http://www.asyura2.com/20/senkyo277/msg/233.html
Tweet |
※2020年11月9日 日刊ゲンダイ1面 紙面クリック拡大
“トランプと蜜月”のツケ バイデン政権で日米どうなる <前>
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/281049
2020/11/09 日刊ゲンダイ
彼我の差…(菅首相と米大統領選で勝利宣言をした民主党のバイデン前副大統領=左)/(C)日刊ゲンダイ
狂気のトランプと蜜月だった恥辱にがんじがらめ |
まれにみる混戦となった米大統領選は、日本時間8日未明、ようやく民主党のバイデン前副大統領の勝利確実と速報された。米国内では支持者が歓喜に沸き、各地で祝賀パレードが自然発生。トランプ大統領が過去に出演していたテレビ番組での決めゼリフの「YOU’REFIRED!(おまえはクビだ)」などと書かれたプラカードを掲げる人の姿も目立った。英国のジョンソン首相、ドイツのメルケル首相ら世界各国のリーダーも相次いでバイデン勝利への祝意を表明。ヘイトとフェイクをまき散らして分断を煽り、民主主義をおとしめてきた狂気の大統領がホワイトハウスから去ることに安堵が広がっているように見える。
もっとも、バイデンの勝利に焦りまくっているのが、トランプべったりで追従してきた日本だ。
「各国首脳にならって、菅首相も8日早朝にツイッターでメッセージを送りましたが、公式に祝意を伝える電話会談の時期などは慎重に見極める方針です。来年1月20日まではトランプ氏が現職大統領ですし、安倍前政権から蜜月関係でやってきたのに、いきなり右から左へと手のひらを返しづらいのも事実。トランプ氏がゴネている間は、日本政府は様子見するしかありません」(官邸関係者)
<ジョー・バイデン氏及びカマラ・ハリス氏に心よりお祝い申し上げます。日米同盟をさらに強固なものとするために、また、インド太平洋地域及び世界の平和、自由及び繁栄を確保するために、ともに取り組んでいくことを楽しみにしております>
この菅の投稿に対して、「祝意は時期尚早」「まだ決まっていない」と反発するリプライ(返信)が多数寄せられていることも興味深い。
再選を願っていた日本政府に同調してか、自民党支持者にも「トランプ命」がしみついているようだ。
安倍前首相はトランプとの蜜月を売りに「外交特使」として政権に協力するとか言っていたが、それもバイデン勝利でアテが外れた。なにしろ、安倍が2013年に靖国参拝を強行した際、「失望」を表明して安倍の歴史観を批判したのは、当時のオバマ政権で副大統領だったバイデンその人なのである。
「今回の大統領選は、米国全体がトランプ氏を拒否した選挙でした。それに勝ったのがバイデン氏ですから、ひたすらトランプに媚びへつらってきた日本は、最初から厳しい目で見られているし、そこへ『世界一トランプと親しい』が自慢の安倍氏がシャシャリ出て行ったら日米関係はめちゃくちゃになります。これまではトランプ個人の機嫌を取っていればよかったが、バイデン政権は組織的な力で日本に対する圧力を強めてくるはずです」(元外務省国際情報局長の孫崎享氏)
トランプと戦い、勝った男と日本がうまくいくわけがないのだ。ポチ外交のツケは、重くのしかかってくる。
アベとスガに会う気なし(北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長)/(朝鮮中央通信=共同)
バイデン大統領で拉致問題“他力本願”の絶望 |
バイデンの北朝鮮への姿勢は強硬だ。
トランプ頼みだった安倍の独り相撲すらとれず、菅は拉致問題で絶望的な状況に陥りそうだ。
大統領選のテレビ討論会で金正恩朝鮮労働党委員長との「友情」を自賛したトランプに対し、バイデンは「トランプ氏の言う良い友達というのは悪党で、ヒトラーが欧州を侵略するまではいい関係だったと言っているようなもの」と吐き捨てた。続けて「トランプ政権で北朝鮮はミサイル能力を向上させた」と批判。自身が米朝首脳会談を実施する前提条件に「非核化」を突きつけた。
国際ジャーナリストの春名幹男氏はこう言う。
「米国の対北政策は相当に行き詰まっています。ブッシュ(子)政権下の6カ国協議で非核化交渉がまとまりかけたものの、最終盤で空中分解。その後、北朝鮮は人工衛星打ち上げと称して弾道ミサイル発射実験を強行し、オバマ政権が『戦略的忍耐』を決め込んだことで核ミサイル開発の時間を与えてしまった。そして、トランプ大統領のデタラメです。新型コロナウイルスの感染再燃、大統領選で深まった分断と、バイデン氏は深刻な内政問題に直面することになる。北朝鮮側が動かない限り、当面は目を向けることはないでしょう」
だいたい、安倍が言い出した「無条件会談」が金正恩を遠ざけているようなものだ。
「安倍前首相はいいアイデアだと評価しているようですが、北朝鮮にとって条件なしでは会談するメリットがない」(春名幹男氏=前出)
北朝鮮は、菅の存在をほぼ無視しながらも、小泉訪朝にかかわったベテラン外交官が9月末に談話を発表。「われわれの誠意と努力により、すでに後戻りできないまでに完全無欠に解決された」と従来の主張を繰り返した。
被害者家族は、いつになれば光明を見いだせるのか。
辺野古はどうなる?(C)共同通信社
沖縄や基地負担、貿易交渉専門家はこう見ている |
バイデンは同盟国との関係強化を表明。同盟軽視のトランプのように在日米軍撤退をチラつかせ、日本に法外な駐留経費負担を迫ることはなさそうだが、米国における日本の地政学的位置は変わらない。
日米同盟と自衛隊の役割に大きな転換は望めそうもない。
「米政権が変わっても、日本にはペストとコレラの違いでしかありません。米国にとって日本はアジア太平洋地域の第1防波堤。国際協調路線に戻っても、日本を含む同盟国の力を借りて中国を牽制する方針に変化はない。残念ながら、沖縄の辺野古移設見直しも期待できません」(軍事評論家の前田哲男氏)
バイデンは4年で2兆ドル(約206兆円)の環境投資を公約。財政上の理由から日本に軍事力強化の圧力を加え、「政府・自民党内で敵基地攻撃論が進んでしまいかねない」(前田哲男氏=前出)との懸念もある。
「バイデン氏はTPP再交渉が持論。市場開放に慎重な『ラストベルト』の激戦州に配慮して今は封印していますが、むしろ日本政府はTPPに積極的です。米国の離脱後もTPP11を成立させただけに、菅政権は前のめりでバイデン氏に再参加を呼びかけそうです」と指摘するのは、経済アナリストの菊池英博氏だ。こう続けた。
「安倍政権が『TPP反対』の公約を覆し、『推進』に転じたのは中国包囲網と結び付けたいためで、その路線を菅政権も継承しています。ただ、バイデン氏は対中貿易戦争の緩和のため、中国のTPP参加を探る可能性もある。となると、日米は同床異夢。しかも民主党の牙城で今回もバイデン氏が制したカリフォルニア州は、最大のコメ産地です。トランプ政権とのFTA(自由貿易協定)交渉以上に、コメなど農産品の市場開放を激しく求めることは大いにあり得ます」
菅はバイデンに一層の従属を迫られそうだ。
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK277掲示板 次へ 前へ
最新投稿・コメント全文リスト コメント投稿はメルマガで即時配信 スレ建て依頼スレ
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK277掲示板 次へ 前へ
★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/
since 1995
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。