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麻生財務相にれいわが刺客擁立 公約は改ざんの真相記した「赤木ファイル」の開示
https://news.yahoo.co.jp/byline/aizawafuyuki/20201121-00208842/
11/21(土) 6:19 相澤冬樹 大阪日日新聞編集局長・記者(元NHK記者)
大島九州男さんを紹介するれいわ新選組山本太郎代表(筆者撮影)
福岡の玄関口、JR博多駅前、11月20日午後6時40分すぎ。チェックのシャツに身を包んだれいわ新選組代表、山本太郎さんが、集まった人々を前に紹介した。
「ここ九州、福岡、そして麻生さんのお膝元。福岡8区で立候補。大島九州男(くすお)さんです」
麻生大臣の“刺客”大島九州男さん(筆者撮影)
そこで登場した大島九州男さんが公約として掲げたのは、コロナ禍対策の財政出動と、森友改ざんの責任追及。麻生太郎財務大臣との違いを打ち出した。中でも注目されるのは、財務省近畿財務局で改ざんを強いられ命を絶った赤木俊夫さんが、改ざんの真相を詳しく記したという「赤木ファイル」を、財務省に「開示させる」と明言したことだ。
九州男が九州で立つ
大島九州男さんは、その名の通り九州は福岡県直方市出身。麻生財務大臣のお膝元だ。直方市議を3期務め、民主党(当時)から福岡8区で2回立候補したがいずれも麻生大臣に敗れた。その後、参院選に比例代表で当選し、2期12年参議院議員を務めた。その時、参議院内閣委員会で委員長を務め、委員だった山本太郎さんとご縁があったという。
大島九州男さんは山本太郎さんとの縁を語った(筆者撮影)
れいわ新選組から立候補するいきさつについて、大島九州男さんは次のように語った。
「太郎さんが全国、北海道から沖縄までこうやって回る。それを支えるスタッフの皆さん、ボランティアの皆さん、そしてずっとお話を聞いて下さる皆さんの姿を見させて頂いて、ビラ配りもさせて頂きながら、やっぱりこの政治家じゃなきゃ(この国は)変えられないな、そのことを確信させて頂きました」
「おめえ、しぶてえな」
麻生財務大臣との関わりについても語った。
「太郎は太郎でも麻生太郎に3度目の挑戦をさせて頂きます。2回私は麻生さんと戦って負けました。参議院で12年仕事をさせて頂く中で麻生さんに言われたことがあります。
『おめえ、しぶてえな』
(前回の)参院選で落選して、今回またこうやってれいわ新選組から出た時に、今度は何て言われるだろうかと、まあそれを楽しみにしております」
前参議院議員・元内閣委員長(筆者撮影)
「コロナ禍で財政出動するしかない。その権限があるのが財務大臣です。麻生太郎さんですよ。その麻生さんに、本当に国民のための政治をやってくれと。もう自分たちのグループの政治はやめてくれということを、私はこの選挙を通して言いたい」
公文書改ざんで申し訳ない思い
続けて大島九州男さんは森友の公文書改ざんについて後悔の念を述べた。
「私は国会議員として本当に申し訳ないと思うことが一つだけあります。何かと言いますと、財務省の改ざんの問題。私は国会で一生懸命答弁している佐川局長(佐川宣寿財務省理財局長・当時)を見て、『ああ、彼は麻生さんたちに言われて、上から言われて嘘八百の答弁を毎日毎日させられてるんだな』と思ったから、目の前にいた佐川さんに『あなたね、上から言われて言いたくもない嘘を言っている、その気持ちは俺はわかるから頑張れよ』と言ったんです」
涙ながらに語った後悔(筆者撮影)
ここから涙声になる。
「しかしね、私はそのことが間違いだったことを本当に反省しました。それはなぜかと言えば、あの改ざんをさせられた、本当に真面目な財務省の一人の職員が、『絶対そういうことは公務員としてやってはいけない』と最後の最後まで抵抗して、そしてそれを佐川局長や本省の職員から、そしてまた近畿財務局の上司から、無理矢理それを強いられて、最後の最後は一人に責任を負いかぶされるというようなそういう状況に追い込まれて亡くなった。あの赤木(俊夫)さんに私はそういう声をかけるべきだったと。それを自分は目の前にいる佐川さんに声をかけてしまった。本当の本質がわかっていない自分だった」
謝るべきは麻生財務大臣
改ざんはすべきでないと抵抗した赤木俊夫さん(妻・雅子さん提供)
そして冒頭に紹介した公約が登場する。
