http://www.asyura2.com/20/senkyo276/msg/595.html
Tweet |
※2020年10月16日 日刊ゲンダイ1面 紙面クリック拡大
※2020年10月16日 日刊ゲンダイ2面
【何から何までトチ狂っている菅政権】
— 笑い茸 (@gnXrZU3AtDTzsZo) October 17, 2020
Go Toは恐怖政治の「パンとサーカス」
日刊ゲンダイ pic.twitter.com/iTQJ8y44r1
※文字起こし
抗議声明は既に350件を超えた。
日本学術会議が推薦した6人の新会員候補が任命拒否された問題について、15日は日本児童文学者協会が撤回を求める声明を発表。協会は、戦前・戦中の童話作家らが国家の要請で戦意を高揚させるような作品を発表したことへの反省から設立された。そうした経緯があるからこそ「単に学問分野のことではなくて、表現の自由、日本の民主主義の行方に関わる由々しき事態だ」と強く批判している。
国際的な英科学誌「ネイチャー」など海外でも取り上げられるほど大問題になっているのに、菅政権はまったく意に介さず、任命しなかった理由を一切説明しない。それどころか、自民党は「学術会議の在り方」の問題に論点すり替えを徹底。
プロジェクトチームは会合を週1回ペースで開き、組織や会員の選出方法などに関する提言を年内にまとめるという。組織潰しにシャカリキである。
6人排除の手を下したとされる杉田官房副長官は警察官僚。内閣情報調査室や公安警察を使って組織的に会員候補一人一人の思想信条を調べ上げたのではないかという疑いもある。
「農家出身の苦労人」「パンケーキ好き」という菅首相のイメージ戦略にだまされていたと、国民はようやく気づき始めた。そんな矢先のこと。さらに教育現場を萎縮させる事態が進行中であることが明らかになった。これには震撼するしかない。
「強制ではない」は信じられない
17日には都内のホテル宴会場で、内閣と自民党による故中曽根康弘元首相の合同葬が開かれる。これについて、文科省が13日付で、全国の国立大などに、弔旗の掲揚や黙祷をして弔意を示すよう求める通知を出していたのだ。
政府は、合同葬当日に各府省が弔旗を掲揚し、午後2時10分に黙祷することを閣議了解。同様の方法で哀悼の意を表すよう関係機関に協力を要望することも決め、それに従って、文科省が国立大などに通知した。文書には「この趣旨に沿ってよろしくお取り計らいください」とあり、弔旗掲揚の方法や黙祷の時間まできっちり指示しているから驚愕だ。
教育基本法14条は、特定政党を支持するなどの政治教育を禁じている。15日の毎日新聞には「思想統制のようで気味が悪い」「政府の対応は明らかにやり過ぎで国民目線からずれている」といった国立大教授らの声が掲載されていた。
だが政府は「問題ない」との認識だ。15日の会見で加藤官房長官は「協力を求める趣旨で、強制を伴うものではない」「弔意表明を行うかは関係機関で自主的に判断される」と発言、内心の自由や教育の中立性の侵害にはあたらないと強調した。小渕恵三(2000年)、鈴木善幸(04年)、橋本龍太郎(06年)の過去の元首相の合同葬でも同様の対応をしたとして、「前例踏襲」であるとも説明した。
政府は問題の沈静化に躍起のようだが、ならば過去には大きな問題にならず、なぜ今回はこれほどの大騒ぎになったのかをよく考えるべきだ。「政府方針に従わない官僚は異動してもらう」と言い放った首相が、学術会議の任命拒否で学問分野の人事にまで介入したのである。日本学術会議法という法律を無視するだけでなく、憲法が保障する「学問の自由」すら平気で侵す。法治主義をないがしろにする強権政権が、弔意表明は「要望であり強制ではない」と言い繕ったって、誰が信じられるものか。
法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)はこう言う。
「そもそも特定の政治家の葬儀に国が費用を出すのが間違いなんですよ。時代が変わってきている。宗教行事や特定の政治家の行事に対し税金を使うことに、もっと厳密になるべきだという民主主義意識の高まりもあります。学問の自由を脅かす政治介入があり、政権への批判や疑念が膨らんでいるところへ、今度は文科省が教育現場に弔意を求めた。反発を招くのは当然です。私は安倍政権が戦後最低最悪の政権だと思っていましたが、下には下がいた。安倍前首相は隠れて強権的な権力行使をしてきましたが、菅首相は堂々と表に出す。傍若無人というか自制心がないというか。本当に危険な人物です」
