http://www.asyura2.com/20/senkyo276/msg/366.html
Tweet |
※2020年10月6日 日刊ゲンダイ1面 紙面クリック拡大
※2020年10月6日 日刊ゲンダイ2面
【スッカラカン首相の排除と懐柔】
— 笑い茸 (@gnXrZU3AtDTzsZo) October 7, 2020
それは、かの国を彷彿させる陰湿さ
日刊ゲンダイ pic.twitter.com/hRxAdq0Om7
※文字起こし
「6年ここ(=日本学術会議)で働いたら、『学士院』ってところに行って年間250万円の年金をもらえるんですよ。死ぬまで。皆さんの税金から大体。そういうルールになっている」
フジテレビの上席解説委員が5日、自社の昼の情報番組でそう吠えていた。テーマは学術会議の新会員候補6人の任命拒否問題。さも学術会議自体が「税金に群がる既得権益者」とのレッテルを貼り、その“悪しき前例”を打破する菅首相という上席解説委員の見立てだが、問題をはき違えていないか。
排除された6人の共通点は、安保法制や共謀罪創設など安倍政権下の悪法にモノ申してきたこと。政府の方針に反する意見を理由にした単なる制裁で、憲法23条が保障する「学問の自由」への侵害だ。まず、そこが大問題である。
また、学術会議が政府から「独立」した立場で政策提言していることこそ、「悪しき前例」を踏まえたものだ。戦前に、学問の自由が戦争遂行のために侵された痛苦の歴史を念頭に、政府の干渉を排しているのだ。
学術会議の人事に土足で踏み込む無神経かつ乱暴な政治介入は、歴史も理念も理解できない逆恨み。しかも2年前から密かに「形式的な任命行為」との法解釈をネジ曲げ、反アベ学者に対する見せしめに執着してきたとは、陰湿極まりない。
さらに問題なのは当初は菅自身、事の深刻さを認識していなかった跡が見られることだ。2日配信の共同通信の記事によると、菅は周辺に「前政権からの引き継ぎ事項だ。そんなに問題なのか」と漏らしたという。
メディアが勝手に「既得権打破」の印象操作
いくら「安倍路線の継承」を掲げたとはいえ、菅がマトモな教養の持ち主なら強権発動を躊躇する。問題の重大さに気づかないのなら、ただの能無しだ。どちらにせよ、愚にもつかない人物を首相に持つ国民は不幸だ。こんなスカスカ首相をメディアは勝手に「既得権打破の構造改革おじさん」として持ち上げるのだ。菅は楽チンだろう。
フジの上席解説委員が持ち出した「学士院」とは「日本学士院」のこと。学術上功績顕著な学者を優遇するための文科省の特別機関だ。1956年に学術会議から分離、独立。会員150人には学術会議OBもいれば非OBもいる。学術会議の会員になれば「そういうルール」として、自動的に学士院の会員になって年金がもらえるような言い回しは誤解を招く。
ただ、税金を原資にした会員1人あたり年間250万円の終身年金の支給は事実だ。今年度に学士院に流れる約6億2000万円の国の予算のうち、約6割にあたる約3億8000万円が会員の年金に消えている。
その意味では学者といえども「既得権益者」とは言えよう。そこに菅が切り込むのであれば堂々とそう胸を張ればいい。しかし、現実は学術会議の人事への政治介入に関し、菅政権は詳細な説明を避け続けている。
恐らく何も考えず禁じ手を打ったマヌケな政権に救いの手を差し伸べるように、学士院の終身年金に論点をズラす。多くの国民が実態を知らないのをいいことに、抵抗する学者を悪者に仕立て上げるかのような印象操作に精を出す。
メディアが「仮想敵」を生み出し、国民をあおる構図は平成以降の「改革ごっこ」で嫌というほど見せつけられた。その結果、得をしたのは改革の幻想を振りまいた政権側のみ。スカスカ菅を改革者然として扱う忖度報道は金輪際、やめた方がいい。
実力以上に畏怖されるカリスマなきおじさん |
「幽霊の正体見たり枯れ尾花」――。政治家としての菅を故事で表せば、そうなる。メディアをはじめ、周辺も中身スカスカの実像よりも大きな存在と捉え、錯覚しているだけではないのか。