「私は今回この選挙を通じて、あの国民の財産である公文書を改ざんさせて、そして大切な命を奪わせた、そういう財務省の責任をしっかりと問うていきたい。そして謝るべきは安倍総理(当時)だけではなくて、その(財務省の)トップである麻生太郎財務大臣なんじゃないかと、そのことをしっかりと訴えていきたい。
謝るべきは安倍前首相と麻生財務大臣(Getty Images)
実は先日あるご縁で、奥さん(俊夫さんの妻、赤木雅子さん)が一番願っているのは裁判とかじゃなくて、真実を知って、責任者である麻生太郎さんにお墓参りに行ってもらいたいんだ、というお話をある人から聞きました。そうだよな。自分の愛する人、その家族が何で亡くなったのか、その真相を知りたいと思うのは当たり前じゃないですか」
麻生大臣が明言しない「赤木ファイル」を開示させると明言
改ざんを巡っては、改ざんをさせられた赤木俊夫さんの上司、池田靖さんが赤木雅子さんに語った音声データが先日公開された。その中で、俊夫さんが改ざんについて誰がどのように指示してどのように改ざんしたかが一目でわかる詳細なファイルを作っていたことを明かしている。国と佐川氏を相手に裁判を起こしている赤木雅子さんの弁護団は、これを「赤木ファイル」と名付け、開示するよう国に求めている。
赤木俊夫さんが死の直前に書き遺した悲痛な言葉(筆者撮影)
しかし財務省はファイルがあるかないかも答えようとしない。「ない」と言わないのは「ある」と言っているようなものだ。麻生財務大臣も11月18日、国会で追及され、「存否も含め答えは控える。訴訟されている当事者であり、今のような答えしかない」と逃げた。大島さんはこの麻生大臣の答弁もやり玉に挙げた。
「この間、国会答弁で(赤木)ファイルがあるんじゃないかと言われた。そのファイルも出さない。真実をしっかり残したその記録、命の記録ですよ。その記録を開示させて、そのようなことが二度と起こらないような政治を作る」
九州男さんが太郎さんとがっちり握手(筆者撮影)
「私は福岡8区、麻生太郎さんと戦うその選挙の中で、そのことをしっかりと訴えて、麻生さんが本当に赤木さんのお墓参りに行って、本当に申し訳なかったと、その一言を言って頂ける、そんな当たり前の政治に、人の心に寄り添う政治を、山本太郎代表と作って参ります。この九州から九州男(きゅうしゅうおとこ)が皆さんと一緒に頑張ります」
麻生さんと真っ向勝負「勝てるはずない」を変えるには…
ここで再び山本太郎さんが壇上に立つ。
「福岡8区、麻生さんと真っ向勝負、ということで、大島九州男(くすお)、立候補予定者でございました」
「本気になれば政治は変えられる」と訴える山本太郎さん(筆者撮影)
そして大島九州男さんの演説を振り返った。
「公文書に関して、日本の財産であるはずの財務省の職員が命を落とすことになったことについて、非常に悲しい思い、悔しい思いを心からされてるんだなっていうことを感じました」
博多駅前に集まった人々と取材陣に語りかける山本太郎さん(筆者撮影)
続けて選挙戦に向けて有権者に奮起を促した。
「勝てるはずないだろ、あの麻生太郎になんて。なんで勝てないのかって、みんなが本気にならないからですよ。本気になったら変えられるんですよ。間違った政治、変えられるんですよ。あなたが本気になるかどうか、力貸してほしい。間違った政治を進めてきた者は、こうやって入れ替えることができるんだっていう民主主義のルールをしっかりと前に進める。みんなで確認できるような形で大島九州男を応援して頂きたいと思います」
「赤木ファイル」の開示、公文書改ざんの真相解明が衆院選の争点の一つになるなら、かなり面白い展開になるのではなかろうか?
【執筆・相澤冬樹】
訪れた人と記念撮影(筆者撮影)
相澤冬樹
大阪日日新聞編集局長・記者(元NHK記者)
1962年宮崎県生まれ。1987年NHK記者に。山口、神戸、東京、徳島、大阪で勤務。神戸で阪神・淡路大震災を取材。大阪でJR福知山線脱線事故を取材。大阪司法記者クラブ担当の2017年に森友事件に遭遇して取材を進めるが、2018年記者を外されてNHKを退職。この時の経緯を「安倍官邸vs.NHK 森友事件をスクープした私が辞めた理由」(文藝春秋刊)という本にまとめた。現在、大阪日日新聞に務めながらYahoo!ニュースをはじめ日刊ゲンダイや週刊文春など様々な媒体で記事を書いている。
【れいわ公認予定者発表街宣】山本太郎×大島九州男(次期衆院選 公認予定者 比例九州ブロック・福岡8区)2020年11月20日博多駅前
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