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コロナ宿泊施設ひっ迫の実態…埋まり始めた軽症者の受け皿
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/281450
2020/11/18 日刊ゲンダイ
北海道はパンク寸前(鈴木北海道知事と秋元札幌市長=左)/(C)共同通信社
コロナ患者の命をつなぎとめるECMO(人工心肺装置)が不足する――。そんな最悪の事態に備えて、日本集中治療医学会は、より効果が期待できる患者に優先的に振り分けるための注意点を示した提言をまとめた。感染拡大に伴い重症者が増えているが、限りある医療資源を踏まえての提言だ。それほど、この先の感染拡大は懸念されているということだ。実際、この新型コロナ第3波の威力は強烈だ。軽症者の受け皿である宿泊施設もジワジワ埋まりはじめた。実態を調査した。
北海道は9割が埋まる |
現在、入院できるコロナ患者は原則65歳以上の高齢者や基礎疾患がある人に限られている。軽症者は原則、宿泊施設で療養する。
〈表〉は、現在、自治体が確保している宿泊施設に占める宿泊患者の割合(占有率)が10%以上の都道府県だ。
最も深刻なのが北海道。すでに占有率は7割に迫っている。さらに209人が入所予定で、9割が埋まる。「200〜300室を増やす方向で動いています」(道コロナ対策本部)という。
東京と大阪はわずか半月で宿泊患者が倍増(C)共同通信社
Go To トラベルが宿泊施設確保の足かせに
東京と大阪は3割程度だが、増え方がすごい。今月1日の宿泊患者は、東京が298人、大阪が222人だったのに、15日時点ではそれぞれ602人と436人。わずか半月で倍増している。このペースで感染が続けば、列島全体で北海道のように逼迫が起きてもおかしくない。現在の北海道は、1カ月後の東京や大阪の姿のように見える。
宿泊施設が埋まったらコロナ患者は自宅療養をせざるを得なくなる。北海道は入院と宿泊療養が原則だが、はやくも札幌市の秋元市長は11日、「リスクの低い方には自宅で療養していただくことも考えていきましょう」と方針転換を表明。札幌市では200人超の感染者が自宅療養を続けている。
西武学園医学技術専門学校東京校校長の中原英臣氏(感染症学)が言う。
「自宅療養は同居家族に感染させるリスクが高い。高齢の同居人がいれば、重症化の恐れもある。また、病院や宿泊施設と違い、医者や看護師など医療従事者がそばにいないので、対応が後手になるリスクもあります。それでなくても第3波は家庭内感染が目立ちます。自宅療養を極力避けるために、もっと宿泊施設を確保する必要があります」
宿泊施設の確保の足かせになっているのが、「Go To トラベル」だ。
「春以降、コロナ患者用に部屋を提供してくれていたホテルも、旅行客が増え、確保が難しくなることを心配しています」(自治体関係者)という。
「これ以上、感染を拡大させず、また、コロナの宿泊施設を確保するためにも、感染拡大が深刻な地域では、Go To トラベルは即中止すべきです」(中原英臣氏)
今のうちに手を打たないと、とんでもない事態になる。
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