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「労働組合」と「政党」の違いをわきまえない連合の不可解 ここがおかしい 小林節が斬る!
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/279177
2020/09/27 日刊ゲンダイ
かつて希望の党と民進党が合併を模索して失敗した時も、最近、旧立憲民主党と旧国民民主党が対等合併を進めていた時も、また、野党共闘が議論される時も、必ず、そこに連合が当事者然として介在していた。
しかし、私はいつもそれを見て「不可解だ」と思っていた。
それは、政党と労働組合は「異次元」の存在だからである。
政党は、一般に「政治上の主義を同じくする者たちがその主義を実現するために活動する団体」と定義される。これを別の角度から定義すると、「国家権力を掌握し、または国家権力に影響を与え、それにより国民全体の福利の向上を目指す団体」である。
これを具体的に説明すれば次のようになる。公明党は、「創価学会の利益を守る団体」ではなく、「創価学会の教義である『立正安国』の実現こそが全国民の福利の向上につながる……と信じて活動する団体」である。共産党も、「労働者階級の利益のみを目指す団体」ではなく、「弱肉強食の資本主義を超えて、資本の私的独占を許さず、それを公的に管理・運営し利益を配分してこそ国民全体の福利が向上する……と信じて活動する団体」である。
要するに、政党は、それぞれに方法論は異なっていても、すべて、「国民全体の幸福の総体の増進」を目指す団体である。
それに対して、労働組合は、国民の中の一部に過ぎない特定企業や特定産業の労働者たちが自分たちの待遇改善という「部分利益」を追求する団体である。業界団体と同じである。
だから、労働組合という「部分利益を追求する団体」が、その組合員が政党という「全体利益の向上を目指す団体」のいずれを支持するか?(つまり、組合員各人の政党支持の自由)に介入してはならない……という原則は、論理的に当然の帰結である。そして、これは最高裁判決も認めている。
以上要するに、労働組合に過ぎない連合が、政党間の協議に同席したり、時に、あたかも政党の上部団体のごとき発言をすることは、分をわきまえない振る舞いである。
自民党と各種業界団体(部分利益追求団体)の関係こそが本来のまともな関係である。
小林節 慶応大名誉教授
1949年生まれ。都立新宿高を経て慶大法学部卒。法学博士、弁護士。米ハーバード大法科大学院のロ客員研究員などを経て慶大教授。現在は名誉教授。「朝まで生テレビ!」などに出演。憲法、英米法の論客として知られる。14年の安保関連法制の国会審議の際、衆院憲法調査査会で「集団的自衛権の行使は違憲」と発言し、その後の国民的な反対運動の象徴的存在となる。「白熱講義! 日本国憲法改正」など著書多数。新著は竹田恒泰氏との共著「憲法の真髄」(ベスト新著)
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