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※2020年8月31日 日刊ゲンダイ1面 紙面クリック拡大
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※文字起こし
誰と誰が会った、派閥幹部の会合だ、誰を支持するか決めたようだ――。真偽不明の情報も飛び交い、自民党議員が落ち着かない週末を過ごす間にポスト安倍の流れはすっかり固まっていた。
安倍首相が突然、辞意を表明したのは28日の金曜日だったが、日曜日の朝に「菅官房長官が出馬の意向」と報じられた途端、一気に菅の“圧勝”が既定路線のようになっている。
31日、各派閥は意見集約のための総会を開くが、その前に勝負あったかのようなムードだ。
ポスト安倍を決める自民党総裁選には、岸田政調会長や石破元幹事長が早くから出馬の意欲を見せていた。一方、有力候補といわれながら、総理のイスについて「全く考えてない」などとケムに巻いていたのが菅で、出馬するにしても状況を見極め、周りから推された形で最後に手を挙げるとみられていた。
「それが真っ先に名乗りを上げたものだから、虚を突かれ、総裁候補の擁立を検討している各派閥に動揺が走った。しかも、すでに根回しを済ませていたようで、主要派閥がこぞって菅氏を支援しそうなムードができている。他派閥の支援を当てにしていた岸田氏も石破氏も戦略の見直しをはかっています。出馬できるかどうかも分かりません」(全国紙の政治部デスク)
菅はおとといの29日、二階幹事長と極秘に会い、出馬の意向を伝えたという。
二階は「頑張って欲しい」と支援を約束した。安倍の出身派閥である細田派、そして安倍の盟友・麻生財務相が率いる麻生派も、菅支援を示唆している。竹下派も菅支持で動きだしたという。
主要派閥が続々支援で圧勝か
安倍の辞意表明を受けた28日の緊急役員会で、党総裁選の日程や形式は二階に一任された。1日の総務会で正式に決定するが、今回は安倍が任期途中の辞任になること、新型コロナウイルスが収束していないことを理由に、「緊急措置」として、全国一斉の党員投票が行われる通常の総裁選ではなく、両院議員総会で新総裁を選出する方針だ。国会議員票(394票)と各都道府県連が3票ずつ持つ地方票(141票)、計535票で新総裁、つまり次の首相が決まる。
細田派(98人)、麻生派(54人)、竹下派(54人)、二階派(47人)が足並みそろえて菅に乗れば、それだけで253票と国会議員票の6割を制し、さらに、派閥に属さない菅には30〜40人といわれる無派閥の「菅グループ」からの支援もある。こうなると、国民人気が高い石破でも歯が立たない。存在感のない岸田なんて、ほとんど泡沫扱いだ。
総裁選は9月8日告示、14日投開票の日程を軸に調整が進み、石破派のパーティーが予定されている17日にも臨時国会を召集、首班指名が行われる予定だ。このままいけば菅新総理が誕生するわけだが、ちょっと待て。そもそも、菅に立候補の資格なんてあるのか?
