トランプ再選への裏街道 2020年11月7日 田中 宇 揉めている米大統領選挙に関し、マスコミ軽信者が多い日本などでは「トランプとその支持者は、民主党が広範な選挙不正をしたというウソを言って、敗北が決定的なのに負けを認めようとしない」という見方が席巻している。だが、私が見るところ、民主党が広範な選挙不正をした可能性は十分にある。そして、米国の選挙制度を見ていくと、トランプと共和党が民主党の選挙不正を指摘し続け、自分の勝ちを主張し続けて敗北を認めずに頑張っていると、たとえ「民主党の選挙不正」がマスコミや権威筋も認める公式な話にならなくても、選挙制度に沿って、合憲的に、トランプが勝っていく道筋があることがわかる。それは、大統領選挙で勝者を確定できず揉めた場合にどうするかを決めた合衆国憲法の修正12条に依拠した道筋だ。 (Donald Trump's Stealthy Road to Victory) (米民主党の選挙不正)
修正12条で今回使われそうな要点は2つある。一つは、どこかの州で共和党と民主党が別々に選出証書を作ってワシントンDCに送ってきた場合、どちらが正当かを決めるのは連邦議会上院の議長、つまりペンス副大統領だということ。もう一つの要点は、トランプとバイデンの両方が270人分=過半数の選挙人数に達しなかった場合、どちらが勝ったかを決めるのは、通常と異なる「1州1票」の方式に基づいた連邦議会下院だということ。連邦下院は、通常の「1議員1票」の方式なら民主党が多数(下院選挙が今の趨勢のまま民主党が多数を維持した場合)だが、1州1票方式だと共和党が多数になる。どちらの要点を経由しても、修正12条という名の裏街道はトランプの選出に行きつく。米大統領選の制度は複雑難解なので、これだけではわかりにくい。以下、私なりに説明していく。 (Twelfth Amendment to the United States Constitution) 合衆国憲法は、大統領選挙に関して、有権者1人1票の一般投票を定めていない。米憲法に基づく「選挙人制度」の本質は、各州が投票するかたちで大統領を決めることだ。各州の規模などに応じて大統領を選ぶ際の発言力に差をつける意味で「〇〇州は〇人」といった「選挙人」の制度がとられている。米国は連邦制の「合州国」であり、各州の意思が連邦の運営を決める。各州の意思を決めるのは州議会と知事(州政府)だが、州の議員と知事を選挙で選ぶのは州の有権者なので、その点で間接民主制だ。憲法上、各州は、どのような方法で選挙人団を選んでも良い。19世紀には、州議会が選挙人団を選出する州がいくつもあった。それをさらに民主的にするという意味で、憲法はそのままで、今はすべての州が州民の一般投票で選挙人団を決める方法を採用している。米最高裁は、各州が勝手に大統領選の一般投票をやめても良い(合憲だ)と判決している。 (How Donald Trump Could Steal the Election) 大統領選の一般投票の対象は「大統領候補」でなく「自分の州の選挙人団候補」だ。大統領候補の数だけ選挙人団候補がある。最多数の票を取った選挙人団候補が正式な選挙人団になり、選挙人集会を開いて州としての正副大統領を選出し、州知事の承認のもと、その議事録を選出証書としてワシントンDCの連邦議会に送る(勝者総取り方式を採用する全米48州の場合。今回の選挙で揉めている諸州はすべてこの方式。残りの2州は比例配分的な方式)。連邦議会は1月6日ごろに「連邦議会両院合同会議」を開き、そこで各州から送られてきた選出証書を集計し、正副大統領を選出する。揉めない大統領選の年には、投票日の翌日ぐらいに確定した当選者がそのまま選出され、この手続きのすべてが儀礼的なものになる。 しかし、今年は違う。トランプと支持者たちは「民主党がひどい選挙不正をやった」「本当は勝ったのに」と言い続けている。軍産マスコミ権威筋とその軽信者たちは、トランプ敵視もしくは民主党寄りなので、選挙不正は今のところ陰謀論扱いされている。だが、トランプ側が今の態度を続けると、少なくとも共和党全体として「本当は勝ったのに民主党がひどい選挙不正をした」という主張が強くなる。この状態で、選挙人制度の手続きが行われていくとどうなるか。 (Trump’s Endless Lawsuits Could Theoretically Help Win Him Election If This Turns into a Bush v. Gore Situation) 今回の選挙で、開票の途中で優勢がトランプからバイデンに替わり、それが民主党の偽造票紛れ込ませの不正のせいだと疑われているアリゾナ、ウィスコンシン、ミネソタ、ペンシルバニアの各州(選挙人が4州合計で57)のうちミネソタ以外の3州は議会上下院の多数派がすべて共和党だ(ミネソタは上院が共和党、下院が民主党)。これらの州では、州として「選挙不正がなかったらトランプの勝ちだった」とか「民主党が選挙不正を行い、偽造票と正規票を見分けられず不正がない状態を判定できないので、一般投票は無効にせざるを得ない」と判断し、トランプの選挙人団に選挙人集会を開かせ、選出証書を連邦議会に送りそうだ。当然、民主党側は「冗談じゃない。勝ったのはバイデンだ」と言い、バイデンの選挙人団も同じ日に選挙人集会を開き、州知事の署名なしで選出証書を連邦議会に送るだろう。 (These Are The Nightmare Scenarios For The 2020 Election) 事態は、修正12条の、複数の選出証書が送られてきた場合に該当していく。そして1月6日の連邦議会の両院合同会議で、4州から送られてきた2つずつの選出証書のどちらをとるかを議論して揉めた後、最終的に、憲法の解釈にのっとり、上院議長であるペンス副大統領が、4州のトランプ選挙人団の方を正当だと決定し、トランプが当選者になる。米憲法の修正12条には上院議長が決めると明記されていないものの、各州からの選出証書の開封と集計は上院議長が行うと定めており、開封と集計の際の各種の判断が上院議長に委ねられていると解釈できる。これと同じ事態は、1960年のケネディ対ニクソンの大統領選のハワイ州で起きている(当時の副大統領だったニクソンは両院合同会議で、ハワイ州における自らの敗北を認める形でケネディを勝たせた)。 (1960 United States presidential election in Hawaii) 現時点でネバダ、ペンシルバニア、ノースカロライナ、ジョージアの4州でまだ勝敗が確定していない。このまま両候補とも270人に達しないまま12月8日の選出証書の提出期限が過ぎ、その状態で1月6日の両院合同会議になると、過半数に達した候補がいない状態になり、修正12条の解釈に沿って、連邦議会下院での1州1票制の投票で大統領が決められる。1州1票制で計算すると現在、全米50州のうち26州が共和党優勢、22州が民主党優勢になり、トランプが勝つ。トランプは今年9月に、このパターンになって自分が再選される可能性があると支持者集会で語っており、裏街道の存在を把握している。トランプは再選後、今回の民主党の選挙不正を捜査検挙するだろう。 (Keep Your Faith – Trump Already Won) 私が今回これらの裏街道の存在を知ったのは、米ハーバード大学の権威あるグレアム・アリソン元国防次官補がナショナルインテレストに書いた記事を見たからだ。「裏街道」という言い方も、アリソンの記事の題名「Stealthy Road」からもらった。「裏道」だと不正の意味が入る。これは立派な合憲なので「裏街道」にした。アリソンは、裏街道が現実になる可能性が今のところ20%しかないとも書いている。だが、彼は民主党のエスタブであり、裏街道が現実化してトランプが続投する可能性が高い、とは口が裂けても言えない。私には、裏街道になる可能性が現時点で40%ぐらいに見える。その確率は今後、時間がたつほど増えていく。裏街道が現実になると、民主党左派は激怒して全米で延々と暴動を起こす。マスコミも怒号だらけになる。しかし合憲なので止められない。米国が大混乱する中でトランプが続投する。 (Donald Trump's Stealthy Road to Victory) (投票後に政権転覆・カラー革命の試みに転換する米大統領選) ここ数日、毎日無料記事ばかり出しているので、今回の記事は有料版にしようかとも思ったが、今回も、どうみても人類全体にとって大事な話だ。無料配信にせざるを得ない。有料版も購読している皆さんごめんなさい。少し長い目で見てください。まだまだ世界は不可解な激動を続けるので、良い記事を有料版で書きます。 