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民主主義の危機 国民は選挙で“独裁者”を選んだのではない 日本外交と政治の正体
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/280905
2020/11/06 06:00 更新日:2020/11/06 16:49 日刊ゲンダイ
「法律」を逸脱した答弁(菅首相=中央)/(C)日刊ゲンダイ
日本学術会議の会員任命拒否問題で、菅首相の答弁は明らかに「法律」を逸脱していた。菅政権は、これがいかに民主主義の崩壊につながる危険な行為だという認識があるのだろうか。
日本は民主主義国家である。憲法で民主主義国家の骨格を確認したい。
第41条は「国会は、国権の最高機関であって、国の唯一の立法機関である」と規定し、第73条は内閣の職務として、「法律を誠実に執行し」とある。選挙後、国会で首相が選ばれ内閣が形成されるが、この内閣は国会の決める法律を誠実に施行する。これが民主主義国家の骨格である。内閣が法律を守らなければ当然、民主主義国家としての土台が壊れる。
菅首相は参院の代表質問で、学術会議問題について「旧帝国大学に所属する会員が45%を占め、私立大学は24%にとどまっている」などと答弁し、学術会議の会員構成に偏りがあるとの認識を強調したが、任命を拒否された6人中3人は私大教授だから整合性が取れない。だが、より根本的なことは、学術会議の会員を国公立大、私立大の比率で決めるべきなのか、ということである。
学術会議は、学術会議法第2条で「わが国の科学者の内外に対する代表機関」とされ、会員の選考基準については、第11条で、「科学の分野において優れた研究または業績がある会員をもって組織」と明確に規定されている。ここに大学間のバランスを取って選考するという規定は存在しない。
防衛大に勤務していた頃、講師から准教授、准教授から教授への昇格や、教授ポストの新規募集に関与したことがあった。審査は論文や著書を通じて専門分野で学術的にどのように貢献してきたかを審査した。その際、どの大学に勤務しているかは考慮外である。こうした評価の仕方は、米国など先進国における学者の評価基準と同じだ。
現行法が時代の変化に合致しない時が来るかもしれない。その時は、法律を変えればいい。改正しない限り、現行法を守る。それは民主主義国家の責務である。「首相になったのだから法律を度外視し行動していい」のではない。国民は選挙で独裁者を選んでいるのではない。
孫崎享 外交評論家
1943年、旧満州生まれ。東大法学部在学中に外務公務員上級職甲種試験(外交官採用試験)に合格。66年外務省入省。英国や米国、ソ連、イラク勤務などを経て、国際情報局長、駐イラン大使、防衛大教授を歴任。93年、「日本外交 現場からの証言――握手と微笑とイエスでいいか」で山本七平賞を受賞。「日米同盟の正体」「戦後史の正体」「小説外務省―尖閣問題の正体」など著書多数。
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