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吉村知事に大阪怒り“ワクチン実用化”と“うがい薬”で大迷走
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/281325
2020/11/14 日刊ゲンダイ
アンジェス社のワクチンの開発はまだまだ先(C)共同通信社
「結局、肝心要の対策は丸投げか」――。
新型コロナウイルスの感染が全国各地で広がる中、感染者が急増している大阪府の住民がカンカンになっている。批判の矛先は吉村洋文知事。感染者急増を受け、吉村知事が「1人1人の感染症対策が大事」と呼び掛けたことに対し、「コロナ禍なのに不要不急の都構想の住民投票なんてやっている場合じゃなかった」「しっかりと感染対策を講じておくべきだった」と怒り心頭なのだ。
相変わらず連日のようにテレビに露出している吉村知事だが、新型コロナをめぐる発言は迷走続きと言っていい。4月の会見では、大阪大発の創薬ベンチャー「アンジェス」が開発中だったワクチンに触れ、治験実施のめどが付いていないにもかかわらず、「実用化されれば10万〜20万人単位で接種が可能」「コロナウイルスと戦う武器になる」などと発言。テレビなどでも「7月に治験開始、9月に実用化」「年内に10万〜20万人に打つ」などと繰り返していた。
この言葉通りであれば、とっくにワクチンは実用化しているはずだが、同社が13日に公表したリリースによると、米食品医薬品局(FDA)から臨床試験の開始許可を得た段階だから、とてもじゃないが「年内に10万〜20万人に打つ」は不可能だろう。
8月には「ウソみたいな本当の話」と切り出し、市販のうがい薬を目の前にズラリと並べながら、「ポビドンヨード(商品名・イソジンなど)が含まれたうがい薬を使うことで、コロナの重症化などを防げる」とドヤ顔で主張。「コロナに打ち勝てるんじゃないか」とまで言い切っていたが、薬局のうがい薬売り場を大混乱させただけ。揚げ句の「1人1人の感染症対策が大事」なのだから、府民が「知事は今まで一体、何をやっていたのか」とカンカンなのも無理はない。
大阪府民はいつまで、「トリックスター知事」に翻弄されるのか。
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