我々の社会は小泉政権を起点としてグローバリズムという帝国主義に飲み込まれつつあるのだが、IMFの債務国でないにもかかわらず、労働法や会計制度の改変、資本の自由化(企業買収の簡易化)、民営化など、これほど多国籍企業群の要求に応じた国家はニホン以外に一つとして存在しない。つまり構造改革とは単純に「ワシントン・コンセンサス」(米国の対外戦略)への準拠であり、それは通常において金融勢力が債務国に突きつけるコンディショナリティ(融資条項)なのであり、世界はこの国の異様を注視しているのだ。○日本の水道はすべて民営化する! 麻生太郎(第92代内閣総理大臣) 人為的な株安により構造改革の2001年から僅か4年で主要企業株式の過半数が外資に取得されたのだが、さらに2017年の完全民営化によって日本郵便とかんぽ生命の運用資産334兆円が外資に譲渡されるわけだ。また愛媛県松山市の水道管理事業が仏ヴェオリア社へ一時委託されたことから、生命インフラの支配が逐次的に全国展開されるのではないかと物議を醸し出した。もはや様相はかつてアフリカの部族長が、僅かな装飾品やガラス玉と引き換えに、欧州や中東の奴隷商人へ同胞を売り飛ばした蒙昧と大差ない。 ○植民地は大国の関与によって半分だけ自立した国をいう。政治的に独立していても軍事基地がおかれているような地域、独立が与えられていない国や地域が新植民地だ。松岡正剛 (日本の著述家) 全ては解体の途上にあるのだけれど、我々はメディアという文明のドラッグによってあらゆる切除を痛覚することなく、おおよそ無自覚にリソース(国家資源)を略奪され続けている。小泉政権による市場原理主義改革を起点として、労働市場および金融市場から揮発するマネーは、それぞれ月間あたり2兆数千億円ベースに達するのであり、つまり年間あたり国税を上回る金が国民経済から消失している試算なのだが、このようにプランテーションを構造化した諸制度を理解する有権者は殆どいない。 ○政治家はすでに大半が「1%」に買われてしまっています。 マイク・アダムス (米国のジャーナリスト) 国家の衰退は政治・官吏・報道グループが多国籍資本の委任代行者として民衆を欺きつつ、あらゆる経済システムを彼らの利潤最大化にかなうよう改変したことによるわけだ。この先にあるのは間違いなく国家破綻による市民生活の崩壊なのであり、外国人は我々が周回遅れに「アルゼンチン・タンゴ」(市場原理主義改革によるラテン・アメリカ諸国の荒廃)を踊るのを高笑いしながら眺めている。 ○それがどうした。死ぬやつには死ぬにふさわしい理由があるんだ。 エゴール・ガイダル (ロシアの政治家) すでに国庫財源の枯渇から、低所得者の国民保険料が大幅に引き上げられる事態となっているのだが、日々10円単位、1円単位で生活費を切り詰め、ギリギリの暮らしを送っているところにそのような仕打ちを受けるのであれば、もはや生きていく気力すら失ってしまうだろう。世界保健機構の算定基準において、ニホンの自死者は厚労省発表の300%を上回るペースで推移しているのであり、おおよそ世界トップの自殺率だ。つまりセーフティネットの撤廃という行政暴力によって、イラクやアフガニスタンなど戦闘地域を圧倒的に上回る数の人々が殺されている。 ○ドイツのワイマール憲法はいつの間にか変わっていた。誰も気がつかない間に変わった。あの手口を学んだらどうか。麻生太郎 (第92代内閣総理大臣) 2013年の参院選では自民が大勝し、公明、みんな、維新など補完勢力とともに過半数議席を獲得したのだが、語るまでもなく彼らは日本経団連(多国籍企業)とCSIS(戦略国際問題研究所)に与するコンプラドール(外国人に手引きする買弁)集団である。その後は衆参一体となり、国家主権および経済市場を逐次的に譲渡するのであり、憲法の無化により戦争国家を完成しつつ、米国の本質であるネオ・コンサバティブ(軍産複合体)に恭順を示すわけだ。国家意思には常に資本意思が潜在していると捉えなくてはならない。 ○経済的に追いつめられた国民は、黙っていてもイデオロギーのためではなく生活苦から戦争へ行ってくれますから。パメラ・ディクソン (世界個人情報機関スタッフ) 直言するならば、社会資本を根こそぎ外国人に引き渡することによりインセンティブ(成功報酬)を得るという目論みであり、つまり連中のうち誰一人として国民の福祉や生命を守ろうなどとは考えていない。どのように社会が荒廃しようが、あるいは戦争国家が構造化されようが、支配勢力に与する多国籍企業の役員、テレビ局や新聞社の社員、国政・地方議員や公務員だけは安定給与と福利厚生さらには資産が担保される仕組みなのであり、おおよそ支配階級と一般国民の二項対立は究極に激化しているのだと思う。 ・・・・http://ameblo.jp/souldenight/entry-11719188150.html
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