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6人の氏名見ていない 学術会議任命拒否問題の本質が分かる ここがおかしい 小林節が斬る!
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/279975
2020/10/15 日刊ゲンダイ
菅首相が、記者会見で、日本学術会議会員として推薦された105人の名簿は見ておらず、任命した99人の名簿しか見ていないと語ったことが、新たな問題を提起した。つまり、自分の権限と責任で任命を拒否したと主張している首相が「考えがあって」拒否したはずの6人の氏名も見ていなかったとしたら、重大な手続き違反である。つまり、では誰が何の権限で審査して拒否したのか? という問題になる。
しかし、この首相の率直な発言はむしろ問題の本質を明快に示しているように見える。
まず、事実の問題として、日本一多忙な首相が105人を直接吟味したはずなどない。首相としては、「学術会議は反自公政権の学者の巣窟だから、次回の新会員の任命の際には特に過激な数人を象徴的に拒否したい。それは、首相に任命権がある以上できるはずだ」と、内閣府の属僚に対して『政治決定』として言い渡してあったはずである。
それに従って、内閣府の官僚が最も反政府的な6人を外した99人の名簿を添えて首相に報告し、発令に至ったはずである。
首相としては、憲法21条が保障する表現の自由の意味(「異論共存」)を理解しておらずに官房長官時代にマスコミを統制して成功した体験があったので、今回は、憲法23条が保障する学問の自由の意味も知らずに学界統制に踏み出したのであろう。
それに、批判が出ても、学術会議がいわゆる左翼の巣窟である実態を暴露すれば世論が理解すると高をくくっていた節がある。
しかし、「学問の自由」を根拠に国の内外から大きな反発が起こり、それは、憲法に関する理解を欠いていた首相には想定外の反響であったはずである。
そこで、属僚に書かせた「総合的に、俯瞰的に」という無内容の、さらに、「広い視野を持ち、バランスの取れた行動」という本来は言ってはいけない答弁を繰り返して、首相は壁にぶつかってしまっていた。
だから、首相は、心の中にこの問題を回避したい思いが生じており、思わず、拒否した者の氏名など「見ていない」という、あってはならない発言に逃げたのではなかろうか。
小林節 慶応大名誉教授
1949年生まれ。都立新宿高を経て慶大法学部卒。法学博士、弁護士。米ハーバード大法科大学院のロ客員研究員などを経て慶大教授。現在は名誉教授。「朝まで生テレビ!」などに出演。憲法、英米法の論客として知られる。14年の安保関連法制の国会審議の際、衆院憲法調査査会で「集団的自衛権の行使は違憲」と発言し、その後の国民的な反対運動の象徴的存在となる。「白熱講義! 日本国憲法改正」など著書多数。新著は竹田恒泰氏との共著「憲法の真髄」(ベスト新著)
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