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※2020年8月18日 日刊ゲンダイ1面 紙面クリック拡大
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※文字起こし
この国の経済は瀕死の状態だ。2020年4〜6月期の国内総生産(GDP、季節調整値)の速報値は実質で前期比7・8%減、年率換算27・8%減。内需も外需も総崩れ。リーマン・ショック直後の09年1〜3月期の年率17・8%減を大きく上回り、戦後最悪のマイナス成長に落ち込んだ。金額は485・1兆円で、12年10〜12月期以来、7年半ぶりに500兆円を割り込んだ。リーマン・ショック時に500兆円割れから元の水準に戻るのに約4年かかった。今回の数字は戦時クラスの緊急事態と言っていいんじゃないか。
西村経済再生相は17日の会見で「4月、5月は緊急事態宣言のもと、経済をいわば意図的、人為的に止めてきた。結果として非常に厳しい数字となった。世界的にも同様かそれ以上に厳しい数字になっている」とコロナ禍にすべてをおっかぶせ、欧米と比べて善戦しているかのような言いぶりだったが、嘘八百もいいところだ。財界の顔色をうかがい、国民の暮らしに目もくれない安倍政権の経済愚策の成れの果て。インチキのアベノミクスが日本経済を追い込んだのだ。
GDPは消費税率を10%に引き上げた19年10〜12月期から減少。3・11をはさむ10年10〜12月期から11年4〜6月期以来となる3期連続のマイナス成長に陥っている。それも、安倍首相が保身に走って2度も消費増税を先送りした揚げ句、景気後退入り後に引き上げたのだから、これほどバカなやり方はない。散々うそぶいていた「戦後最長の景気回復」はデタラメで、消費増税1年前の18年10月に途切れていたのだ。一方、欧米のマイナス成長は2期連続で、新型コロナウイルスの感染拡大以降の現象だ。4〜6月期の前期比年率のGDP減少率は米国32・9%、英国59・8%、ドイツ34・7%、フランス44・8%。数字は大きいが、感染者や死者数は日本とはケタ違いの上、ロックダウン(都市封鎖)などの強硬措置を取った影響もある。
年末に向け二番底、三番底懸念
西村は「4〜5月を底に経済を内需主導で成長軌道に戻していく」とも言っていたが、経済が底打ちしたとは言い切れない。二番底、三番底が待ち受けている可能性がある。GDPを直撃したのは、過半を占める個人消費の激減だ。外食や旅行などのサービス消費を中心に急減し、過去最悪の前期比8・2%減。内需のもうひとつの柱である設備投資も1・5%減で、マイナスは2四半期ぶりだ。
経済評論家の斎藤満氏は言う。
「6月は多くの家庭に特別定額給付金10万円が届き、個人消費を下支えしました。にもかかわらず、4〜6月期に8・2%も減少したのは衝撃でしたが、持ち家の帰属家賃などのマヤカシ要素を除いた実質的な個人消費は10・9%減までマイナス幅が広がる。個人消費の低迷は事実上、GDPを6・4%も押し下げています。7月以降の反発は期待できません。給付金効果が見込めず、新型コロナの感染が再拡大する中で前倒し実施した『Go To トラベル』は東京を除外し、機能不全に陥っている。航空や鉄道、宿泊施設などの観光と密接な業界は夏休みシーズンが書き入れ時なのに、このままでは空振り必至です。感染収束の気配はなく、5月以降は残業代が約25%も減り、倒産も増加傾向で、休業が失業となるリスクも高まっている。冬のボーナス支給額は夏以上に厳しくなるでしょう。10〜12月期に個人消費がもう一段落ち込む可能性があります」
東京商工リサーチによると、新型コロナ関連倒産は416件に拡大(17日午後5時現在)。無能政府に絶望し、将来不安に怯える庶民はこの先も絶対カネを使わない。コロナ禍で強いられた巣ごもりで、出歩かずカネを使わない生活に慣れてしまったからなおさらだ。政策総動員でなければ、この国の経済はもう持たない。
