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建設的でないGoTo停止判断なき都知事批判
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2020年11月27日 植草一秀の『知られざる真実』
小池百合子東京都知事をまったく支持しないが、GoToトラブルキャンペーンについて国が責任をもって対応するのが筋との小池都知事の主張は正論そのもの。 GoToトラブルキャンペーンを強引に始動させた際に、東京都を除外したのは政府だ。 菅義偉氏は官房長官としてこの意思決定に中核的関与をしたはずだ。 その後、東京都をGoToトラブルキャンペーンに組み込んだのも政府。 政府の判断で除外、適用を決めている。 今回、東京都を除外することについてのみ、東京都知事に判断させるのは筋が通らない。 GoToトラブルキャンペーンを適用除外すれば、制度を利用していた事業者、制度利用を予定していた個人にはマイナスに作用する。 その「汚れ役」だけ都知事に押し付けるのは筋が通らない。 国の事業としてGoToトラブルキャンペーンを実施しているのだから、国の責任で判断するのは当然のこと。 ネット上には小池都知事を批難する主張の見出しが意図的に選択して並べられている。 菅内閣によるメディアコントロールの一断面だ。 コロナ感染者数急増の主因のひとつがGoToトラブルキャンペーン全面展開。 コロナウイルスの特徴は無症状の陽性者が多数存在していること。 陽性確認されていないが、感染している人は多数存在する。 最大の人口を要する東京都からGoToトラブルキャンペーンによって人が全国各地に移動させられている。 これに連動して感染が拡大している。 菅義偉氏が感染抑止を第一に位置付けて、 「この3週間が、極めて重要な時期だ」 と考えるなら、GoToトラブルキャンペーンを一時停止するのが先決だ。 ぶら下がりでこのように発言しながら、記者から 「なぜGoToトラベルだけ触れられないんでしょうか? 理由を教えて頂けませんか? 総理、除外はしないんですか?」 と質問されても、背を向けて無言で立ち去る。 説明責任をまったく果たさない。 自分の言葉で相手に説明することもできない。 説明できないことがらを問われると逆ギレする。 こんな人物に日本の舵取りを任せるわけにはいかない。 コロナ分科会が定めた基準で、東京都はすでにステージ3に相当する状況に移行している。 ステージ3に該当する場合、GoToトラベルの発着地から除外することを分科会が提言している。 これを無視してGoToトラブルキャンペーンを強行している主体が菅義偉氏である。 菅内閣はコロナ感染症を第2分類相当+αに区分している。 極めて重篤性の高い感染症と位置付けている。 この区分が妥当なら、GoToトラブルキャンペーン自体があり得ない存在だ。 GoToトラブルキャンペーンが容認されるのは、コロナ感染症がインフルエンザ相当、つまり第5類感染症区分である場合ということになる。 11月27日の東京都新規陽性者数が570人となって過去最大を更新した。 検査の陽性率のみがステージ3の基準以下だが、これ以外の指標はすべてがステージ3の基準を超えている。 この指定区分、コロナ分科会の専門家の知見を是とする限り、GoToトラブルキャンペーンから東京都を除外するのは当然ということになる。 実際には、第2類相当指定が過大であって、この区分を変更することが適正であると判断されるが、菅内閣が第2類相当を維持するなら、この区分に見合う対応を取る必要がある。 GoToトラブルキャンペーンを全面推進しながら 「この3週間が、極めて重要な時期だ」 と発言して、GoToトラブルキャンペーンの見直しを行わないのは支離滅裂。 頭の中が支離滅裂なのだと推察される。 国の責任において適切に判断する必要がある。 小池都知事が国の責任で判断するべきと述べていることに反発すること自体が建設的でない。 |
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