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東京五輪の追加費用3000億円はやっぱり日本の負担だった! 安倍前首相が来夏開催ゴリ押しと引き換えに負担を約束した全内幕
https://lite-ra.com/2020/12/post-5716.html
2020.12.01 東京五輪の追加費用はやっぱり大半が日本の負担! 安倍の密約の裏 リテラ
TOKYO2020公式サイトより
先日、東京五輪の延期にともなう追加費用について、五輪組織委が2000億円と試算していることを読売新聞がスクープした。他社も後追い報道を展開、政府や組織委も報道内容を非公式に認めている。
コロナ感染がものすごい勢いで再拡大しているこの状況でも、政府や組織委はまだ五輪を開催する気満々のようだが、そのことよりももっと呆れたのは、この追加費用2000億円をすべて日本側が負担することが既定事実になっていることだ。
読売や他紙の報道でもまるで当たり前のように「国、東京都、組織委で負担割合を協議」としている。
しかし、この追加費用については、今年4月20日、IOC(国際オリンピック委員会)が公式サイトで約3000億円規模の費用の大部分を日本が負担することを「安倍首相が合意した」と発表。日本政府が慌てて「合意はない」と否定し、削除を要求した結果、翌21日、IOCサイトからこの文言は削除され、「日本側と共同で協議し続ける」と修正された経緯があった。
にもかかわらず、結局、追加費用のほとんど全額を日本側が負担するというのだ。
読売はじめマスコミ各社は、追加経費が当初の3000億円規模から2000億円に圧縮されたとしているが、〈各国・地域の選手団数の削減や会場の装飾の見直し、組織委職員の採用時期を大会直前まで遅らせて人件費を抑える対策〉(読売)をとって経費を削減したにすぎない。
しかも、この追加費用の試算にはからくりがあり、実際の負担は2000億円でとどまらず、3000億円を超えるだろうといわれている。というのも、組織委はこの2000億円とは別に、コロナ対策費として1000億円を計上。これも日本側で負担することになっているからだ。いちおうIOCは5月に追加費用を約700億円負担すると表明しているが、結局3000億円以上を日本側が負担することになる。
「実際は、この1000億円もコロナ対策でなく、かなりの部分が開催のための追加費用として流用されるだろうといわれています。結局、IOCが4月に発表した3000億円規模の追加経費の大半を日本が負担すると安倍首相が約束したというのは事実だったということ。しかし、当時、政府が否定した手前、3000億円を日本が負担する試算をそのまま出すわけにはいかず、コロナ対策の名目で別に計上。御用メディアの読売にあたかも負担が減額になったかのような記事を書かせたということでしょう」(全国紙五輪担当記者)
ようするに、「桜を見る会前夜祭」問題と同様、安倍前首相の国民を欺く大ウソがまたまた明らかになったわけだ。
しかし、コロナ感染という世界的な問題が引き起こした延期であるにもかかわらず、日本が追加経費のほぼ全額を負担するという理不尽な目に遭わなければならないのか。安倍前首相はなぜそんな約束をしてしまったのか。
本サイトは今年4月、IOCの「約3000億円規模の費用の大部分を日本が負担することを安倍首相が合意した」という公式サイトの発表を日本政府が削除させた直後、これが表向きのゴマカシに過ぎず、実際は安倍首相が負担を約束していた可能性が濃厚であると指摘。さらに、その約束をした原因がやはりIOCのサイトに公式掲載されていたことを発見した。
安倍前首相は、延期交渉の際、IOCに対して「来年夏以降の延期はありえない」とゴリ押し、それが追加費用を日本が負担せざるを得ない状況を生んでいたのである。
この記事を再録掲載するのでぜひ読んでほしい。東京五輪のコロナ禍での開催強行と巨額費用負担が結局、安倍前首相の個人的な政治的欲望を実現させるものでしかなかったことがよくわかるはずだ。
(編集部)
■IOCが公式サイトで「安倍首相が来夏以降の延期には対応できないと明言した」と公表
新型コロナ感染拡大が続くなか、唖然とするような情報がもたらされた。4月20日、来年に延期された東京オリンピックについて、IOC(国際オリンピック委員会)が公式サイトで、追加費用(約3000億円規模)の大部分を日本が負担することを「安倍首相が合意した」と発表したからだ。日本政府は慌てて「合意はない」と否定し、削除を要求。翌21日、IOCサイトからこの文言は削除され、「日本側と共同で協議し続ける」と修正された。
だが、これは表向きの措置にすぎず、実際は安倍首相がIOC側に“約束”していた可能性が高い。また、仮に明言していなかったとしても、暗黙の了解があり、追加費用の大半は日本が負担することになるだろう。
