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※2020年10月28日 日刊ゲンダイ1面 紙面クリック拡大
※2020年10月28日 日刊ゲンダイ2面
【国会論戦の前から支離滅裂】
— 笑い茸 (@gnXrZU3AtDTzsZo) October 29, 2020
嘘に嘘を重ねる
前政権のペテン踏襲
日刊ゲンダイ pic.twitter.com/SQicTlO1Vs
※文字お越し
語るほどにボロが出る。本格的な国会論戦もまだ始まっていないのに、早くも“答弁”が行き詰まり始めた。
26日にようやく召集された臨時国会で、初の所信表明演説を行った菅首相が、その夜のNHK番組に出演。日本学術会議が推薦した会員候補6人を任命しなかったことについて、所信表明では一言も触れなかった菅だが、この件について番組で問われると、ややキレ気味で「結果的に一部の大学に偏っている」「民間出身が少ない、若手が少ない」などと批判を口にし、会員は「まんべんに選んでほしい」と言い出した。
「まったく説明になっていないし、任命拒否の理由にもならない詭弁です。推薦段階の105人の名簿は『見ていない』と言っていたのに、なぜ会員構成に偏りがあると思ったのか。名簿を見ないで『総合的、俯瞰的に判断した』と言い続けることにも矛盾がありましたが、ここへきて、『迷った結果の対応』とか、人選が偏っているなどという新たな言い訳を持ち出すのは支離滅裂です。NHKの番組では、たいして厳しい質問もされないのに、学術会議の問題で少し突っ込まれるとキレる性格も露呈した。この調子では、冷静で実のある議論は望めそうもありません。与党議員が国会審議の首相答弁を心配しているというのも当然でしょう」(法大名誉教授の五十嵐仁氏=政治学)
そもそも学術会議の会員は70歳定年制だし、今回、任命を拒否された宇野重規東大教授(政治思想史)は53歳の若手学者だ。71歳の菅を筆頭に、81歳の二階幹事長と75歳の森山国対委員長が仕切り、世襲議員だらけの自民党の方が、よほど若手が少なく、偏っているのではないか。民間出身が少ないのも、学術的な業績が重視されるアカデミーでは当然の帰結だ。学術的な研究と、産業界の研究開発は性質が違う。竹中平蔵イズムに毒されていると、カネ儲けを度外視した研究・学問があることを理解できないのだろうか。何でも民営化すればいいというものでもない。それに、6人を除外したところで、会員構成が大きく変わるわけではないのだ。菅の反論は屁理屈の類いというほかない。
法的根拠の整合性が問われる
学術会議の任命問題については、会員候補の推薦方法が変わった2004年に政府が「総理大臣が任命を拒否することは想定されていない」とする内部資料をまとめていたことも明らかになった。04年に日本学術会議法の一部が改正されても、1983年に当時の中曽根首相が「政府が行うのは形式的任命にすぎない」とした国会答弁は維持されていたことになる。
加藤官房長官は「推薦制が導入されて以降、推薦のとおり任命が行われてきた実績を鑑み、内閣総理大臣が任命を拒否することは想定されていないという当時の認識がそこで記されているということは承知をしております」と回りくどい言い方で資料の存在を認めたが、官僚出身の加藤には、この資料の法的な拘束力がよく分かっているはずだ。
内閣府学術会議事務局が18年に首相に任命の裁量権があるとした解釈文書が、どんな経緯で、どういう法的根拠に基づいてまとめられたのか、その整合性も問われる。
しかも、04年の資料は、立憲民主党の小西参院議員が政府に提出を求めてから、3週間以上も開示を拒否され続け、臨時国会の直前になって出してきたのだという。
法律も学問も軽んじるチンピラ、ゴロツキの所業 |
