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※2020年12月16日 日刊ゲンダイ1面 紙面クリック拡大
※2020年12月16日 日刊ゲンダイ2面
【GoTo停止「菅の決断」なんだとさ】
— 笑い茸 (@gnXrZU3AtDTzsZo) December 17, 2020
国民は笑えない 「裸の王様」の「独り相撲」
日刊ゲンダイ pic.twitter.com/i96yynfnX2
※文字お越し
新型コロナウイルスとの「勝負の3週間」は大敗で幕を閉じた。西村コロナ担当相が「今の感染拡大を抑えられるかどうか、大事な3週間になる」と集中的な感染防止策を呼びかけた先月25日から、15日で丸3週間。菅首相の年末年始の「Go To トラベル」全国停止表明は、敗北宣言と同じだ。負けに不思議の負けなし。何しろ菅政権はこの間、一度も闘ってこなかった。政府分科会の尾身茂会長(地域医療機能推進機構理事長)が、政府への異例の緊急提言に踏み切ったのは先月9日のこと。「(状況が悪化すれば)Go To キャンペーンは当然停止だ。今が最後のチャンスだ」と警鐘を鳴らしたが、菅は聞く耳持たず。
尾身氏らは「人の移動自体が感染を広げるわけではない」と言って、「Go To」にお墨付きを与えた張本人。菅にすれば「今さら何だ!」と思ったに違いないが、この危機感の欠如が感染状況を悪化させた。
ようやく菅が重い腰を上げたのは勤労感謝の日3連休初日の先月21日。「トラベル」の運用見直しを表明し、連休明けの24日には大阪、札幌両市を目的地とする旅行を補助対象から外したが、いかにも中途半端だ。
その後も先月27日には両市出発分の「トラベル」利用の自粛を要請。今月1日からは東京都発着分について、65歳以上の高齢者と基礎疾患を持つ人への利用自粛と、小出し、後出し、世論のダメ出し対策を重ねた。
野党が国会で「トラベル」停止を求めても、菅はムキになって「感染拡大の原因であるとのエビデンス(証拠)は存在しない」と言い張る始末。自身が旗振り役を務めてきた手前、菅は「トラベル」継続に固執し、感染拡大を野放しにしてきたのだ。
わが身可愛さで感染防止にやっとカジ
菅の怠慢が招いた“人災”の被害は目を覆うばかりだ。全国レベルで感染者は増加の一途をたどり、各地で病床が逼迫。医療体制の深刻さは増すいっぽうだ。
厚労省は11日、9日午前0時時点の新型コロナ患者向け病床使用率を公表。分科会が「ステージ3」(感染急増)の指標のひとつとする25%以上は、22都道府県に上った。うち兵庫県68・9%、北海道55・1%、高知県53・5%で、感染状況が最も深刻な「ステージ4」(爆発的感染拡大)の50%以上を超えた。重症者の病床使用率も実に18都府県で前週より上昇し、大阪府は58%、東京都は55%と「ステージ4」に達し、医療崩壊の危機に直面している。
今さら菅が「トラベル」の全国停止に踏み切っても、時すでに遅し。大マスコミは、12日に国内の新規感染者が3000人を突破したのを受け、菅が感染防止最優先を「決断」――なんて菅周辺の受け売り話をタレ流しているが、ちゃんちゃらおかしい。
菅が恐れをなしたのは、内閣支持率の低下だ。報道各社の支持率はコロナ対応への不満から、軒並み10ポイント以上も急落。毎日新聞が12日に公開した調査だと、不支持(49%)が支持(40%)を上回った。菅が全国停止の調整に乗り出したのはちょうど、この頃だ。
方針転換を決めた14日になっても、菅は「移動によって感染は拡大しない。そこは変わらない」と強調。移動と感染の因果関係はともかく、菅の自己保身だけは明白だ。感染防止にカジを切ったのはこれ以上、支持を失えば、総理の座を追われると焦っただけである。
本気で国民の命と生活を守るのであれば、最低でも1カ月前には停止を決断していた。大マスコミはなぜ、ハッキリそう伝えないのか。