http://tanakanews.com/201107election.htm 米民主党の選挙不正 2020年11月6日 田中 宇 米国の大統領選挙は、民主党が開票時に広範な不正を行った可能性がしだいに濃厚になっている。ウィスコンシン、ミシガン、ネバダ、アリゾナ、ペンシルバニアなどの州で、投票後の開票作業中だった現地時間の11月4日未明に、遅れて到着した郵送票の束を偽装して、偽造された大量のバイデン票が開票所に運び込まれ、それまでのトランプ優勢がバイデン優勢に覆された。各地の選挙管理委員会の要員はもともと共和党と民主党の支持者が同数になるように設定されているが、11月3日の夜、いろんな理由をつけて共和党側の要員が開票所から追い出され、民主党側が開票を主導する態勢が作られた。そして郵送票の到着を装って不正が行われた。ウィスコンシン州では11月4日の午前4時に10万票が到着して開票され、そのすべてがバイデン票だった。この加算により、同州はトランプ優勢が覆され、バイデンの勝ちが宣言された。 (Voter Fraud in Wisconsin – Massive Dump of Over 100,000 Ballots for Biden All the Sudden Appear Overnight)
この加算により、あり得ない現象も起きた。ウィスコンシンの最大都市ミルウォーキーの7つの投票区で、投票総数が有権者登録数を上回ってしまった。このことは地元のメディアも報道し、不正の可能性が濃厚であることが一時全米に知れ渡った。民主党が支配する選挙管理委員会は、問題のミルウォーキーの投票区の有権者登録数を修正し、投票総数の範囲内におさまるように事実を再調整した。 (OBVIOUS FRAUD: Seven Milwaukee wards reporting more votes than total registered voters) (UPDATED: Analysis: Five Milwaukee wards report 89% turnout in 2020 presidential vote; Biden nets 146K votes in city) ミシガン州デトロイトでも、11月4日の午前3時半に13万8千票の郵送票が開票所に届き、優勢がトランプからバイデンに代わり、バイデンの勝ちが確定した。ネバダやペンシルバニアでも同様の不正の疑いがあり、トランプ陣営は開票作業の停止や再開票を請求した。だが、すでにマスコミ上で確定しているウィスコンシンやミシガンのバイデン勝利を覆すのは簡単でない。昨日の記事に書いたように、再開票しても偽造票を見分けられなければ意味がない。「投票用紙を作った国土安全省は偽造防止の透かしを入れているので見分けがつく」という説があるが、投票用紙を作っているのは連邦政府でなく地元の州などだ。偽造票を短時間で見分ける方法があるのかどうかわからない。 (TENS OF THOUSANDS OF BALLOTS Dropped Off in USPS Boxes at Detroit Absentee Ballot Processing Center at 3:30 AM After Election) (TRAP SET: Dept of Homeland Security controlled “official ballots” production) 民主党の選挙不正は、インターネットの言説を支配するSNS諸企業や、マスコミもぐるであり「不正などない。トランプ支持者の妄想だ」という話だけが今後も流布する。不正を指摘するSNSの書き込みは消される。選挙不正が公式の話として認知されるのは簡単でない。そのため昨日の記事では、不正によってトランプの敗北が確定してしまうのでないかと悲観的なことを書いた。しかし、それから1日経ってみて、どうもそうでないようだという感じが出てきている。 (トランプの敗北?) 私が注目したのは、マスコミが発表する開票速報が、バイデン264、トランプ214のまま止まっていることだ。バイデンは、あと6人とれば当選確実になる。残っている4州のうち一つ取ればよい。マスコミが勝敗を確定すると覆すのが困難になる。