ただでさえコロナ禍で9600万円もの国費をかけて合同葬を行うことには批判的な世論もあるのに、菅政権は何から何までトチ狂っている。
「内心の自由には踏み込んではならない」と宮沢元首相 |
15日は野党の合同ヒアリングでも、この弔意表明問題がテーマになった。野党議員からは、「学校の政治活動を禁じた教育基本法に抵触する」「国旗の掲げ方まで指示するのは内心の自由にかかわる」などの批判が噴出するとともに、「要望であって、強制ではないと言うのなら、やらなかったとしても人事や予算に関係しないのか」「合同葬の17日は土曜日。休日でも指定した時間に黙祷を求めるということは、これは業務になるのか」といった疑問も飛んだ。
そんな中、興味深いやりとりがあった。実は、政府は「前例踏襲」としているものの、07年の宮沢喜一元首相の合同葬の際は、弔意表明を求めていないのだ。なぜ宮沢の時だけやらなかったのか。
立憲民主党の原口一博副代表が「宮沢さんは内心の自由には踏み込んではならないと言っていた。遺族が望まなかったのではないのか」と質問すると、内閣府の担当者は、「特に遺族からそうした意向が示されたのではないかと思います」と答えたのだ。
宮沢と親交の深かった政治ジャーナリストの泉宏氏は「その可能性はある」とこう言った。
「宮沢氏は、『権力は抑制的に使うもの』ということを歴代の首相の中でも最も強く主張していた人です。内心の自由に踏み込むことは、最もやってはいけないことだとも言っていました。宗教的に弔旗を掲げ、弔意を示すようなことは、宮沢氏が最も望まないことだと周囲は分かっていたはずです。戦後保守政治において、タカ派の中曽根氏とハト派の宮沢氏は対極にありました」
まるで宮沢の時との対比のような中曽根の葬儀でのトップダウンの強権性。教育現場の中立性を脅かし、力で支配することを当然と考えるのが菅政権である。日本学術会議問題と弔意表明問題は、まさに危険な政権の体質を表したといえる。
最後の砦は大学の言論
こうした思想統制を進めるのが目的だったと考えれば、「Go To キャンペーン」に総額1・7兆円もの巨額が投じられたのも分かるというものだ。「トラベル」には今月から東京が加わり、35%引きの旅行代金だけでなく、15%分の地域共通クーポンの配布も始まった。
急激に利用が進んだことで、一部の旅行サイトが割引額を減額するなどし、「不公平」の声が上がっていたが、政府はすぐに動き、予算枠配分の追加を決め、わずか数日で元に戻したのだった。
「イート」も少額のみの注文でポイントを稼ぐ「錬金術」まで登場し、政府が規制をかける事態に発展した。制度設計がいい加減で混乱を招いている「Go To」ではあるものの、それだけ国民に浸透し、国民が政府の大盤振る舞いに沸いているということでもある。
まさにこれは「パンとサーカス」。恐怖政治の独裁者が繰り出す典型的な手法に国民ははまってしまっている。
政治評論家の森田実氏が言う。
「不況の時は権力者の力が強まるものです。食えなくなって追い詰められた一般大衆は政府に施しを求め、政府はお金をバラまいて政権基盤を強化しようとする。コロナ禍の世界中でこうしたことが起きていますが、問題は日本には他国に比べ抵抗運動が少ないことです。学術会議問題を見て、戦前に似てきたと言う研究者が増えています。政府がマスコミを抑え、政治家は治安維持法で転向を余儀なくされ、最後の砦は大学の言論でしたが、『滝川事件』など政府の意に沿わない主張をする学者を退職させ、粛清した。そして戦争に突入、暗黒社会となったのです。今回の一連の出来事はそうした動きを思い出させます」
独裁者は真綿で徐々に首を絞める。「Go To」に浮かれていると、手遅れになる。国民は悪政を慎重に見極めなければいけない。
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK276掲示板 次へ 前へ
最新投稿・コメント全文リスト コメント投稿はメルマガで即時配信 スレ建て依頼スレ
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK276掲示板 次へ 前へ
★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/
since 1995
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。