というのも、日本にはIOCにつけ込まれる“弱み”があるからだ。「安倍首相の合意」を明かしたのはIOC公式サイトのQ &Aのコーナーなのだが、そこにはもうひとつ、問題の記述があった。
感染収束が不透明ななかで、なぜ延期を2022年ではなく2021年にしたのかという趣旨の質問に対して、IOC側のこんな回答が記されていたのだ。
「日本のパートナーと(安倍)首相が来夏以降の延期には対応できないと明言したからだ」
ようするに、こちらは2022年でいいと思っていたのに、安倍首相が2021年を強く主張したからその条件を呑んだ。だったら追加費用を払うのは当然、という理屈だ。
これはIOC側の言うとおりだ。安倍首相は3月24日、IOC のバッハ会長との電話会談で「1年以内の延期」を取り付けた際、新型コロナ感染拡大の最中にもかかわらず、安倍首相は小池百合子都知事とグータッチをして大はしゃぎしたというが、この「1年以内の開催」は実際、最初から最後まで安倍首相が周囲の反対を押し切ってゴリ押ししたものだった。
安倍首相の親分で大会組織委員会の森喜朗会長もまた、「1年以内の延期」は安倍首相の強い要望だったことを暴露している。
森会長がこの事実を語ったのは、朝日新聞が3月31日におこなったインタビュー。記事によると、森会長は、3月24日夜、安倍首相とバッハ会長の電話会談の30分前に公邸に招かれ、2人きりで会談。その際、森会長は、新型コロナの感染拡大を念頭に「2年延ばした方がいいのではないですか」と問いかけたが、安倍首相は「日本の技術力は落ちていない。ワクチンができる。大丈夫です」と応じたという。
安倍首相が「1年以内の延期」にこだわった理由。それは本サイトも繰り返し記事化してきたが、来年9月、自分の自民党総裁任期が切れる前、首相在任中の開催にこだわっているからだ。それだけではない。官邸周辺では東京五輪の成功を自分の手柄として総裁の任期延長、総選挙までにらんでいるとの見方が有力だ。
「総裁の任期は来年9月末、さらに衆議院は来年10月に任期が切れる。しかし、来年7月スタートへの延期なら、そのあとに総裁選、総選挙をおこなうことがギリギリ可能になる。あるいは特例で総裁選をせず総裁任期を1年延長することも考えられる。安倍首相は、五輪を成功させ、その勢いを買って、『コロナからの復興をなしとげる責任がある』と自民党総裁任期の延長を宣言、9月中に総裁選を実施して、そのあと、10月に総選挙をするというシナリオを描いているといわれている。もちろんこれはギャンブルだが、いまのコロナ対応を見ていると、オリンピック前に解散総選挙をやってもとても勝ち目はない。だったら、延長を1年以内にして五輪を自分の権力維持に利用しようと考えているんだろう」(ベテラン政治評論家)
■安倍首相の1年延期ゴリ押しの結果、追加費用負担のあげく五輪中止の事態も
ようするに、安倍首相が権力に妄執して1年以内の延期を求めた結果、国民の生活や経済が一気に悪化するこの状況で、日本は新たに追加費用約3000億円を負担しなければならない状況に陥ったのだ。
いや、費用負担だけではない。安倍首相が1年以内の延期にこだわった結果、安倍政権にとってもっとも望ましくない結果を生み出す可能性が高くなっている。
前述したIOC公式サイトのQ &Aを思い出してほしい。パンデミック収束が不透明な状況で2年延期にしなかった理由について、IOCは「日本のパートナーと(安倍)首相が、どんなに遅くとも来夏以降の延期には対応できないと強く明言したからです」と答えているのだが、これには、追加費用を日本に押し付ける以外に、もうひとつの意味があるのではないかといわれている。
それは、2021年になっても新型コロナが収束せず、五輪が開催できなかった場合のエクスキューズだ。
実際、世界各国の専門家の多くが1年以内の新型コロナ収束に悲観的な見解を示しており、2021年の開催はかなり危ぶまれている。もし、来年の開催が無理となった場合、IOCは「(安倍)首相が来夏以降の延期には対応できないと言ったから」と責任を押し付け、再延期ではなく中止にする腹づもりなのではないかというのだ。
大会組織委の取材を担当する全国紙記者がこう解説する。
「中止になれば、保険が適用されるため、IOCの懐は痛まない。しかし、日本は大会直前まで延期を前提に準備を進めるわけですから、中止になったとしても、費用はかかる。ようするに、金だけ払わされて、五輪の経済効果はゼロという最悪の結果になりかねないわけです。実際、ほとんどの専門家は1年延期だと中止リスクがあると考え、2年延期が現実的と訴えてきた。森会長の覚えめでたい大会組織委の高橋治之理事ですら、そういう意見でした。ところが、それを安倍首相がゴリ押しして1年以内延期にしてしまった」
このままいくと、安倍首相は自分の権力欲のために、東京五輪を中止に追い込んだ宰相として、歴史に名を残すかもしれない。
(編集部)
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