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※2020年10月12日 日刊ゲンダイ1面 紙面クリック拡大
※2020年10月12日 日刊ゲンダイ2面
【デタラメは学術会議だけではない】
— 笑い茸 (@gnXrZU3AtDTzsZo) October 13, 2020
金持ちが浮かれるGo To
庶民は休みも金もなし
日刊ゲンダイ pic.twitter.com/U5lKnL9MLD
※文字起こし
みっともない責任転嫁だ。日本学術会議が推薦した会員候補6人が除外された問題で、任命権者の菅首相が6人排除前の推薦者名簿を「見ていない」と言い出した。菅が見ていないとしたら、いつ、誰が6人をパージしたのか。
会員任命の最終決裁は9月28日。9日のグループインタビューで、菅は「候補リストを拝見したのはその直前だったと記憶している。その時点では最終的に会員となった方(99人)がそのままリストになっていた」とも発言した。
6日の野党ヒアリングで政府が公開した、99人の名前が記されたリストは計3枚。「最終的に会員になった方がリストになっていた」と断言するなら、菅は一枚一枚めくって「1人、2人……、99人」と逐一、数えたのだろうか。本当なら随分とマヌケな光景だ。
菅は同じ口で「推薦された方々がそのまま任命されてきた前例を踏襲していいのか考えてきた」と説明したから、もう支離滅裂だ。学術会議が推薦した105人分の名簿を見ずに「前例打破」と、自らの「総合的、俯瞰的な判断」で新たな会員を任命したと言い張るのは矛盾に満ちている。
推薦段階の名簿を見ていなければ、任命は「学術会議の推薦に基づく」とする日本学術会議法の規定に反する違法行為。何者かが首相に推薦名簿が届く前に6人の名前を削除したのなら、首相の任命権や学術会議の選考権への重大な侵害だ。いずれにせよ、菅の発言が真実であれば深刻な法と権限の問題をはらんでくる。もはや単なるゴマカシでは済まない。
困窮する店を泣かせるシステム
ことほどさようにデタラメ強権政治をムキ出しにしている新政権だが、ムチャクチャなのは学術会議の問題だけではない。人気取りの目くらまし政策もひどい。その最たるものが、菅肝いりの「Go To」キャンペーンである。
飲食店支援のため、1日に始まった「Go To イート」は、ポイント還元の抜け道を悪用した「トリキ錬金術」なる手口が拡散。早くも欠陥制度であることを露呈した。
それでも、所管の農水省は「理屈では極端に安価な利用が可能だという認識はあったが、店側が事前に利用額の下限を定めると想定していた」と開き直り、今後の対応も「グルメサイトを通じてポイント付与額以上の支払いや、予約をコース利用に限定するよう求める」と店任せ。完全にリーダーシップや責任を放棄している。
「昼食で500円分、夕食で1000円分」のポイント付与条件の厳格化で、新たな問題も生じている。ラーメン専門店など、もともと1000円未満のメニューしかない店がグルメサイトを通じ、「イート」の対象から除外されているのだ。
そもそもグルメサイトに支払う手数料に負担を感じ、参加を見合わせる飲食店も多い。その額は夕食の予約客で1人当たり200円程度。飲食業は薄利で利益率が1割もあれば優良店だ。客単価3000円とすれば利益が300円あれば御の字で、200円の手数料負担はかなり重い。
結局、上前をはねる大手グルメサイトや客単価の高い店だけを利する制度設計。このコロナ禍でも数百円のランチ提供で頑張っている個人経営や中小零細の飲食店は救われない。本当に困窮している店を泣かせるだけの天下の愚策である。
弱者を「ゾンビ」と見なし淘汰する目的 |
キャンペーンの柱、1兆3500億円の巨額予算を投じた「Go To トラベル」も同じ構図だ。割引のお得感から高級ホテルに予約が殺到。知名度や客単価の低い中小旅館などは苦境が続いている。