今回の強権発動も一事が万事だ。思い付きの言いがかりかも知れないのに、周りが「権謀術数に秀でた菅さんのことだから」と、深い意図を勘繰れば勘繰るほど、菅本人の思うツボだ。そもそも、菅の苦労人エピソードも虚飾まみれである。生家は豪農、父は町議まで務めた地元の名士と恵まれた家庭に育ちながら、「雪深い秋田の農家の長男として生まれ」と庶民派ぶる。
首相就任まで「集団就職」で上京し、「法大の夜間」を出たというイメージが、メディア内でも独り歩きしていたほどだが、そんな事実は全くなかった。菅もそんな「風評」を否定せず、貧しい出の人間が努力して立身出世を遂げたという「人物像」を意識して演じている節すらある。
菅も実像以上に自分が大きく見られているのは、百も承知のはずだ。
そのバケの皮がはがされないのは、日頃のメディア懐柔のたまもの。その象徴が3日に開かれた異例の完全オフレコのパンケーキ記者懇談である。
午前7時半開始と早朝から番記者一人一人と向き合う“気配り”を見せつつ、参加しない社をあぶり出す。自分に批判的なメディアと従順なメディアを分断する目的で記者に踏み絵を踏ませる。「俺を敵に回すと……」といった陰湿な恫喝で、相手が疑心暗鬼に陥ればシメたもの。そんなチンピラまがいの手口で一国の総理まで上り詰めたのが、菅その人ではないか。政治評論家の本澤二郎氏はこう評した。
「菅首相が虚勢を張りたがるのは、国家観や理念に乏しいという自身の弱点を熟知しているからでしょう。ただ、彼の恐ろしさは単なる恫喝だけでなく、意に沿わない官僚を左遷させる“冷徹な実行力”を持ち合わせていること。マトモな感覚ならためらうことを、平然とやってのけるから実力以上に畏怖され、従順なメディアも出てくる。まるでヤクザ社会における評価で出世した政治家だけに厄介なのです」
行きつく先は「熱狂なきファシズム」
菅の理念やビジョンの欠如は、早くも露呈している。「デジタル化推進」「行政改革」を標榜しながら、手をつけたのは「ハンコ廃止」と「マイナンバーの普及」。こんな政策とも言えないチンケな仕事しかできないあたり、既に菅の限界は見えている。
大体、就任後に話題となるのは仕事の中身ではなく、組閣・党役員人事やメディア懐柔を巡る不気味な悪知恵と、学者6人排除の言論統制と独裁気質ばかりという恐ろしさだ。
話題は「排除」と「懐柔」だけのスッカラカン首相の陰湿な表情は、ロシアのプーチン大統領を彷彿させる。笑顔を作っても冷たい印象を与える目の奥や、朝晩に計200回の腹筋運動をノルマに掲げる肉体鍛錬も、かの国の首領との共通項。2人とも信じられるのは自分だけという思考の持ち主なのだろう。
ただ、KGBのスパイ出身として権謀術数を巡らし、「暗殺上等」で絶対的権力を維持するプーチンと菅とでは、器量も度量も段違い。確かに菅も官房長官時代から警察官僚を重宝し、「私のところには、ありとあらゆる情報が集まる」と誇示しているが、プーチンと比較すれば“諜報ごっこ”の域を出ない。
「政権を礼賛する学者や芸術家以外を迫害する手口はヒトラーやスターリンにも似てきましたが、菅首相は口下手で過去の独裁者ほどのカリスマ性は感じられません。しかし、人を魅了する能力のない権力亡者ほど制度を駆使した強権的な締め付けで、人々を従わせたがる。その行きつく先は『熱狂なきファシズム』です。菅首相は政府方針に従わない官僚は『異動してもらう』と発言するなど権力行使に快感を覚え、酔いしれている印象があります。それだけに危うさを感じるのです」(高千穂大教授の五野井郁夫氏=国際政治学)
権力大好きの“スガーリン”は、この国を一体、どうしたいのか。その答えが全く見えないだけに不気味だ。
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK276掲示板 次へ 前へ
最新投稿・コメント全文リスト コメント投稿はメルマガで即時配信 スレ建て依頼スレ
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK276掲示板 次へ 前へ
★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/
since 1995
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。