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※2020年10月1日 日刊ゲンダイ9面 紙面クリック拡大
中村喜四郎氏「50議席差まで詰めれば次でひっくり返せる」 注目の人 直撃インタビュー
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/279405
2020/10/05 日刊ゲンダイ
中村喜四郎氏(C)日刊ゲンダイ
合流協議の本格化から9カ月。立憲民主党や国民民主党などが新党を結成し、野党の大きな塊ができた。その勢力は衆参両院で150人。当選14回、「選挙の鬼」「無敗の男」と呼ばれ、野党共闘の旗を振る中村喜四郎議員も加わった。「1強多弱」と揶揄される政治構造の打破に動きだそうとした矢先、安倍政権は総辞職。アベ政治の継承を掲げる菅政権が誕生した。早期の解散総選挙が取り沙汰される中、どんな戦略で巨大与党に挑むのか。
*インタビューは【動画】でもご覧いただけます。
◇ ◇ ◇
――新党誕生と同じタイミングで安倍前首相が退陣。大番頭が取って代わり、菅政権が発足しました。
菅さんとは同い年ですけどね、私が自民党を出てから彼は国会議員になったので一緒に活動したことはありません。短期間で政権トップに上り詰めたのですから大変優秀な人だと思います。ただ、外相や財務相、党三役もこなして就くのが総理大臣。ショートカットしてトップに立つのは大変でしょう。
――安倍政治の継承と言っていますね。
この7年8カ月、日本の政治は急速に変わり、諦めさせる政治が進んでいる。2013年の特定秘密保護法、17年の共謀罪法成立。14年の内閣人事局設置。これらによって自由闊達に物を言い、行動することに大きな制限が加えられるようになった。その象徴がモリカケ問題で、首相に疑惑の目が向けられると、役所を挙げてカバーしなくちゃならない。そんな安倍政権の体質は菅さんも同じではないですか。安倍さんを支えたのは菅さんで、コントロールしていた可能性もあります。その方がいよいよ表に出てきた。
「投げ出すな」直感した5月 |
――ポスト安倍は事実上1日で決まり、「密室政治」との批判があります。
今回の政変を振り返ると、検察庁法改正案をめぐる読売新聞(5月23日付)の検証記事に安倍さんのこんな発言が載っていました。「菅さんが『やった方がいい』と言っている。仕方がない」。国のトップが「失敗したのは俺のせいじゃない」と言い訳する。これは非常に重大な発言で、とうとう首相自ら政権の実態を口にした、これは投げ出すな。こう思ったんです。
――2度目の政権ブン投げもあると。
菅さんにも萩生田文科相にも知らせず、手続きも踏まずに一斉休校をやり、給付金も二階幹事長や公明党の山口代表に蒸し返されて一律10万円に変更し、補正予算案を組み替えた。求心力はどんどん落ちていった。二階さんひとりでできるわけもなく、公明党に菅さんの影響力が及んだんでしょう。そうして安倍さんは体調を崩し、投げ出す流れになっていくのをみんなよーく見ていた。
次は菅さんと二階さんが決めるだろうという中で菅さんが手を挙げ、雪崩を打ったように後継が固まった。読み筋通りだったということですが、問題は1日でトップが決まるような国が民主主義国家と言えるのか。自民党は国政の停滞を招いてはいけないと言いますが、野党がコロナ対応の国会審議を求めても3カ月も開かない。コロナ禍と言いながら解散総選挙をチラつかせる。矛盾しています。
就任あいさつ回りに訪れた菅首相(C)日刊ゲンダイ
まずは「打倒」ではなく「伯仲」目指す |
――この2年、野党結集に向けて活動し、共産党幹部も含む会合をたびたびセットされています。
強権的な国になり、独裁国家に突き進む可能性が出てきています。自由民主党の伝統と思想とは相いれず、絶対やってはいけない禁じ手です。いずれ自浄能力を発揮して、対する動きが出てくると信じて見ていたけれど、1強体制は年々深刻化している。ですが、新党の戦い方は別に難しいことをやるわけではありません。野党がひとつになって戦えるか。野党がまとまれる環境をつくらなきゃいけない。トップ同士、あるいは幹事長、政調会長が交流し、ハーモナイズできる環境をつくる。そのためには、誰かが汗をかかなくてはならず、経験の長い人間がやるべきだと思った。
人間関係も信頼関係もできたところで知事選をみんなで戦いました。新潟(18年)、埼玉と高知(19年)、東京(20年)で1勝3敗でした。いよいよ、国政選挙で一本にまとまれるかが試されています。その前段階になったのが先日の首班指名。共産党も国民民主党も加わり、(衆院で)134人がオール野党で立憲民主党の枝野代表に票を投じたのは大きな一歩でした。
