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前首相の「遺言」ちりばめられている/政界地獄耳
https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202009180000073.html
2020年9月18日7時59分 日刊スポーツ
★首相・菅義偉の一連の会見での発言を整理すると、秋冬のコロナ禍拡大の可能性をはらむことを鑑み、早期の解散総選挙で菅政権を信任させようという考えはないと感じる。党総裁になった直後から「仕事がしたい」は本音だろう。ただ、就任会見で安倍内閣での自慢話をされても国民はなえるばかりだ。一方、菅政権を作った5派閥にはそれぞれ思惑がある。安倍かいらい政権ならば、しばらく菅が首相を続けてもいいと考えるのは細田派だけだろう。同派は首相候補がいないため時間稼ぎが必要となる。ほかの派閥、ことに竹下派と麻生派は「うちが協力しない限り菅政権は続かない」という思いだろうし、いつ岸田に代えてもいいとの考えだろう。いずれも「閣僚ポストぐらいで納得はしない」という気持ちが見え隠れする。 ★気になる組閣のポイントは何か。1つは、菅が竹下派に官房長官を渡したことで、官邸内の情報が漏れることになる。竹下派は、首相をけん制する形になった。派閥を持たず党内基盤の弱い菅には今後、どの程度の党内情勢が耳に入るか。頼りは幹事長・二階俊博ら党3役だろうが、複雑な情報戦が始まるだろう。 ★加えて、この内閣には前首相・安倍晋三の「遺言」がちりばめられている。1つは弟の岸信夫の処遇。外相とまではいかないものの防衛相を充てた。そして、再登板となった法相・上川陽子だ。上川は前回の法相時代にオウム真理教事件の13人の死刑囚の死刑を執行。法相として司法界に大きな影響力を残した。政界関係者が言う。「上川には、元東京高検検事長・黒川弘務のかけマージャン問題で廃案になった検察官の定年延長を認める検察庁法改正案の再提出と、元法相・河井克行夫妻の裁判対策の特命があるのではないか」。きわめて難解な「遺言」だ。(K)※敬称略 |
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