「その場しのぎの嘘をつき、それがバレれば、また新たな嘘で上塗りする。それも苦しくなればゴマカし、証拠は隠蔽、改ざんして“なかったこと”にすればいいと国民をナメている。安倍政権の継承を謳う内閣が、前政権のペテンもしっかり踏襲していることが、この1カ月でハッキリしました。安倍政権では陰で汚れ仕事や裏工作に奔走していた菅氏が、首相として表に出てきたことで、不条理を通す強権があからさまになった感があります。所信表明演説を聞けば分かるように、国家観も長期的なビジョンもなく、ただ権力を振りかざすことに快感を覚える首相なのです。恐ろしいほど自制心がない。しかも、官僚が作った原稿すらマトモに読めないのですから、教養以前に基本的な知識すらない。どう考えても国のトップを担う器ではありません。このままでは、安倍政権の負の遺産と、菅首相の負の資質が絡み合い、マイナスのスパイラルに陥っていくだけです。とても国のかじ取りは任せられない。それを危惧する周囲の忖度が加速することも心配です」(五十嵐仁氏=前出)
学術会議の任命拒否に関して、菅はNHKの番組で「説明できることとできないことがある」とも言っていた。外交機密ならともかく、法的に懸念が指摘されている内政問題で、国民に説明できないことを強行する政府でいいのか? そこに正当性はあるのか? 「説明できないことがある」を許せば、何でも内閣の一存で決められることになる。
それは、安倍政権でさんざん見せつけられてきた議会軽視の系譜である。国会議員は、野党議員も含めて国民の代表なのだ。学術会議の会員推薦の仕組みに問題があるのであれば、国会で議論して法改正をすればいい。民主主義とは、多数派の意見に必ず従うことではない。熟議が求められる。多様な意見の存在こそが社会基盤を強くするのであり、それを自由に表明できることが民主主義国家の美点だ。
権力への隷従は権利放棄と同義
内閣の方針に異を唱えるという理由だけで、学者や野党を批判する人が増えつつあるのが前政権からの傾向だが、それこそ権力者に隷従することを是とし、自分たちの権利を放棄して喜んでいるも同然とは思わないのか。
現状維持や自画自賛はちょっとした自尊心を満たしてはくれるかもしれない。だが、イノベーションを喚起し、社会をより良く変革して、真実に近づくのは常に理性、知性、そして批判の力だ。それは歴史が証明している。
「学問と法律を軽んじる政権はチンピラ、ゴロツキの類いです。菅首相の任命拒否問題は、戦前の滝川事件を彷彿とさせる。政府にとって気に入らない学者だから、任命を拒否したのでしょう。その本音を言ってしまえば、学問の自由を保障した憲法23条に抵触するから、明確な説明ができないのです。あまりに無理筋で、明確な憲法違反なのだから、23条を論点にされたら任命拒否を撤回するか、内閣総辞職しかない。この臨時国会で、野党は手ぐすね引いているでしょう。学術会議に10億円の公費が投入されていることをやり玉に挙げ、問題をスリ替えていますが、10億円は菅首相や自民党が出しているわけではない。学術を国民が支えるのは当然の権利であり義務ですよ。菅首相に忖度して、学術会議は不要だと攻撃する自民党は“右翼小児病”です。国民に対して嘘をつかないことは政治家として最低限のモラルですが、第2次安倍政権以降、それさえ無視されるようになった。法律違反が問題になっても、その場しのぎの口から出まかせでゴマカし、さらに嘘を重ねてつじつまが合わなくなると、根拠となる文書ごと廃棄してしまう。為政者の態度として、あまりに見苦しいと言わざるを得ません」(政治評論家・森田実氏)
菅の唯一の著書である「政治家の覚悟」の改訂版新書では、「政府があらゆる記録を克明に残すのは当然で、議事録は最も基本的な資料です」という公文書関連の記述などがごっそり削除されている。都合の悪い議事録は残さないという覚悟の表れなのか。そういう政治を国民はどうやって信頼すればいいのか。
国会では、28日から菅の所信表明演説に対する代表質問が行われる。どうせ菅は官僚原稿を読み上げるだけだろうが、法律を無視して権力行使に酔う首相を追い詰められなければ、立法府の存在自体が問われることになると、与野党の国会議員は肝に銘じてもらいたい。
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