民主党とマスコミなど軍産側は、ネバダあたりの選挙管理委員会を急かせて不正票含みで開票を進めてバイデンの勝ちを確定するのが良い。しかし、どういうわけかそれは寸止めされている。 もしかして・・・と私が思ったシナリオは、民主党に不正をさせるのがトランプの仕掛けた罠でないか、というものだ。トランプ側は不正をしない。隠れトランプが大勢いる。民主党が不正をしなければトランプの勝ちになる。トランプは、夏前から郵送投票に反対しつつも阻止せず、民主党が今回のような不正をやるように仕向けた。不正が行われ、バイデンが今のようにもうすぐ勝つ状態になったところで、トランプは開票作業を止めさせた。バイデン親子の中国ウクライナからの贈賄について司法省から電話させれば、バイデンはとりあえず開票作業の一時停止に応じる。これが今だ。 今後、この膠着状態のまま時間がたつほど、民主党の選挙不正について詳細がわかってくる。トランプ傘下の諜報界は、民主党側にスパイを潜り込ませ、不正について何らかの証拠を握っている(証拠を握れる状態を作れなければ民主党に不正させない)。これは「おとり捜査」である。これから証拠がリークされていく。ロシアゲートの逆転劇に似ている。決定的な証拠がリークされる前後に、マスコミがネバダ州のバイデン勝利を確定し、バイデンの当選を発表するかもしれない。しかしそれと同時に民主党の選挙不正について決定的な証拠が暴露され、マスコミも選挙不正に協力してバイデン勝利を捏造していたことがバレていく。 (スパイゲートで軍産を潰すトランプ) このシナリオが成功すると、民主党だけでなくマスコミの権威も失墜させ、軍産の全体を潰せる。最終的な次期大統領はトランプになる。もう少しで勝てたのに、と悔しがる民主党左派は、全米で絶望的な暴動・略奪に走る。米国は混乱が続いて国際信用が低下し、経済も破壊され、軍産が最も望まない覇権の失墜になる。その中でトランプの2期目が始まり、米中分離や隠然多極化を進めていく。結局のところ、一昨日書いた記事のシナリオに戻っている。嘲笑してください(笑)。 (投票後に政権転覆・カラー革命の試みに転換する米大統領選) http://tanakanews.com/201106election.htm トランプの敗北? 2020年11月5日 田中 宇 これは「投票後に政権転覆・カラー革命の試みに転換する米大統領選」の続きです。
昨日の記事でトランプが勝ちそうだと書いたのに、今日の記事ではトランプが負けそうだと書く。昨日の段階では、開票が残っていたほとんどの州でトランプが優勢だった。だがその後の24時間で、ワイオミングとミネソタがバイデンの逆転勝利が確定し、ネバダも優勢者がバイデンに代わった。ネバダの勝利が確定すると、この選挙はバイデンの当選になる。トランプは、ネバダを含む未決定の州のすべてに勝たないと当選にならない。郵送票の集計に時間がかかり、郵送分にはバイデンに入れた票が多いので、あとからバイデンが優勢になってきたと説明できる。トランプはこれに対し、民主党側が各地でバイデンの名前が書かれた郵送票の束を偽造して郵政公社の集配システムの中に紛れ込ませる不正をやっていると指摘した。 (Trump On Election Results: ‘We Will Be Going To The U.S. Supreme Court’) (Trump: 'Surprise Ballot Dumps' Behind Lead Changes; Arizona 'Sharpie' Malarkey Comes Into Focus) トランプ側も同じ不正をやれば良かったのだが、やらなかった。ペンシルバニアなどの州政府は、11月3日より後に届いた郵送票も開票の対象にすると決めた。トランプが勝ちそうだとわかった段階で、民主党側が、郵政公社の集配システムの中にバイデンと書いた偽造票の束を紛れ込ませ、正規の票のように見せかけて開票対象の中に入れれば、追跡もされず、劣勢だったバイデンがじわじわと優勢になっていく。だから民主党側は「すべての票を開票せよ」と主張し、バイデンは「時間が経てば優勢になる」と表明し、トランプは「開票をいったん停止せよ」と主張している。 (Trump Is Poised To Win The Election. Now He Has To Stop The Steal) (Dems Insist Biden Won The Election, Ready For All Legal Challenges) 民主党側が選挙不正をやっても、マスコミは民主党支持なので調査もしないし報じもしない。広範な不正があっても暴露されず「事実」にならない(細かい不正だけ暴露し裁かれる)。米国の選挙は昔からいろんな方法で不正が行われてきた。手口の中にはなるほどと思える事実っぽいものも多かった。以前は、投票用と集計用のタブレット(Windows CE)にソフトウェア的な裏口が設けていた。大学の先生がそれを指摘し、裏口を使った不正を実践してみせた。だが、この手の広範な選挙不正が公式に暴露されることはなく、いつも陰謀説として処理されてきた。巨悪は眠る。今回もそうだろう。 (不正が横行するアメリカ大統領選挙) 米国の選挙は、投票する有権者でなく、開票する選挙管理委員会が(不正によって)勝敗を決める。そんな揶揄の記事も出ている。確かにそうだ。トランプからバイデンに優勢が替わったミシガン州のデトロイト(都会なので民主党支持が多い)では、開票所の窓の外から共和党支持者たちが開票作業を監視ししていたが、選挙管理委員会が、窓に紙を貼って監視できないようにしてしまった。選挙管理委員会を支配しているのが民主党であることがわかる。偽造票の束を、開票所に持ち込むのでなく、郵便局の集配振り分け室に裏口から民主党支持者の郵便局員を通じて持ち込んで集配システムの中に入れてしまえば、簡単に不正ができる。選管が票の偽造に絡んでいるのだろうから、偽造票と正規票を見分けるのは困難だろう。 ("Those Who Vote Decide Nothing. Those Who Count The Vote Decide Everything...") (Detroit Ballot-Counters Board Up Windows, Block Republican Poll-Watchers) トランプ陣営はウィスコンシンでの再開票を求めているが、偽造票を見分けられない以上、開票作業をやり直しても結果は同じだ。ウィスコンシンは2016年の選挙でも再開票したが、結果は130票しか違わなかった。再開票は意味がない。トランプ陣営は、いくつかの州の開票について最高裁判所に訴えているが、裁判所は検討に時間がかかりすぎ、選挙結果を変えたり確定したりするのにふさわしい機関でない。それは、すごく膠着した2000年のブッシュvsゴアの大統領選の際に経験ずみだ。裁判所への提訴も意味がない。再開票も裁判所もダメだとなると、もうトランプには打つ手がない。不正が行われていたとしても、よっぽどの証拠をすぐ出せない限り、いったん確定した各州の選挙結果を変えることは困難だ。マスコミ各社がバイデン勝利を宣言した段階で、トランプの敗北が確定してしまう。マスコミは歪曲報道をしているが、歪曲を是正するには「別の事実」が必要だ。何が事実かを決める権限はマスコミが持っている。マスコミはトランプ敵視だ。 (Trump's narrow path to the Supreme Court) (Trump campaign to immediately request recount in Wisconsin) 民主党には「暴動」という奥の手があった。トランプが勝ったら、大統領府の前など全米各地で民主党左派の組織が暴動を起こすことになっていた。11月3日に、その前哨戦のような小さな暴動が大統領府の前などで起きた。だが、それから1日経ってトランプが負けそうなので、暴動は拡大していない。次に暴動が再燃するとしたら、それはトランプが延々と敗北を認めなかった場合だ。BLMなど民主党左派の暴力集団は、大統領府を本格的に襲撃してトランプや側近を追い出すと言っている。民主党には、全米で手際よく暴動を起こせる強い暴力集団がいる。コロナ危機の初期から、彼らの「技能」の高さは有名だ。だが、トランプには同様の奥の手がない。マスコミは、トランプ支持者を「極右暴力集団」」と呼ぶが、彼らは少なくとも今のところバラバラな感じで、全米で手際よく暴動を起こした実績もない。トランプの支持者といえば、逆に、自分のトランプ支持を周りにも言いたくない「隠れトランプ支持」が多い。彼らが突然街頭に出て民主党の選挙不正を糾弾するかというと、多分しない。