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安倍首相“吐血報道”に続き慶應病院入りで8月31日辞任説も…官邸や側近が健康不安情報を煽る異常 政権放り出しを正当化する目的か
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2020.08.17 安倍首相慶應病院で辞任説…側近が健康不安煽るのは政権放り出し正当化目的 リテラ
15日、全国戦没者追悼式に出席した安倍首相(政府インターネットTVより)
お盆が明けた本日、永田町を揺るがす速報が入った。体調悪化説が流れていた安倍首相が午前、かかりつけとなっている慶應義塾大学病院へ向かったからだ。
総理官邸は「休み明けの体調管理に万全を期すため夏期休暇を利用しての日帰り検診」だと発表しているが、安倍首相はたった約2カ月前の6月13日にも同院を訪れ、6時間にあわって人間ドックを受診。今回の検診について病院側は「6月の追加検査」と説明するが、永田町では「やはり体調が悪化しており、それで受診したのではないか」という憶測が飛び交っている。
というのも、安倍首相の体調をめぐっては、「7月6日に首相執務室で吐血した」という情報が出ていたからだ。
永田町では7月あたりから「安倍首相の顔色が悪い」という情報が流れ、会食に主治医が同行している、時折歩行が困難になることもあり医師団がケアしている、といった真偽不明のメモも出回っていたという。
さらに、この「体調悪化説」に追い打ちをかけたのが、8月4日発売の「FLASH」(光文社)。同紙は「安倍晋三首相 永田町を奔る“7月6日吐血”情報」とタイトルに打ち、体調問題を報道したのだ。
同紙では、7月6日の首相動静に小池百合子・東京都知事と面談を終えた11時14分から16時34分に今井尚哉首相補佐官らが執務室に入るまでの約5時間強、空白の時間があったとし、この間に吐血したのではないかという情報が永田町に流れていると報道。安倍首相が抱えている持病の潰瘍性大腸炎に合併する胃や十二指腸の病変や、治療のために服用しているとされるステロイド系の薬剤による影響を指摘していた。
この「FLASH」の報道により、さらに「体調悪化説」に拍車がかかった。政治部記者のあいだでは『8月に入って“アベノマスク”をやめて、やけに大きなマスクに変えたのは、顔色が悪いのを隠すためでは』などという憶測まで流れはじめ、TBSは「安倍総理が官邸に入る際の歩くスピードが最近、遅くなった」とし、安倍首相が官邸に足を踏み入れてからエレベーターに消えるまでの速度が「4月の平均は18.24秒だったのに、8月の6日間では20.83秒まで遅くなっている」などと報じていたほどだった。
さらには、安倍首相周辺からも「総理は疲れている」という声が漏れ出し、昨16日には安倍首相の側近である自民党の甘利明税制調査会長が『日曜報道 THE PRIME』(フジテレビ)に出演して、「ちょっと休んでもらいたい。責任感が強く、自分が休むことは罪だとの意識まで持っている」「数日でもいいから強制的に休ませなければならない」と体調問題に踏み込んだのである。
そして、今回の人間ドックからわずか約2カ月での慶應大病院入り……。こうした経緯もあって、「安倍首相は深刻な状態なのではないか」という見方が広がっているのだ。
だが、今回の安倍首相の「体調悪化説」には、異様な点がある。それは、揃いも揃って首相周辺が「体調悪化」を明確に否定しないことだ。
■「FLASH」の吐血報道に抗議も否定もしなかった菅官房長官 官邸が積極的に健康不安を煽るリーク
言うまでもなく、国のリーダーの体調問題は求心力低下を招く大きな要因になるため、古今東西、体調不良にかんする問題ははっきりと否定するものだ。
実際、2015年8月にも「週刊文春」(文藝春秋)が「安倍首相の『吐血』証言の衝撃」と題し、ホテルの客室で会食中に安倍首相が吐血して今井尚哉首相秘書官が慌てて慶応大病院の医師を呼び診察を受けたという記事を掲載したが、このとき安倍事務所は「週刊文春」発売の翌日に文藝春秋に記事の撤回と訂正を求める抗議文書を送っている。
