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10月 29, 2020 日々雑感(Daily miscellaneous feelings)
<菅政権発足後に初めて野党が菅義偉首相と直接論戦を交わした28日の衆院代表質問で、日本学術会議の新会員人事を巡る問題が取り上げられた。首相は6人の任命を拒否した理由についてこの日もあいまいな答弁に終始し、自民党は問題の矛先を「組織のあり方論」に振り向けようと躍起になっている。
学術会議の新会員の任命を拒否した理由について、代表質問の答弁に立った菅義偉首相が「総合的、俯瞰(ふかん)的」などと従来の見解を繰り返すと、衆院本会議場は野党のヤジで騒然となった。首相は「ちょっと静かにしてもらっていいですか」といらだちながら、大島理森議長にヤジを制止するよう求めた。大島氏が「ご静粛に」と3度注意する中、首相は用意された答弁原稿を読み上げた>(以上「朝日新聞」より引用)
さすがは官房長官が総理大臣になった内閣だ。原稿通り読み上げるしか、能力はない。
菅自公政権が「目玉」として掲げている「印鑑廃止」や「デジタル庁」や「携帯料金引き下げ」などは官僚や所管省庁が上げて来る類のもので、とても政策とは言い難い。
そして日本学術会議の委員任命拒否に関しては摩訶不思議な「総合的、俯瞰的判断」で決定した、との答弁を繰り返すだけで、具体的な任命拒否理由を示さなかった。
彼が任命した各大臣などに対してはそれぞれ確たる理由があったはずだ。それを別の誰かに「拒否」されたなら、「なぜか」と理由を聞くのではないか。しかも日本学術会議は各分野の専門的学者が集まった「会議」だ。その委員の任命を拒否したというのは政権による「学術会議」の発言封じともいえるのではないか。
日本学術会議そのものを議論しようとする空気が政権与党にあるとするなら、それこそ由々しき問題だ。学問の自由こそ、すべてに優越して守られるべきだ。宗教裁判で地動説を咎められたガリレオの例を持ち出すまでもないだろう。
学問の自由を禁じ、思想・信仰の自由を禁じ、そして少数民族の言語や文化まで禁じている中共政府と民主主義国の自公政権が異なるというのなら、その証として「学者たちの領域」に政治家が手を突っ込まないことくらいは守るべきだ。たとえ学者から耳に痛い政権批判発言が出てこようと、それこそが「正しい」のかも知れない、と立ち止まって反省すべきではないか。
安倍自公政権の「解釈改憲」で大半の憲法学者が「憲法違反」との批判を展開した。それに対して、安倍自公政権は断固として耳を傾けようとしなかった。その姿勢を菅氏も受け継いでいるとしたら、私たちは日本の立憲政治を守るために倒閣批判を行うしかない。
予算を握っているのだから「日本学術会議」に手を突っ込むのは当然だ、というのはおかしな理屈だ。それなら野党の国会議員や野党政党にも国費が出ているから政権与党に従え、というのとどこが違うのか。
全国の大学の各分野の研究にも政権が嘴を挟んで良い、ということになりかねない。学問の自由を守らない政権は「独裁政権」と異ならない。
我が姿を鏡に映して、菅氏は恥じないか。何のために国会内の広場の四隅に三人の「像」が立っているのか。ことに尾崎咢堂は「憲政の神様」と呼ばれた。国会議員の先人たちに恥じない政権運営をすべきだ。
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