる自民党全体に広がっている――。
菅首相にとってGo Toキャンペーンの一時停止は政権の生命線に関わる重大な方針転換だ。
コロナの感染拡大の中、菅氏はGo Toキャンペーンを強力に推進することで全国旅行業協会会長を務める「観光業界のドン」二階俊博・幹事長と政策的に強く結びつき、首相に押し上げてもらった。
新型コロナ対策分科会の尾身茂・会長が何度Go To中止を求めても、首相が「感染拡大の原因だというエビデンスがない」と否定してきたのは、最大の後ろ盾である二階氏をつなぎ止めるために必要だったからだ。
しかし、首相が独断で一時停止を決めたため、関係にひびが入った。
「二階さんが全国一斉の停止を聞いたのは発表直前。観光業界へ根回しの時間もなく、救済策も固まっていなかった。補正予算でGo Toの予算を増やし、業界に『全面停止はない』と説明していたから完全に面子を潰された。二階さんが一番ガッカリしているのは、菅さんが支持率低下に怖じ気づいて、観光業界を見捨てたことだ」(二階派幹部)
菅首相は停止発表の日の夜に二階氏らと会食し懐柔を図ったが、関係修復は容易ではなさそうだ。
不満鬱積の自民党内 間隙ついて特捜部は菅政権に向け捜査も
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2020.12.23 11:00 NEWSポストセブン 週刊ポスト2021年1月1・8日号
安倍氏ら旧主流派に巻き返しのチャンス?(時事通信フォト)
Go Toトラベル中止を巡る失政などで評価が急落している菅義偉・首相。だが、その最大の敵は自民党の「内部」にいるようだ。菅首相を脅かすのは、かつて官房長官として7年半仕えた安倍晋三・前首相だ。
菅首相は安倍政権を支えてきた議員を「重用する者」と「干し上げる者」に選別。その干された人々が安倍氏を持ち上げているという。さらに、この対立は統一会派の議員を含め399人いる自民党全体に広がっている。
また、菅氏を首相に押し上げたとも言える二階俊博・幹事長との関係も悪化している。全国旅行業協会会長を務める「観光業界のドン」二階幹事長から見れば今回のGo To一時停止は「ガッカリ」の一言だろう。首相が独断で決めたため、関係にひびが入ったのだ。
菅&二階のタッグが危うくなると、安倍氏ら旧主流派には巻き返しのチャンスだ。党内には政権運営に対する不満が鬱積している。
2021年は総選挙の年だ。二階氏は選挙に向け露骨に派閥を拡大。細田派、麻生派、岸田派の旧主流3派に喧嘩を売ってきた。
二階派最高幹部の地元・山口3区で岸田派参院議員が鞍替え出馬に動くと、二階氏は軍団を引き連れて乗り込み、「挑んで来るなら、政治行動の全てを擲って受けて立つ」と恫喝した。かと思うと、逆に、静岡5区、新潟2区では公認候補見直しで二階派議員を押し込もうとするなどやりたい放題。菅首相もそれを黙認してきた。今後は旧主流派が巻き返し、各地で公認争いが燃え上がる。
両陣営はブレーン同士も衝突している。菅首相ブレーンのデービッド・アトキンソン氏が提案する「中小企業再編」に関し、安倍政権の内閣官房参与を務めた本田悦朗・元スイス大使は自民党議員の勉強会で「極めて危険」と酷評した。
菅自民となかまたち「激突」相関図
菅首相は自身の“お仲間”からも突き上げを受けている。新型コロナ対策分科会の尾身茂・会長をはじめ、菅首相が感染対策のために内閣官房参与に起用した岡部信彦氏(川崎市健康安全研究所所長)、さらに自民党のスポンサーでもある日本医師会の中川俊男・会長らが「このままでは医療崩壊」と声を上げ、知事たちも「科学的知見に欠ける」(佐竹敬久・秋田県知事)と政府の対応を批判している。
政権が一枚岩でなくなれば、検察は政界捜査にフリーハンドを持てる。特捜部は菅政権側にも捜査を向け、二階派の吉川貴盛・元農水相に鶏卵業者からの現金提供疑惑が浮上、西川公也・元農水相(二階派)も関連して内閣官房参与辞任に追い込まれた。
自民党内は真っ二つに割れ、あちこちで内乱が広がっている。
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