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松本人志と東野幸司が語った“安倍首相の功績”に絶句!「サミットの記念写真で真ん中に写った」ただの在任期間順なのに
https://lite-ra.com/2020/08/post-5610.html
2020.08.31 松本人志と東野幸司が語った“安倍の功績”は「サミットの写真で真ん中に写った」 リテラ
首相官邸HPより
今回の安倍首相辞任について、“隠れ安倍応援団”の松本人志と『ワイドナショー』(フジテレビ)はいったいどんな放送をするのか。そう思って30日の放送に注目をしていたら、その中身はあ然とするようなスカスカぶりだった。
たしかに発言の端々から安倍応援団ぶりはダダ漏れていた。まず、MCの東野幸治に「安倍首相の功績、たくさんありますが」と振られた松本人志が最初に口にしたのは、こんなセリフだった。
「そうですね、まずは、7年8カ月お疲れさまでした。ということだと思いますね」
橋下徹が辞任会見で記者たちが安倍首相に「お疲れさま」と言わなかったことに説教をしていたのを意識したのか、ふだんテレビで見せたことのない殊勝な対応を見せた松本。続けて「あと、ちょっと後付けみたいになってしまうんですけど」と、こんな話を始めたのだ。
「アベノマスクを安倍さんが何週間か前にやめたでしょ? なんか、あのぐらいから僕はちょっと、心が折れてんのかなあという気がしましたね」
「戦意喪失しちゃってんのかなあみたいな気がしなくはなかったんですけどね」
「心が折れてんのかなあ」「戦意喪失しちゃってんのかなあ」と、お友だち目線の感想を述べたのだ。
さらに東野が「拉致問題、北方領土問題、憲法改正問題、約束したんですけど、なかなかできなかった」と解説を挟むと、松本はこう答えた。
「もちろん国内ではなんかいろいろあった人ですけど、外交においてはなかなか安倍さんに代わる人がそんなにたくさんいないなあというのが、少し不安ではありますよね」
たしかに安倍応援団や御用メディアは「外交の安倍」をやたら連呼するが、実際は安倍政権下の7年8カ月でまともな外交実績はほとんどない。
北朝鮮拉致問題はまったく進展させることができず、歴史修正主義と差別政策で日韓関係は最悪になり、レイシストであるアメリカ・トランプ大統領と親密な関係をアピールするという人権感覚のなさを世界に晒した上、武器を大量に買わされるだけのスネ夫っぷり。ロシアにも媚びまくるだけで、領土問題も「北方領土」という言葉すら使えない状態にまで後退させ、あげく中国に対してもウイグルや香港弾圧でほとんど批判できない弱腰の対応を続けている。
それなのに、安倍首相の演出にまんまと乗せられて「外交では安倍さんに代わる人がいない」などとしたり顔でコメントするとは、松本は恥ずかしくないのか、と思っていたら、番組ではさらに情けない展開になった。東野がこんな“実績”を語り出したのだ。
「これは、だから、指原さん、国際会議とかで、僕らがちっちゃい頃とか、20代、30代の頃って、日本の首相ってG7とかの、記念写真の端っこのほうにしか行けなかったんですよ。安倍さんになってから、7年8カ月になってくると」
「アメリカのトランプ大統領も、ビジネスマンから大統領になったからよくわからないから、安倍さんがいろいろ相談に乗ってあげたり、するなかで、立ち位置がどんどん真ん中に」
■「安倍首相がサミットので真ん中に」と興奮する東野、松本に石原良純が「あれは在職日数も」
そう、安倍首相の外交実績を語るのとかと思いきや、東野は安倍首相が記念写真に真ん中に!と興奮気味に話し、松本も「そうですよ」「うん」などと一際大きな声でしきりに同調したのだ。
しかし、恥ずかしかったのはそのあとだ。東野に「ねえ、良純さん」と振られた石原良純が「あれは、在職日数とかもあるから」とまともに返すと、なんとなくこの話はしぼんでいき、その後は、東野が「森友問題、加計問題、防衛省日報問題、桜を見る会問題、いろいろあったんですけれども。で、ポスト安倍なんですけど」と、さっさとポスト安倍の話に移ってしまった。
良純が指摘したように、サミットなどの集合写真での各国首脳陣の立ち位置は、議長国の首脳が真ん中で、両サイドに在任期間の長い順に内側から並ぶ。大統領と首相では大統領のほうが先など、きわめてシンプルなルールに沿っただけのもの。別に、各国首脳のコミュニケーション能力とかリーダーシップ、ましてや国際的地位によって競い合われるような類のものではない。2016年の伊勢志摩サミットや2019年の大阪サミットで安倍首相が真ん中なのは単に開催国だったからにすぎないし、在職期間中に国内でサミットがあった福田康夫や森喜朗だって真ん中にいた。
1983年にアメリカ・ウィリアムズバーグで開かれたサミットで、中曽根康弘首相が真ん中のレーガン大統領の隣に無理やり割って入っただけのことが、日本国内では「日本の国際的地位が上がった」などともてはやされたという間抜けなケースがあったが、写真の立ち位置で国際的地位や国際社会における存在感をはかるなど、スクールカーストじゃあるまいし、あまりに頭が悪すぎるだろう。
ところが、この日、東野や松本が語った、安倍首相の実績とやらは、このG7やサミットの記念写真で真ん中に行けたこと、それだけだった。
■自分たちと安倍首相の蜜月や会食問題を完全にネグった『ワイドナショー』
別に『ワイドナショー』や松本に、安倍政権の7年8カ月を批判しろ、などということを要求するつもりはないが、これはいくら何でも中身がなさすぎだろう。しかも、もうひとつの問題は、松本と『ワイドナショー』が自分たちと安倍首相の蜜月な関係を完全に隠していたことだ。
2016年5月には、選挙期間中に『ワイドナショー』に安倍首相を出演させ(2016年5月1日放送、熊本地震で放送予定がずれて結果的に選挙期間中の放送にはならなかった)、接待と見紛うばかりの安倍政権PRに協力。12月には安倍首相の会食をし、“寿司トモ”(実際は焼肉だったが)の仲間入りまで果たした。
実際、松本は、露骨な安倍応援団ぶりを全開にしてきた。安倍政権の政策は支持し反対意見を攻撃、安倍政権の不祥事についても荒唐無稽な論理を持ち出して徹底的に擁護していた。たとえば、甘利明・元経済再生相が口利き問題で大臣を辞任したときは「TPPどうなんねん」「このタイミングで(大臣辞任を)やることによって、国益とか、何兆円規模の日本にとっての損害の可能性があるわけですよ」とかばい、加計問題は「わき見運転したみたいなもん」と、話を完全に矮小化するという具合だった。
ただ、安倍首相との会食が発覚して批判を浴びたあたりから、こうした露骨な安倍政権擁護はしなくなり、最近では政権不祥事は極力取り上げないという姿勢に転換していたが、それでも今年5月に黒川弘務・東京高検検事長の賭けマージャンが発覚した際も「検事長は新聞記者にはめられた」などとネトウヨばりの陰謀論を展開し政権擁護していた。
安倍政権をここまで長くのさばらせてきた責任の一端を担う存在のひとつであるにもかかわらず、「アベノマスクをやめた」と「サミット写真の立ち位置」しか口にしないというのは、御都合主義、ゴマカシにもほどがある。
松本人志に限った話ではないが、安倍応援団メディアが安倍政権の功罪を総括するなら、自分たちの政権擁護をこそネグらずに、きちんと総括するべきだろう。
(編集部)
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