隠れトランプ支持者は闇から闇に消え、ノンポリに戻る。 (DC Police Confirm Stabbing Attack On 4 Trump Supporters Near White House) トランプはこの4年間で、軍産マスコミ民主党からかけられたロシアゲートの濡れ衣を跳ね返し、返す刀で諜報界の軍産支配を突き崩し、諜報界を牛耳るまでになっていた。だが諜報界は分散型のネットワークであり、軍産の勢力があちこちに残っている。彼らが今回の選挙でトランプに反撃し、かなり成功している。トランプは急速に劣勢になっている。何週間も続くと思われた選挙後の膠着状態と混乱は、数日でトランプが敗北を認めて終わる可能性が出てきた。バイデンは、勝利を前提に政権移行チームを結成したという。 (Biden Launches Presidential 'Transition Team', Trump Asks SCOTUS To Intervene) バイデン勝利とトランプ敗北が確定した場合、共和党ではトランプ支持の勢力が急に弱まり、それ以前の軍産エスタブの勢力が復活する。彼らは、バイデンやペロシといった民主党の軍産エスタブ勢力と合体し、超党派で米国の覇権体制を蘇生しようとするだろう。民主党は一枚岩でなく、中道派と左派の内紛が強まる。超党派の中道派(軍産エスタブ)が、民主党の左派を押さえ込めるかどうかが注目点になる。左派は、覇権や軍産エスタブ、金持ち支配を敵視しており、諜報界の別働隊でもある。エスタブが左派を抑え込めないと、かつて「文化大革命」が中国を自滅させたように、左派は米国を内側から自滅させていく。共和党では「ネオコン」も復活してくる。中露や同盟諸国は、以前のように米国の言うことを聞いてくれない。覇権の自滅はまだ続く。 今回の記事は昨日の反動で、かなり悲観的な書き方になった。今後の展開を見ながら修正していく。 http://tanakanews.com/201105election.htm 投票後に政権転覆・カラー革命の試みに転換する米大統領選 2020年11月4日 田中 宇 米大統領選挙の開票が進んでいる中でこれを書いている。従来の常識に沿うなら、数時間後にこの記事を配信するころに勝敗が決する。だが、すでに従来の常識はあてにならない。前から書いているように、今回の米選挙は米国のさらなる混乱の始まりとなる。選挙結果が確定するまでに、数日から数週間かかる。最終的な現実は、たぶんトランプが再選され続投する。最終的な獲得選挙人数はトランプ291、バイデン244あたりだろう。 (In preparation for any emergencies, including widespread social unrest, the National Guard has been deployed in several states)
黒人の30%がトランプ支持だと世論調査機関ラスムッセンなどが言っている。ラティノも似た感じだ。前回2016年は黒人の8%しかトランプを支持しなかった。米大統領選は毎回接戦なので、これまで民主党を支持してきた黒人やラティノの数%がトランプ支持に転じただけでトランプ圧勝になる。今回は史上最高級の67%の投票率だが、投票率が上がるほど接戦州で共和党が有利になる(全米的に、都会は民主党支持、田舎は共和党支持が多い)。米国でも日本でも、マスコミはバイデン優勢と言い続けてきたが、人々は「本当はトランプが優勢っぽい」とわかっている。マスコミは信用を失っていく。 (Stunning: 31% of Black Americans now plan to vote for Trump, handing him a LANDSLIDE victory) (JPMorgan's Kolanovic Has A Warning For Those Expecting A Crushing Biden Victory) 最終的にトランプが再選される。勝敗を決するフロリダはトランプの勝ちになった。270人とると勝ちな選挙で、トランプ291、バイデン244(223+アリゾナ11+メーン4+ネバダ6)ぐらいで終わりそうだ。大体の開票結果の判明が何日かずれ込みそうなペンシルバニア(20人)、ミシガン(16人)、ワイオミング(10人)はすべてトランプが取りそうだ。