国民軽視の無神経さと間の悪さだけは天才的 |
大体、菅に本気で国民を思う気持ちがあれば「年末年始は静かに過ごして」と呼びかけたホンの90分後に、二階幹事長らとの忘年会に駆け付けるわけがない。旅行業者やホテル・旅館などを振り回し、書き入れ時を奪っておきながら、よくも銀座の高級ステーキ店で舌鼓を打てるものだ。
ニコ生での「こんにちは、ガースーです」といい、「間の悪さ」と「無神経さ」にかけては天才的だ。この男にはコロナ無策の大失政への反省も自覚もないのだろう。
そもそも全国一斉停止に踏み切るのなら、どうして今すぐ始めないのか。「28日開始」なんて悠長なことを言えば、必ず駆け込み利用者が現れる。しかも、人々の行動変容が感染者数に反映されるのは2週間後だ。今から引き締めなければ、それこそ年末年始には各地で感染爆発が直撃してしまう。
ただでさえ、病床使用率の上昇と、それに伴う医療関係者の人手不足は深刻だ。さらに年末年始は、どうしても人がさらに減り、医療体制が縮小するのは目に見えている。他の疫病も含め、救える命を救えない恐れが強まるのに、菅の国民軽視の無神経さには唖然だ。
「目の前で炎が燃え広がっているのに、消防車の到着は2週間後。そんなバカな話はあり得ない」と言うのは、西武学園医学技術専門学校東京校校長の中原英臣氏(感染症学)だ。こう続けた。
「感染拡大地域の旅行者から地方にウイルスが持ち込まれ、今や地方の内側で感染が広がっている状況です。菅首相は『トラベル』停止で、旅行後押しの“アクセル”から足を外しただけ。外出自粛など人の移動を制限する“ブレーキ”には踏み込まない。これでは地域内の感染抑制対策には不十分。ましてや、会食が要因の感染が頻発する中、『Go To イート』の継続は理解不能です。菅首相は感染爆発、医療逼迫の“大火事”を、まだ“ぼや”だとみなしているのか。やる気が全く感じられません」
恫喝手法がアダとなり失政の連続
それにしても不思議だ。世論の8割が「経済より感染防止」「Go To トラベルは停止」を望む中、これだけ当然のことを菅が決めるまで、なぜ、こんなに時間がかかってしまうのか。所管の観光庁に全国停止の知らせが届いたのは、菅発表の数分前。ほぼ誰にも相談せず突然、菅が独断で決めたのも異様である。
東大などの研究チームが、「トラベル」利用者の新型コロナ発症リスクは2倍との調査結果を公表したのは今月7日。菅にまだ「移動によって感染は拡大しない」と言わせている官僚たちも、どうかしている。
忖度なのか、菅の恫喝が恐ろしいのか。周囲の政治家も同様だ。一昔前の自民党なら「Go Toを止めろ、止めるな」で百家争鳴。侃々諤々の議論を戦わせ、必ず菅の耳にも届いたはず。今は官僚も政治家も閣僚ですら、右にならえで菅にひれ伏すのみだ。
FNNによると、菅周辺は「全国で一時停止することで、感染との因果関係がないことがハッキリするだろう」と大放言。菅に媚びるのにも程がある。そんな実験に国民を使うのは「やめてくれ」だ。
「今の菅首相は『裸の王様』です。二階幹事長を背後につけて党内にニラミを利かせ、官僚には人事権を振りかざして忖度を強制。メディアには裏で圧力という強権的手法で国民は騙せても、ウイルスは騙せません。1強体制にあぐらをかいた恐怖政治がアダとなり、誰も進言できず菅首相の孤立は深まっているように映ります。日本学術会議や専門家の科学的知見を軽んじる反知性主義も相まって、失政の連続。菅首相がたった一人で社会を未曽有の混乱に陥れています」(法大名誉教授・五十嵐仁氏=政治学)
裸の王様の「独り相撲」に国民は笑えない。頑迷固陋の首相とひれ伏すだけの閣僚、官僚たち。場当たりコロナ対策で振り回される国民は今こそ退陣を迫るべき時だ。
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