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※2020年8月19日 日刊ゲンダイ1面 紙面クリック拡大
https://twitter.com/Trapelus/status/1295983211609124864
※文字起こし
安倍首相が17日、慶応大病院で7時間半にもわたる「検査」を受けたことへの衝撃がまだ続いている。
15日に日本武道館で行われた全国戦没者追悼式の後に、こっそり取った夏季休暇期間中の病院入り。検査の一報が永田町を駆け巡ると、与党からは「総理には十分な休みが必要」「体調に万全を期して」など、「もっと休んで」の声しきりだった。
しかし、こうした身びいきな反応は、多くの国民にとって違和感でしかないのではないか。新型コロナウイルス禍の非常時だというのに、さっさと国会を閉じ、記者会見も開かず、病院に逃げ込む土気色の首相に、この先も国の舵取りを託して大丈夫なのだろうか。国民の生命と財産を守ることなどできるのだろうか。
最も違和感を覚えるのは、安倍が「責任感」から休みを取らず、体調を崩したかのような言いぶりだ。
検査に入る前日、甘利明・自民党税制調査会長がテレビで、安倍の体調について次のように発言した。
「責任感が強く、自分が休むことは罪だとの意識までもっている」
甘利は17日、ツイッターにもこう書き込んだ。
<「何で次から次へと日程を入れて総理を休ませないんだ!疲れ切っているのに!」「いくら言っても聞かないんです。本人が休もうとしないんです。先生からも説得して下さい!」私と総理秘書官とのやり取りです>
麻生財務相に至っては、記者にこうまで言ってのけた。
「147日間、休まずに連続で働いたら、普通だったら体調がおかしくなるんじゃないの。あなたも147日間休まず働いてみたことあります?」
確かに、麻生の言う147日間(1月26日〜6月20日)の首相動静には「公務なし」の休日がないようだが、6月21日以降は、訪問客なく私邸で過ごしている休日があったし、平日でも午前休を取っている。まるで不眠不休でずっと働いてきたかのように言うのはおかしい。
「3ない」首相が健康問題の言い訳は卑怯
問題にしているのは、表面的な勤務日数ではなく、この7カ月弱、安倍がそんな強い責任感を持って、真剣にコロナ対策にあたってきたのかどうか、ということなのだ。
答えは「否」だ。
1〜2月にかけての感染初期は、東京五輪の開催を優先して水際対策が遅れた。
コロナ対策はほとんど厚労省任せで、クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」号での感染拡大が深刻化し、内外から批判が出ると大慌て。急に表舞台に出てきたと思ったら、トップダウンで唐突に小中高を一斉休校し、教育現場や家庭を混乱させた。血税をドブに捨てたアベノマスクの全戸配布も酷かった。
ほぼ2週間おきに開いた記者会見で“やってる感”をアピールするも、その実態は事前質問通告の原稿読み。事業規模200兆円超の補正予算を「空前絶後の規模」「世界最大の対策」と自画自賛し、「日本モデル」で感染を抑え込んだとドヤ顔だったのもつかの間、7月に再び感染拡大に転じた。
ところが安倍は、6月17日の国会閉会以降、自ら丁寧に説明することなく、コロナ対策を西村担当相と専門家分科会に任せっきり。感染拡大防止や時短・休業する飲食店への協力金など、具体的な対策は都道府県知事に丸投げという醜態なのである。
甘利や麻生の安倍擁護発言に納得する国民は皆無だろう。法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)も呆れている。
「安倍首相はそんなに働いていないでしょう。それどころか、『臨時国会を開かない』『閉会中審査に出ない』『記者会見しない』の『3ない』状態なのに『休む』なんて、首相としての責任をどう考えているのか、という話ですよ。やるべきことをやらず、『健康問題』を“言い訳”に使うのは人として卑怯。国会議員としては無責任。総理大臣としては資質がありません。今は命がけで働いてもらわなければ、誤った政策によって何十万人が被害を受ける危機なのです。自覚がないなら、首相を交代してもらいたい」
