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<3>「イソジン」で化けの皮が剥がれるも推進派が盛り返し 賛成反対が拮抗 大阪都構想のまやかし
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/280338
2020/10/23 日刊ゲンダイ
この会見で大炎上(吉村府知事と松井市長=左)/(C)共同通信社
いわゆる大阪都構想をめぐり、ABCテレビとJX通信社は9月中旬から情勢調査を毎週実施し、特設サイト「大阪都構想 住民投票2020」で結果を配信している。
サイトによれば9月19〜20日の調査では賛成49・1%、反対35・3%と13・8ポイント差で賛成が大きくリード。それが9月26〜27日には賛成47・8%、反対36・8%と11ポイント差に縮まり、今月10〜11日には賛成45・4%、反対42・3%と、その差は3・1ポイントまで縮まった。ところが、17〜18日の最新調査では一転して賛成が増加。賛成47・9%、反対40・4%と、7・5ポイント差まで開いてしまった。
今月初旬に賛否の差が縮まった理由は、ひとつには大阪府の吉村洋文知事(大阪維新の会代表代行)の人気に陰りが見えてきたことだろうと思われた。
新型コロナウイルスの感染拡大をめぐり、吉村知事は当初、休業要請や解除などの独自基準「大阪モデル」を打ち出したり、製薬ベンチャーが開発するワクチンを「9月には実用化を進めたい」と言ったりと、その矢継ぎ早なアピールが大阪府民に安心感を与えた。連日のテレビもさらに人気を爆発させた。
しかし、「9月のワクチン実用化」はどこかに消え、大阪モデルも基準をコロコロ変えたことで府民は混乱。特にひどかったのが「イソジン発言」だろう。吉村知事は8月上旬の記者会見でポビドンヨードを含むイソジンなどが「コロナにある意味打ち勝てるんじゃないか」と紹介。この会見を全国ネットのテレビ番組がリアルタイムで報道し、全国の薬局からイソジンなどが消える騒ぎまで起きた。
案の定、専門家から異論が続出。ネットでは「イソジン吉村」とバカにされ、慌てた吉村知事は「ポビドンヨードは、コロナを予防できるわけではない」とトーンダウン。案外、化けの皮が剥がれるのも早かったようである。だが、ここにきて維新や公明党などの推進派の運動が功を奏したのか、情勢は再び賛成が増加しつつあるようだ。
もっとも、住民投票は人気投票ではない。大阪市廃止の是非を問うものである。有権者も表面的な現象に惑わされず冷静な判断をしてほしいものである。
吉富有治 ジャーナリスト
1957年、愛媛県生まれ。大阪在住。金融専門誌、写真週刊誌「FRIDAY」の記者などを経てフリー。地方自治を中心に取材し、テレビのコメンテーターや雑誌などに寄稿。著書に「大阪破産からの再生」など。
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