だが、今回の「FLASH」の記事に対し、抗議をおこなったという話はまったく聞かれない。
そればかりか、この「FLASH」による「吐血」報道について会見で質問された菅義偉官房長官は、「私は連日お会いしているが、淡々と職務に専念をしている。まったく問題ないと思っている」と回答。抗議どころか、「FLASH」の記事について否定しなかったのだ。
「というか、今回は官邸が、安倍首相の健康不安説を積極的に流しているフシがある。『FLASH』の情報源も官邸の内部だと言われているし、裏が取れないから書かないが、我々新聞記者もこの間、官邸関係者からそういった情報を頻繁に聞いている」(全国紙官邸担当記者)
さらに、前述したように、安倍首相の側近である甘利氏までもが公共の電波で「強制的に休ませなければならない」などと、健康不安説を助長させるようなことをわざわざ強調する──。
つまり、本来ならば必死になって隠すべき「体調悪化説」を、むしろ安倍首相の周辺は喧伝するような動きしか見せていないのだ。
だとしたら、ここで思い出さずにはいられないのは、安倍首相が第一次政権でおこなった「電撃辞任」劇と、その後の言い訳だろう。
いまではなぜか第一次政権で安倍首相は「持病の潰瘍性大腸炎が悪化して泣く泣く辞任した」ことになっているが、実際は、その体調悪化は後付けされたものだ。
事実、2006年9月に発足した第一次政権では、次々と大臣の「政治とカネ」問題が噴出して“辞任ドミノ”が起こり、さらには「消えた年金」問題が追い打ちをかけ、2007年7月29日の参院選で安倍自民党は惨敗。与野党勢力が逆転する「ねじれ国会」となったが、それからわずか約1カ月半後の9月12日、安倍首相は唐突に辞意を表明した。
この辞任会見で安倍首相は「なかなか国民の支持、信頼の上において力強く政策を前に進めていくことは困難な状況である」と述べたが、辞任表明の翌日に入院し、同月下旬の記者会見では体調悪化が辞任の理由と言い出した。そして、翌年1月発売の「文藝春秋」に手記を寄せて持病を告白し、2007年8月に症状が悪化したことなどを綴ったのだ。
ようするに、政権が死に体で、さらに「ねじれ国会」となったことで悲願の憲法改正も絶望的となったことから安倍首相がケツを割り、政権を投げ出したのは明々白々だったのに、それを体調悪化を理由にすることで正当化をはかり、挙げ句、のうのうと首相に“復活”してみせたのだ。
■永田町では、佐藤栄作の首相連続在任記録を超えたあとの8月31日に辞任発表の説が
そして、いま政権が置かれた現状は、あのときとよく似てきている。いや、もっと酷い状況と言っていいだろう。
新型コロナ対応では感染拡大に歯止めがきかず、経済の立て直しにも成果を出せておらず、今後の見通しも暗い材料しかない。今年4-6月のGDPが年率マイナス27.8%(速報値)になり戦後最悪を記録したことが発表されたが、これまでアベノミクスによって異次元の金融緩和や公的資金をじゃぶじゃぶ投入して株価を支えてきたために、いまや打つ手は残されていない。その上、政権浮揚のために一縷の望みをかけてきた東京五輪は、中止になる可能性が高い。憲法改正を達成する以前に、今後、政権維持ができるかどうかの瀬戸際に立たされているのだ。
新型コロナ以降、安倍首相はしきりに「もう辞めたい」と漏らしていると頻繁に報じられてきたが、つまり、これ以上つづけても良いことはない、むしろこれまでの失政を追及され、責任をとらされると判断し、「体調悪化で辞任」するべく、いま必死になって周囲が布石を打っているのではないのか。
じつはいま、永田町では「8月31日に電撃辞任する」という噂が駆け巡っている。8月24日で大叔父である佐藤栄作の首相連続在任記録を超えるため、それを花道に区切りの31日に辞任を発表するというのだ。
この情報が事実かどうかは断定できないが、安倍首相が今後、辞任するようなことがあったとしても、ひとつだけはっきりしていることがある。それは、その辞任が体調問題によるものでなく、安倍晋三という稀代の無責任男の2度目の“政権放り出し”にすぎないということだ。
(編集部)
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