何もしていないのに「疲れた」なら、もう辞めた方がいい、ということだ。
飲食店社長は「政府は何をやっているのか」と怒りに震えた |
2020年4〜6月期の実質GDPが前期比7・8%減、年率換算で27・8%という戦後最悪のマイナス成長となったことで分かるように、日本経済は瀕死、アベノミクスの崩壊はクッキリだ。コロナによる緊急事態宣言の影響が大きいとはいえ、現在も感染再拡大の局面なのだから、当分、経済は戻らない。
右肩上がりの感染者数に医療現場は疲弊し、経営も悪化。コロナ患者を受け入れた病院は、全国で3分の2、東京都で9割が赤字に転落したというデータもある。全国知事会は国への提言書で、緊急包括支援交付金の増額を求め、医療機関への支援などに幅広く活用できるよう見直しを要請している。
要するに今は、医療の充実と感染の抑え込みで国民に安心感を与えなければならない時期なのだ。ところが安倍政権が注力するのは「Go To トラベル」という感染拡大を助長するような愚策だから、どんなに旗を振っても、賢明な国民は旅行を控える。その結果、18日にJR6社が公表したお盆期間(7〜17日)の新幹線や在来線の利用状況は、利用者数が前年比76%減となり、過去30年間で最少だった。
さすがに公明党の山口代表が18日、「Go To トラベル」について、「結果(効果)を少し省みて、今後どうするか検討してみたらいい」と口にし始めたが、アクセルとブレーキを同時に踏むのは無理であり、二兎を追っても一兎も得ずなのである。
もはや無政府状態
「一体、政府は何をやっているんですか。この先、恐ろしいことになりますよ」
都内で10店舗ほどのレストランを経営する社長は、怒りに震えていた。
「家賃補助の制度ができましたが、家賃支払いの証明は1カ月以内のものじゃなきゃダメだという。2月だったらあるのに、コロナ禍で今は家賃を払えていないのだから支払い証がありません。雇用調整助成金にしても、ウチぐらいの規模ならギリギリなんとかなりますが、店舗数が増えれば増えるほど、人件費も高いので、助成金では足が出る。秋冬に向け、潰れる会社が激増すると思います」
18日公表された東京商工リサーチの最新アンケート調査でも、それはハッキリ分かる。コロナの収束が長引いた場合、廃業を検討する可能性のある中小企業は単純計算で30万社超に上り、その時期は「1年以内」が44・9%で半数近かった。年内に売り上げ半減の可能性があるとしたのは41・5%。前回調査より10・3ポイントも悪化した。
経営者心理がどんどん冷え込んでいっている。それなのに有効な手を一切打てない政治って何なのか。航空会社やホテルなど大手企業だって他人事じゃない。このままでは地獄の企業クラッシュに突入である。
経済アナリストの菊池英博氏はこう話す。
「日本は無政府状態ですよ。コロナ対策では初動で失敗し、その後、いったん、感染者は減りましたが、東京・歌舞伎町のエピセンターを抑えられず、今や第2波懸念です。安倍首相が人気取りで緊急事態宣言の期間を繰り上げて終了したのも、判断間違いでした。本来、収束してから行うはずだった『Go To キャンペーン』を強行したのも政治的なミスです。でも、失敗を認めたくないので『もう放置しておこう』という酷い状態。無策のうえ、支離滅裂で大局的な方針がない。このままでは他国に比べても経済の回復は遅れるでしょう。これまでの愚策を否定し、切り替えられる人を新しい首相にすべきです」
安倍の健康状態が悪いのは間違いないのだろう。持病の潰瘍性大腸炎の治療だけでなく、がんの検査も行ったというし、病人なら休息が必要だ。しかし、今夏はいつもと同じ夏ではない。コロナ禍のこの有事に、国のトップとしての任にかなわないのならば、国民に対して申し訳ないと思うのが本物の指導者だろう。「全身全霊で打ち込める次の人に託す」ことこそ、本当の「責任感」ではないのか。
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