http://www.asyura2.com/20/senkyo276/msg/433.html
Tweet |
菅首相は戦前の軍国主義やナチに近い社会をつくりたいのか 日本外交と政治の正体
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/279721
2020/10/09 日刊ゲンダイ
答弁する中曽根康弘首相(当時)/(C)日刊ゲンダイ
昨年11月、中曽根元首相が死去した。当然、葬儀は行われているであろう。そして、今月17日、内閣と自民党による合同葬が行われる。経費は総額1億9000万円で、政府と自民党が半分ずつ負担する予定だ。
同じ首相でも、宮沢喜一氏の場合は違ったようだが、中曽根氏は従一位・大勲位を受けられた人物だ。菅首相が特別の思いもあって合同葬を行うことは十分あるだろう。
その中曽根元首相の国会答弁が今、注目されている。科学者の代表機関である日本学術会議の新規会員をめぐり、菅内閣が日本学術会議側の推薦候補6人の任命を拒否する事態が起きたからだ。
日本学術会議は法律で制定され、「会員は、学術会議の推薦に基づいて、内閣総理大臣が任命する」とある。果たして学術会議の推薦を首相が拒否することができるのか。この点について、中曽根首相は1983年の参院文教委でこう答弁している。
「これは、学会、学術集団から推薦に基づき行われ、政府が行うのは形式的任命にすぎません。政府の行為は形式的行為とお考えくだされば、学問の自由独立はあくまで保障されるものと考えております」
つまり、菅首相は、中曽根元首相の考えを「越えた」行動を取ろうとしている。そして中曽根氏の発言にある通り、政府が形式的行為を越えた行動を取れば、それは学問の自由を侵す、ことを示唆している。憲法第23条は「学問の自由は、これを保障する」とある。私たちは今、全体主義国家とは何かを考えてみる時期にある。全体主義国家は右でも左でもない。一つの理念だけを持ち、その他の考えを排除する国家である。
異なる考えを排除するにはさまざまな方法がある。殺人もあるし、監獄行きもある。しかし、そこまで強権的な手を使わずとも、反対の声が政府決定に影響しないようにすればいいのである。
安倍政権は官僚と大手マスコミを政権に隷属させる体制を整えた。そして、それは今、学界にまで及ぼうとしている。異なる見解と共存できない社会は、戦前の軍国主義やナチに近い社会だ。
孫崎享 外交評論家
1943年、旧満州生まれ。東大法学部在学中に外務公務員上級職甲種試験(外交官採用試験)に合格。66年外務省入省。英国や米国、ソ連、イラク勤務などを経て、国際情報局長、駐イラン大使、防衛大教授を歴任。93年、「日本外交 現場からの証言――握手と微笑とイエスでいいか」で山本七平賞を受賞。「日米同盟の正体」「戦後史の正体」「小説外務省―尖閣問題の正体」など著書多数。
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK276掲示板 次へ 前へ
最新投稿・コメント全文リスト コメント投稿はメルマガで即時配信 スレ建て依頼スレ
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK276掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。