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復興五輪のため 福島原発周辺移住で200万円支援のあくどさ
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/282812
2020/12/18 日刊ゲンダイ
慢性的は人手不足(双葉町の除染作業=2017年12月)/(C)共同通信社
菅政権は東京電力・福島第1原発周辺に移住する人に、支援金を出す方針だ。対象地域は双葉町や南相馬市、大熊町など12市町村。来春以降、県外から家族で移住した場合は200万円、単身移住の場合は120万円を支給する。条件は移住後5年以上住み、就業すること。県内からの移住者への支援金はそれぞれ120万円、80万円になるという。
ほかにも移住後5年以内に起業する場合は必要経費の4分の3(最大400万円)を支給するなど、かなりの大盤振る舞い。目的は何なのか。復興庁に問い合わせた。
「対象12市町村には工場や研究機関、飲食、物販などの会社があり、人手不足が続いています。そこで移住者の新しい力で地元を盛り上げて欲しいと考えました。現地には居酒屋やスーパー、イオン、ラーメン屋などもあり、普通に生活できます。予算額や財源などはまだ申し上げられません」(原子力災害復興班)
ただ、対象地域のうち双葉町や大熊町など6市町村には、今も広範囲にわたって帰還困難区域が存在する。また、避難指示が解除された区域の人口は、住民基本台帳の2割にとどまる。
人手不足で除染作業にも駆り出され |
故郷を離れた人の大半が戻ってきていない現実が示す通り現地には今も「危険」のイメージが漂う。はたして原発の近くに移住したい人は現れるのか。はなはだ疑問だ。
「支持率低下に悩む菅政権の人気取り策。被災地復興のため、骨を折っていることをアピールしたいのでしょう」とは、ジャーナリストの横田一氏だ。復興をアピールしたい背景には、来年開催予定の東京五輪の存在がチラつく。来年は3・11から丸10年。移住できるほど復興が進んだことにして、被災者支援も打ち切りたい。そんなヨコシマな思惑も垣間見える。
「国は復興予算を注ぎ込み、三陸自動車道や防潮堤、東日本大震災・原子力災害伝承館のような箱モノを造り続けています。そのせいで慢性的な人手不足となり、原発の除染作業をする人も足りない。だから移住者を使おうという狙いもありそうです。国の責任で汚染された土壌などを、札束で集めた人たちに除染させることになります」(横田一氏)
そんなに移住させたければ、まず「隗より始めよ」だ。国会や行政府を移転して、国会議員から住み始めたらいい。
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