浮かれているのは、大手旅行代理店や財力と時間に余裕のある「小金持ち」だけ。委託費1895億円の事務作業は大手旅行代理店や、自民党・観光族の息のかかった業界団体が担い、利用者はツアー商品を大量にさばける大手に集中。コロナ禍に青息吐息の中小零細には、救いの手が届かないという本末転倒ぶりである。経済評論家の斎藤満氏はこう言った。
「全世帯主の半数に迫る65歳以上の高齢者は感染を恐れて旅行や外食どころではないし、そもそもスマホなどを持たない人は制度設計の前提に含まれていません。制度の恩恵が一握りの企業やお金持ちに偏っており、税の使途として公平性に欠けます。本気で苦しんでいる飲食店や旅館を救うのであれば『Go To』の予算を広く満遍なく行き渡る給付金制度の拡充に回せばいい。
この感染拡大下で体力のない企業や経済弱者をふるいにかけるようなキャンペーンは、制度を享受できる人々とこぼれ落ちる人々との格差を拡大させるだけです。中小零細を“ゾンビ企業”と見なし、諸悪の根源とする経済ブレーンに支えられているだけに、その淘汰こそが菅首相の狙いではないか。そう思わせるのに十分な不公平なキャンペーンです」
自助努力で勝ち上がらなければ恩恵の対象外
菅政権が「Go To」などと中途半端な経済刺激策を打ち出している間に、コロナ不況の足音は近づいている。
ANAは新型コロナウイルスの感染拡大に伴う業績悪化に歯止めがかからず、一般社員約1万5000人の年収を平均3割削減、冬のボーナスも1962年以降初めてゼロ回答の方針だ。あり得ない規模の人件費の大幅カット策だが、給与がガクンと減るのはANAの社員だけではない。しかも、感染拡大期間中には低所得者ほど収入が減っていたというから、大問題である。
三菱UFJリサーチ&コンサルティングは6月、小学生から高校生の子どもがいる2000世帯を対象にネットアンケートを実施。感染が拡大した2月以降の就業状況の変化を聞くと、男性の非正規社員のうち26・2%が離職・転職したと回答。正社員や役員(3・4%)の実に8倍だ。
また、今年1〜5月の世帯月収が「減少した」と答えたのは、年収1000万円以上の人は1割未満にとどまったのに、年収200万円未満は16・4%に及ぶ。感染拡大の悪影響が、もともと不安定な非正規や自営の人々の暮らしに大きな痛手を与えたのだ。
親の所得減は、子どもの教育と将来にも悪影響を及ぼす。一斉休校などでオンライン授業の機会が増える中、年収400万円未満世帯やひとり親世帯の約3割は、パソコンやタブレット端末を持っていないと回答。このまま、教育機会の格差を放置すれば、年収400万円未満世帯の子どもの生涯所得は、約140万〜170万円減ると同社は試算している。
コロナ拡大下で、この国の未来を支える子どもたちの将来を左右しかねない綻びが顕在化しているのに、菅政権はハンコ撲滅に血道を上げるトンチンカン。リモート社会から、こぼれ落ちそうな経済弱者の暮らしなど見向きもしない。
「デジタル化推進やマイナンバーカード普及のメリットは、パソコンやスマホの所持が大前提。そんな余裕のない人々は、制度の対象外として切り捨てる冷酷さです」(斎藤満氏=前出)
法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)もこう言う。
「菅首相は、学術会議への人事介入も当初は『そんなに問題なのか』と周囲に漏らしたそうですが、恐ろしいほど他者への想像力が欠落しています。旅行や外食に充てるだけの休暇もお金も得られない弱者の暮らしなど眼中にないのです。政治の恩恵にあずかれる対象は、自分のように『自助』で、のし上がった勝ち組のみ。大半の人々は菅首相のような人生を送れないのに『自己責任』で切り捨ててしまう。冷徹、冷淡、冷血な首相です」
かくして、このコロナ禍で庶民は休みも金も、希望もなく、馬車馬のように働くしかない。
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