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【永田町の裏を読む/高野孟】河井夫妻の立件の仕方に疑問…検察はヤル気を失っている? https://t.co/k4DjbA1jRi #日刊ゲンダイDIGITAL #河井夫妻 #河井克行 #河井案里 #検察 ##日刊ゲンダイ
— 日刊ゲンダイ (@nikkan_gendai) August 26, 2020
河井夫妻の立件の仕方に疑問…検察はヤル気を失っている? 永田町の裏を読む
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/277843
2020/08/27 日刊ゲンダイ
25日東京地裁に、河井克行・案里夫妻(左)の初公判に集まった報道陣ら(C)日刊ゲンダイ
河井克行・案里夫妻を公職選挙法の買収罪に問う裁判が始まった。
多くの解説が、夫妻の派手な現金バラまき行為が厳しく罰せられるのは当然として、その金を受け取った側の地元首長や議員ら100人が、いまだに処分を受けていないのは「異例のこと」だと指摘しているが、これは少しツボが外れている。本当に「異例」なのは、現金バラまきが案里選挙の数カ月前から始まっていたにもかかわらず、これをひとくくりに公選法の買収に当たるとした立件の仕方なのである。
選挙違反問題に詳しい弁護士によると、「選挙期間中はもちろん、その直近の事前活動で現金などを渡して投票や票のとりまとめを依頼すれば買収だが、その数カ月前ということになると、一般的な政治活動、あるいは地盤涵養行為であって、選挙のための買収ではないと言い抜けられる可能性がある。そこで、事前活動の幅を無理にでも広くとって、あくまでも買収罪で裁くのだという強い姿勢を安倍政権に対して見せつけようとしたのではないか」という。
広島地検や大阪地検がこの一件を捜査していた当時、現場の検察官の間で安倍政権のあまりに露骨な検察人事介入に対して怒りの感情が広がっていたことが、その背景にあったと考えられる。
ところが、この立証はなかなか難しく、現金を受け取った側の何人かから「案里への投票もしくは票のとりまとめを頼まれた」という証言を引き出して、公判でもそれを言わせ、夫妻側の全面否認をひっくり返さなくてはならない。
「そのため、取り調べの中で『そう言われたように記憶する』などと漏らした者に対して、『それをはっきりと証言するなら君を立件することはしない』と、一種の司法取引を持ちかけたのではないか」と前出の弁護士は推測する。
立件の仕方の異例が、被買収側100人の処分見合わせというもうひとつの異例につながったということである。それでも検察側は、何としても河井夫妻を追い込もうと張り切っているのだろうか。「いや」と、その弁護士は悲観論を述べた。
「安倍がどうしても検事総長にしたかった黒川弘務・元東京高検検事長が賭けマージャン問題で自爆し、その爆風で検察庁法改定も吹き飛んでしまったので、検察としては安倍と戦う理由が消滅した。だから、もともといささか無理があったこの裁判についても、すでにヤル気を失っているんじゃないかと心配です」と。
高野孟 ジャーナリスト
1944年生まれ。「インサイダー」編集長、「ザ・ジャーナル」主幹。02年より早稲田大学客員教授。主な著書に「ジャーナリスティックな地図」(池上彰らと共著)、「沖縄に海兵隊は要らない!」、「いま、なぜ東アジア共同体なのか」(孫崎享らと共著」など。メルマガ「高野孟のザ・ジャーナル」を配信中。
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