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<6>維新と一体化した公明党 6年でひれ伏し今や推進派に 賛成反対が拮抗 大阪都構想のまやかし
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/280546
2020/10/28 日刊ゲンダイ
グータッチの契り(街頭演説に駆け付けた、左から、公明党の山口代表、大阪の松井市長と吉村府知事)/(C)日刊ゲンダイ
なぜ政令指定都市廃止の賛否を問う住民投票が大阪市で繰り返されるのか。その答えは公明党にある。公明の「貢献」がなければ住民投票は2度も実施されなかっただろう。もちろん、ここで言う「貢献」は嫌みである。「日和見」「ご都合主義」「裏切り」と言い換えても良い。
1度目の住民投票は2015年5月に実施された。公明は当初、大阪都構想にも住民投票にも猛烈に反対。都構想の中身を議論する法定協議会でも自民党と足並みをそろえ、空転させた。住民投票は行われないだろうと誰もが考えていた。
事態が一変したのは、その半年前。読売新聞1面トップに「公明党 住民投票賛成へ」(14年12月26日付朝刊)という大見出しが躍った。公明の大阪府本部は大阪維新の会と水面下で手打ちし、法定協の再開を条件に住民投票には賛成すると態度を変えたのだ。
もっとも、公明の大阪府議や大阪市議らは寝耳に水。読売のスクープから数日後、大阪本部で開かれた党幹部らによる説明会では、突然の方針転換に納得できない府議や市議らの質問と怒号が飛び交い、大阪本部の幹部らはまともに答えられなかったという。
公明はなぜ日和ったのか。選挙事情が影響したとみられている。公明にとって大阪は衆院小選挙区から4人を送り出す牙城だ。そこに刺客を送ると維新に揺さぶられ、支持母体の創価学会ともども従ったと伝えられている。その話を裏づけるかのように、公明の某市議は私に「大阪本部の幹部が東京に呼ばれ、創価学会の某副会長から住民投票に賛成しろと迫られた」と打ち明けた。また、この説明会にはなぜか学会の関西幹部の姿があったという。参加した某府議は「おそらく党大阪本部の幹部らが口をすべらせないかニラミを利かせていたのだろう」と語っていた。
維新は昨年4月の統一地方選にブツけ、大阪府知事と大阪市長を入れ替えるクロス選で大勝。民意が都構想に味方したことが大きな要因だ、と公明は説明する。住民サービスの維持など4つの条件を付けつつも、今や維新と一体化した都構想推進運動を展開している。
だが、個々の議員の本音はどうなのか。某大阪市議は「組織に縛られているので本音は言えない」と苦しい表情で私に何かを語っていた。
吉富有治 ジャーナリスト
1957年、愛媛県生まれ。大阪在住。金融専門誌、写真週刊誌「FRIDAY」の記者などを経てフリー。地方自治を中心に取材し、テレビのコメンテーターや雑誌などに寄稿。著書に「大阪破産からの再生」など。
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