官房長官として、安倍政権を支え続けてきたのが菅だ。数々の悪事悪政と、ボスの無責任な政権投げ出しをわびて蟄居謹慎なら分かるが、この希代の悪代官が権力の頂点にシレッと上り詰めようとしている。そんなバカな話があっていいのか。
「安倍首相が健康問題で辞任なんて口実に過ぎず、コロナ対策はお手上げで内政も外交も行き詰まり、ニッチもサッチも行かなくなって政権を放り投げたのが実情です。7年8カ月の安倍政権では忖度が横行し、公文書や統計が都合よく改ざんされ、言いっ放しの無責任政治で日本はメチャクチャになってしまった。しかし、どんな不祥事が起きようと、会見でマトモに答えず『問題ない』『当たらない』と言い続けてきたのが菅官房長官です。官僚機構に睨みを利かせ、アメとムチでメディアをコントロールする役割を担ってきた張本人でもある。そういう人物が新首相になったところで、失われた政治への信頼を回復することは不可能です」(法大名誉教授の五十嵐仁氏=政治学)
安倍政権の悪質なエピゴーネンが誕生する暗澹 |
菅は、安倍の辞任表明会見の直前まで「総理に変わりはない」と言っていた。本当に体調不良に気づかなかったのならボンクラそのものだし、鉄面皮で隠していたなら筋金入りの嘘つきだ。そういう人物が首相になった時、国民は何をどう信用すればいいのか。政治不信は深まる一方だろう。
だいたい、菅と麻生の不仲は政界では知られた話なのだ。消費増税や解散時期をめぐり、ことごとく対立してきた。安倍と菅の関係だって微妙だ。コロナ対策でも菅は当初、意思決定から外されていた。
安倍と麻生の意中の後継は、岸田への禅譲だといわれてきた。それが岸田の頼みの綱で、だから前回総裁選でも出馬を見送り、忠誠心を見せたのだ。それが一転、安倍も麻生も犬猿の仲の二階とも手を結んで菅を担ぐというのだから、岸田じゃなくても狐につままれたような心持ちになる。
「総理と副総理の最重要課題は仇敵の石破さんに政権を渡さないこと。その点、岸田さんでは頼りないと見限ったのでしょう。菅・二階連合が石破さんを担ぐと厄介だから、手を結んで仲間に取り込む方針に舵を切った。何としても安倍政治を継続させるという意思を感じます」(官邸関係者)
新内閣ですぐに解散・総選挙を断行して、来秋の本格総裁選で石破政権が誕生する芽も摘むシナリオも囁かれている。選挙が近いと、選挙の顔として石破待望論が出てくるが、ここでいったん選挙をやってしまえば、しばらく党内は落ち着くからだ。
裁かれる側の共犯者がルールを作る
「石破政権が誕生すれば、安倍政権の中枢に居座ってきた麻生副総理や菅官房長官、二階幹事長らが蓋をしてきた“モリカケ桜”など安倍首相にまつわる疑惑の蓋が開いてしまいかねない。それを阻止し、自分たちの身を守るために老獪な連中が手を結んだ醜悪な総裁選と言うほかありません。シャッポだけ新鮮味も華もない菅氏にすげ替え、現政権の枠組みは変えずに権力構造を維持しようというのです。まるで開発途上国のようなデタラメで、こういう旧態依然の自民党のやり方では未来永劫、国民の期待に応えることはできません。明るい未来を望むのであれば、有権者が自民党を下野させ、ワルを一掃する必要があります」(五十嵐仁氏=前出)
小渕首相が亡くなった際に、密室談合で森喜朗を後継に決めた「5人組」を彷彿とさせる現状だ。そうして誕生するのは、安倍政権の下劣な部分をギュッと凝縮させたような、よりたちの悪いエピゴーネンでしかない。想像しただけで、腐敗腐臭で息が詰まりそうになる。
「麻生は菅・二階との確執が根深い。そう簡単に手を結べないだろう。まだ菅か岸田かで逡巡しているのではないか。安倍だって、本当に菅でいいのか。麻生派と細田派が、土壇場で岸田支持に回る可能性もある。そうなれば、フライング気味に出馬表明した菅は苦しい立場になる。麻生と安倍はこの際、目ざわりな石破と菅をまとめて潰してしまおうと考えているのかもしれない」(自民党ベテラン議員)
こういう見立てもあるが、いずれにせよ、権力のタライ回しで政権私物化を続けようと画策する連中が怪しい総裁選で蠢いているわけだ。
「安倍首相は夏の間中、会見からも国会からも逃げて政治空白をつくってきたのに、総裁選は緊急時で政治空白が許されないから党員投票を行わないというのは道理が通りません。政権を放り投げた安倍首相との連帯責任で、本来は裁かれる側の人たちが、自分たちで勝手にルールを決めて権力を掌握し続けようとしている。そういう昭和の政治をまだやろうとしているのか。総裁選まで2週間以上あって、何が起きるか分からないのに、御用メディアに菅政権の流れをつくらせて誘導するのもどうかしている。もはや民主主義国家とは思えません」(政治ジャーナリスト・角谷浩一氏)
国民が求めているのは安倍の辞任ではなく、安倍政治の終焉なのである。菅政権なんてことになれば、安倍政権の亜流が続くだけだ。いまの日本にそんな余裕はないのに、また無駄に時間が失われていく。それを選択する自民党なのか。国民はもう唖然とするしかない。
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