――菅内閣は高支持率で滑り出し、解散風が強くなっています。
衆院の小選挙区は289。前回17年の総選挙は比例代表を含む与党313議席、野党119議席という結果でしたが、共産党と社民党の比例票は534万5400票に上った。野党が小選挙区の候補者を一本化し、この票が乗れば84選挙区で逆転する可能性があった。143選挙区で野党が勝つ可能性があった。あくまで可能性ですが、一本化しなければ現実にはならない。次の総選挙で小選挙区の半分を野党が取れば政権は追い込まれる。50議席差まで詰めれば射程に入り、その次でひっくり返せる。ダメな野党、情けない野党と言いますが、弱い野党が強くなれる要素はある。
――共産党との選挙協力についてはいかがですか。
共産党アレルギーに対する恐怖心があり、難しいところはありますが、誰かが腹をくくるしかない。今年1月の共産党大会に出て「次の総選挙の小選挙区で100取らなければならない。そのためには日本共産党の力が必要」と話したのも、布石です。大切なのは「打倒自民党」という単純な理屈ではなく、「保革伯仲」「与野党伯仲」に向けてまとまること。自民党が目覚めて日本のためにしっかりやるのなら、政権交代しなくてもいい。野党はそういう考え方を持たなくちゃダメですよ。
――ゼネコン汚職で自民党を離党して無所属に転じて以降、26年ぶりの主要政党入りです。
オール野党が一番無理なくできると思っていたのですが、合流という意見もあって立憲民主党という塊ができた。代表選では枝野さんや(現政調会長の)泉さんから推薦人にと言われましたが、断りました。党の最高顧問にとも言われましたが、それも断りました。立憲民主党入りが目的ではなく、野党をまとめるためにこっちへ来た。そのためには国民運動をやらなくちゃならない。オール野党を呼びかけなくちゃならない。党の肩書を持てば、党のためにやっているんだと思われかねません。
投票率10%アップ運動を主導 |
――「投票率10%アップを目指す108万人国民運動」を仕掛け、6月末から有志議員と署名運動を展開していますね。
最後の中選挙区選挙となった93年と比べ、前回17年の投票率は13・58ポイント下がっている。1440万人が投票していないんです。批判している国民も諦め、シラけ、無関心、刹那的になっている。前回の公明党の得票は697万票。7%弱の票が政権に乗って安定多数を支えている。
ということは、たった7%の有権者が戻れば民主主義を取り戻せる。だから、野党は投票率を上げなきゃいけない。投票率を上げれば必ず勝てる。議員会館を3周ほどして議員140人の署名を集め、85人が活動し、動きだしてきました。野党が目的をひとつにして汗をかき、共有できるシステムが出来上がれば、大人の野党になっていく。受け皿があれば、互いの違いを認め、ケンカしても仲直りできる。
――野党の連携強化もそうですが、各議員の後援組織拡大も狙いと聞きます。中村さんの後援会「喜友会」は草の根組織で、その熱い支援は「中村教」とも呼ばれますね。
手間暇を惜しまず、一人一人との接点を大切にする気持ちを持っていたことが、あの事件を経ても私が生き残れた大きな理由かもしれません。選挙制度が変わり、「地盤看板カバン」がなくても出馬しやすくはなりましたが、地元で信用を得るのは別。野党議員は選挙区に飛び込むのが苦手で、組合に頼ったり、風に頼ったり、マスコミに乗って注目を集めようと派手なことをやる。政治活動の関心事がそちらにあって、地元を固める意識が希薄なんです。
野党になったら党より人。有権者から学ぶ、国民の声を聞く。それを大切にしなくちゃならない。投票率アップを訴えれば、誰でも選挙区を歩ける。ダメだと言う人はいないでしょうし、署名は断られても会話が生まれ、まっとうな運動だと賛同する人も出てくるでしょう。国民との距離を縮めれば、野党の未来は変えることができる。諦めさせる政治が自分たちを支えていると知っている自民党にはできない。だから、私たちはそこを突くんです。
(聞き手=坂本千晶/日刊ゲンダイ)
▽なかむら・きしろう 1949年、茨城県猿島郡生まれ。27歳で衆院議員に初当選し、自民党竹下派(経世会)に所属。建設相などを歴任し、「将来の首相候補」と目されるも、ゼネコン汚職事件で有罪となり失職。2005年に国政復帰。当選14回、衆院茨城7区。立憲民主、共産、社民などの野党有志議員による「投票率10%アップを目指す108万人国民運動」の事務総長。
大切なのは「打倒自民党」ではなく「保革伯仲」立憲民主党 衆院議員 中村喜四郎 【注目の人直撃インタビュー】
2020/10/04 日刊ゲンダイ
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