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菅義偉首相の実弟が自己破産後、JR企業の役員に就任していた
https://bunshun.jp/articles/-/41424
11/10(火) 6:12配信 「文藝春秋」編集部 文春オンライン 文藝春秋 2020年12月号
首相就任によってファーストレディの真理子夫人をはじめ家族関係がクローズアップされている菅義偉首相(71)。実弟の菅秀介(ひですけ)氏(69)は、51歳で自己破産した直後にJR東日本の子会社に幹部として入社しているが、異例の入社を遂げた背景には菅首相と同社の蜜月関係があったことが、ノンフィクション作家・森功氏の取材で分かった。
菅氏は小此木彦三郎元通産相の秘書だった時代からJR東日本(当初は国鉄)との関係を深め、今年5月に亡くなった松田昌士元会長をはじめ歴代の社長からバックアップを受けてきた。
菅義偉首相 ©AFLO
首相に就任後、多忙を極める中にあっても、JR東日本グループの職域団体「東日本ときわ会」の幹部会に2度も出席、その場のあいさつでは、国鉄改革の立役者でJR東日本初代社長の住田正二氏への感謝の言葉を述べている。
東京駅の一等地に出店した「ヒデ製菓」
1974年に慶應大学商学部を卒業した秀介氏は、菅氏が横浜市会議員に初当選した2年後の1989年1月、菓子屋「ヒデ製菓」を起業した。
ヒデ製菓は創業直後から東京駅構内のキヨスクを借りて、自前の菓子販売を行っていた。当時の店舗は八重洲中央改札近くの「銀の鈴」そばのコンコース(大通路)という一等地。キヨスクはJRが展開している売店であり、秀介氏の知人によれば、東京駅に出店するにあたっては、菅氏が自身の後援者を秀介氏に紹介し、販売する商品の相談などが行われたという。
ヒデ製菓は1日の売り上げが100万円を超えることもあったが、結局事業はうまく行かず、2002年10月、ヒデ製菓と秀介氏個人は東京地裁から破産を宣告された。
だが、その後、秀介氏は意外な転身を遂げていた。
なぜJR東日本グループ企業の役員に?
半年ほど病院で介護職を務めた後、JR東日本の子会社である千葉ステーションビルに営業部付きの部長として入社していたのだ。2010年には取締役にも就任し、2017年まで務めている。
千葉ステーションビルは海浜幕張、津田沼、西船橋など10の駅ビルを運営しており、年間400億円近くを売り上げる優良企業だ。277店舗のテナントが入居する中核の千葉駅「ペリエ千葉」は、数あるJR東日本管内の不動産・ホテル事業のなかでも3番目の規模を誇る。
千葉駅直結の「ペリエ千葉」
千葉ステーションビルに入社した当時、秀介氏は50歳を超えている。同社の元取締役は秀介氏が入社できたことについて、「(菅首相と)JR東日本の関係で入ってきたんだと思う」と語った。
秀介氏の自宅を訪ね、ヒデ製菓が東京駅で店舗を構えた経緯や千葉ステーションビル入社などについて尋ねると、「兄とは関係ない」と語った。
菅首相にも書面で取材を申し込んだが、期限までに回答はなかった。
11月10日発売の月刊「文藝春秋」12月号及び「文藝春秋digital」に掲載した森功氏の「菅首相と慶應卒弟のJR“既得権益”」では、30分にわたる秀介氏への直撃取材の内容に加えて、JR東日本元常務の証言などを紹介し、これまでまったく報じられて来なかった菅首相とJR東日本の関係について詳報している。
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