イスラエルは従来、米国の2大政党の両方と仲良くしようとしてきたが、今のネタニヤフ首相はトランプとだけ仲良くしている。イスラエルもトランプ再選を予測している。 (Trump Takes TX, FL, OH; Biden Flips AZ With Vote Set To Drag For Days) (Netanyahu putting all his eggs in Trump’s basket) だが、民主党・マスコミ権威筋・ネット大企業群(グーグルアップルフェイスブックツイッターマイクロソフトなど。シリコンバレー)といった旧軍産エスタブの勢力は、トランプの再選を認めたくない。米テレビ局(MSNBC)は「今夜(11月3日)トランプが勝利宣言しても、それは不確定な中で勝手に言っているだけのフェイクニュースなので報道しない」と宣言している。「トランプ勝利はフェイクニュースだ」というエスタブ権威筋の決めつけがしばらく続く。「トランプは選挙不正したに違いない」という無根拠な濡れ衣もしばらく続く。これらの歪曲や濡れ衣が解除されるまで選挙結果が確定しない。ずっと確定しないと米国の国際信用(覇権)が低下していく。軍産エスタブは米覇権の維持が目標なので覇権低下は困る。いずれ、トランプの再選が公式に認められていく。それまで何日・何週間かかるかが注目点だ。 (If Trump Declares Victory On Election Night, We Will Not Broadcast His Speech) トランプが勝利宣言したら、報道されないだけでなく、暴動も開始される。「サンライズ運動(Sunrise Movement)」という民主党左派の政治運動体が全米に連絡網を作り、トランプが勝利宣言したら「それはウソだ」と叫びつつ、ワシントンDCなど全米でトランプを辞めさせるためのデモや集会、そこから発展する暴動、略奪などをやることになっている。運動の中心地はワシントンDCの大統領府から近い場所に作ったBLM広場だ。すでに多数の左翼活動家や、うっかり左翼傀儡の市民たちがBLM広場に集まっている。彼らは11月5日に大統領府を襲撃し、11月6日に他の連邦政府機関や議会などの建物を襲撃する計画だとも言われている。すでに大統領府は襲撃に備えて有刺鉄線で囲われ、州兵が警備している。DC以外の全米の連邦政府の建物も襲撃・破壊の標的にされる。各地の商店街が暴徒に備えて店頭を板で覆っている。米国民の77%が、選挙後に暴動が起きると予測している。 (If Trump wins, thousands of people could “storm White House”) (77% Of Americans Think Violence Will Break Out After The Election) サンライズ運動の内部にトランプ側のスパイが入り込んでいるらしく、運動の動きを暴露する「サンライズ暴露 SunriseExposed.com 」というウェブサイトが作られている(BLMやアンティファなど左翼組織自体、米国を破壊するためにトランプ側=トランプが乗っ取った米諜報界の勢力が入り込んで暴動や略奪など破壊行為をやらせているのだが)。 (Americans Better Get Prepared For Rebellion) (Sunrise Exposed) トランプが勝利宣言した時点で、トランプ政権を転覆するためのクーデター、カラー革命の試みが始められる。ウクライナやベラルーシ、シリアなどでトランプ以前の米諜報界が地元の野党勢力やテロ組織を動員・扇動して試みた各種のカラー革命は、いずれも短期間でなく、数か月から数年続いている。ベラルーシは現政権に抑えられて鎮圧されているが、ウクライナもシリアもひどい内戦になった。米国は軍隊が強いので、ひどい内戦になる可能性は低い。だが警察は、左翼系の民主党の市長や州知事が治める地域では、権限や予算を削られ弱体化し、左翼暴徒のやりたい放題・壊し放題になっている。ワシントンDCの市長(Muriel Bowser)も、左翼の暴徒が大統領府を襲撃しても取り締まるなと地元の警察に命じている。ポートランドなど左翼が治める諸都市では、コロナ危機開始以来、左翼による市街地占領や略奪が断続的に何か月も続いている。サンライズ運動の破壊行為も今後延々と続きそうだ。 (If Trump wins, thousands of people could “storm White House”) 「勝敗がすんなり決まり、暴動など起きない」という予測記事も見た。しかしこの予測は、バイデンが圧勝し、トランプが素直に敗北を認めるシナリオを前提にしている(共和党系シンクタンクの軍産傀儡アナリストが書いた)。バイデンがすんなり圧勝すれば、民主党の左翼は暴動を起こしようがない。だが、これはありえないシナリオだ。バイデンがすんなり圧勝するとしたら、それこそ民主党とエスタブ、マスコミ、諜報界の反トランプ派による不正行為だ。そして諜報界を牛耳ったトランプはバイデン側の不正を知っていて戦略として放置している。トランプはバイデン勝利を認めず、事態が混乱して暴動が始まり、延々と続く。最終的にバイデン勝利は不正に基づくものであることが摘発されていく。明日以降そのようなシナリオもあり得る(たぶんない)が、トランプを大統領府から追い出そうとする暴動は起きる。 (Everything You Have Been Told About the 2020 Election Is Wrong) (Joe Biden Planning to 'Assert Control' If News Organizations Declare Him As Winner) バイデンやペロシといった民主党のエスタブ主流派(中道派)が、党内の左翼を抑止できる力をまだ持っているかどうかも見どころだ。主流派が左派を抑えられない場合、バイデンはなかなか敗北を認められない。民主党がエスタブ中道派と左派に分裂するか、左派が民主党を乗っ取ってエスタブ勢力が無力化されるか、という話になる。左派が主導する民主党は、従来の米国の2大政党間の談合を拒否するだろう。米国の2大政党制=2党独裁制が崩れていく。共和党はすでにトランプらに乗っ取られ、軍産エスタブ中道派は無力化されている。米国覇権を好み、覇権運営を担当してきた軍産エスタブは居場所を失う。米国は覇権運営をしない・できない状態になる。 (Who Wins If Trump Loses?) 選挙の予測を16年と今回の2回連続して大間違いしたマスコミ権威筋は信用を失う。マスコミは軍産の一部だが、軍産自体が米政界で居場所を失い、軍産の中核をなす諜報界もすでにトランプに牛耳られている。マスコミやジャーナリズムは、もともと巧妙なプロパガンダ策であり悪質な偽善だったが、すでに機能不全であり、歴史的な役割を終えていく。米国だけでなく世界的にだ。これは「良いこと」である。ジャーナリズムの礼賛者は、自分が軍産のうっかり傀儡であることに気づいてない。 (Here’s Why Trump Will Pull Off The Greatest Upset In US Political History On Tuesday) こんな時に、いい味を出している人がいる。おなじみのロシアのプーチン大統領だ。彼は先日、バイデン家のウクライナ疑惑に関してバイデンを擁護する姿勢を見せた。記者からの質問に苛ついてみせ、自分があたかもバイデン支持であるかのような演技をした。(笑)、である。実のところ、プーチンはトランプの再選を強く望んでいるはずだ。トランプの覇権放棄策のおかげでプーチンのロシアは中東やコーカサス、東欧で覇権を拡大し、金づるの中国とも良い関係を維持できている。プーチンがニヤニヤしながらポップコーンを食べつつ米国の覇権崩壊に対して高みの見物をしているコラージュ写真がぴったりだ。もちろん習近平もトランプのおかげで多極型世界の覇権国の終身独裁者になれて大喜びだ。 (Putin Defends Bidens, Becomes 'Visibly Irritated' When Asked About $3.5 Million Moscow Payment To Hunter) (Russia Retaliates Against Obama Expulsions, Plans To Seize US Property In Moscow) http://tanakanews.com/201104election.htm
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