コロナ対策に生かされない60兆円の巨額予算 |
コロナ禍をめぐり、安倍政権は新型コロナ対策で1次補正と2次補正を合わせて一般会計総額60兆円近くに上る巨費を投じ、今年度当初予算を含む予備費は12兆円に膨らんだ。しかし、家計への支援はチョボチョボだ。目玉はたった1回の一律10万円給付。ほかは児童手当の1人1万円上乗せや低所得ひとり親世帯への5万円給付くらいのもの。「Go To キャンペーン」に1・7兆円もの巨額予算を組み、平時発想の小手先対応で何とかなると考えている犯罪的能天気とオメデタさである。いま必要なのは、根本的な景気対策だ。今すぐ国会を開き、金食い虫の五輪中止、消費税ストップ、大型減税、モラトリアムなど、やるべきことは山ほどある。
「新型コロナに対する国民不安を払拭しない限り、経済を回すことはできません。2次補正で10兆円も積み上げた異例の予備費は、国会を開かない担保に位置付けていたはずなのに、実効性のある新型コロナ対策にちっとも生かされていない。単なる見せ金なのでしょうか。まずは予備費を活用して検査・隔離体制の拡充、医療機関への手厚い支援、治療薬開発を後押しし、あわせて3週間限定で補償とセットで実施するロックダウンなどの強い措置を取るべきです。経済がここまで悪化しているのですから、速やかに臨時国会を召集し、審議を重ねて対策を講じるのが政治の役割でしょう。低所得者層ほどメリットの大きい消費税の廃止。一定の年収で線引きした所得税減税と資産課税なども検討した方がいい」(斎藤満氏=前出)
野党は真正面から総辞職要求を
待ったなしの事態にあって、最高責任者であるはずの安倍は雲隠れ。体調不良説が強まる中、17日は「健康チェック」との理由で慶応大病院に7時間半こもり、私邸に直帰した。
公的な発言は、報道陣からの「体調はいかがですか」に応じた「お疲れさま」のひと言だけ。戦後最悪のマイナス成長について何のコメントもしなかった。
18日までの3日間、夏休みを取るという。麻生副総理は「147日間、休まず働いたら普通だったら体調はおかしくなるんじゃないか」となぜかニンマリしながら擁護し、政府関係者も「総理はリフレッシュできず疲れている」と言うが、「日本モデル」の大失敗で国民はリフレッシュどころか、疲労困憊。だいたい、安倍は通常国会閉会後のこの2カ月間、表舞台から逃げ回り、このところは「午前休」を繰り返している。
政治評論家の森田実氏はこう言う。
「コロナ禍、自然災害を多発させる異常気象、絶望感の広がり、国際秩序の崩壊、そして不況。世界は五重苦にさいなまれています。今こそ政治の出番。政治家が国会で百家争鳴、議論をたたかわせて停滞を打ち破り、国民の総力を結集する流れをつくる時なのです。ところが、安倍首相は通常国会の延長も臨時国会の召集も拒み、閉会中審査には出席せず、官邸でちんまりした会議を重ねるだけ。そんな首相に対し、自民党内から〈しっかり休んで〉なんて声が上がっていますが、感覚がおかしい。ヤル気がある人間はいくらでもいる。この期に及んで動かない首相は辞任すべきで、国会に背を向ける国会議員も辞職すべきです。国会議員まで引きこもるようでは、国民としてはやり切れない。野党も遠慮せず、安倍首相に〈体調が悪いなら総辞職してください〉と真正面から言っていいんですよ。政治は国民的危機の時の保険でもあるのに、その役割が果たされていないんですから」
全国の新規感染者は高止まりが続き、重症者も死者も増加傾向だ。17日は15人の死亡が確認され、緊急事態宣言が全面解除されてから最多となった。国民の生命と財産を守るためには、もはや一刻の猶予も許されない。
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