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※2020年8月8日 日刊ゲンダイ1面 紙面クリック拡大
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「経済を回したいのか、感染を予防したいのか、さっぱりわからない」これが多くの国民の実感だろう。経済を回したいのなら、感染拡大防止が先だ。
— アトン (@aton_blog) August 8, 2020
国民が一番知っている Go Toで“瀕死の地方”は救えない https://t.co/uOm1sk41RI #日刊ゲンダイDIGITAL
※文字起こし
8日からお盆休みが始まったが、新幹線の主要駅や空港の光景は例年とは全く違う。手土産を抱えた家族連れの行列も大きなスーツケースを引っ張る旅行者の混雑もない。多くの国民が帰省や旅行を控えたからだろう。
お盆の帰省については、政府が「全国一律に自粛を求めるものではない」と繰り返すものの、地方自治体の首長らは慎重な判断を求め、見解が食い違って混乱している。だが、実は多くの国民は既に答えを出していた。7月に実施された複数の民間のアンケート調査で「今年は帰省する予定はない」「お盆休みは自宅で過ごす」が7〜8割に達していたのだ。
政府がどんなに「重症者が少ないなど4月とは違う」と言っても、新規感染者数は倍々ゲームで増え、とうに第1波の時の数字を超えてしまった。7日も全国の新規感染者は1607人となり、1日当たりの最多を更新した。こんな状況では、「お盆は巣ごもり」となっても仕方がない。
それでも政府は、帰省に旅行に前のめりで、国民に“自主的な判断”を促す。安倍首相は6日の広島での会見で、「安全で安心な新しい旅のスタイルを普及、定着させたい」と「Go To トラベル」の意義を強調していた。「何を寝ぼけたことを」と冷ややかに聞いた人が少なくないのではないか。
ちなみに1、2日に実施されたJNNの世論調査では、政府が「Go To トラベル」のキャンペーンをスタートさせたことを「評価する」は25%で、「評価しない」が66%。キャンペーンを「使いたい」は19%にとどまり、「使いたいと思わない」が77%と圧倒的だった。
「Go To」より「Welcome To」
国民にこれほど支持されない政策なのに、安倍政権は、なぜ誤りを認めず、頑迷固陋なのか。官邸筋は「観光業は瀕死の危機にある。政府として手をこまねいているわけにはいかない」と強弁しているようだが、これで本当に観光業が回復するのか。地方経済が潤うのか。1兆3500億円もの巨額予算を充てても無意味に終わることにならないか。
「Go To トラベル」では制度の不備も露呈している。菅官房長官は「感染対策をしっかり講じているホテル、旅館を中心に行うものだ」と言ったが、対象ホテルでコロナ感染者が出ていたことを観光庁が把握していなかったという失態も発覚した。
メリットを享受できるのは大きな旅行代理店だけだという声も聞こえる。
「事業者には上限が設けられ、前年の売り上げが基準となっている。これでは売り上げの大きい大手ほどキャンペーンを使ってビジネスできることになる」と中小事業者はこぼしているのである。
誰も行かない旅行にカネをつけて、「瀕死の地方」を救うそぶりのPR。
その実態は、二階幹事長ら自民党幹部に近しい旅行業者のための救済策であり、地方経済は二の次なのだ。
政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏がこう言う。
「お金のかけ方が間違っています。確かに観光業は宿泊や交通機関だけでなく、地域の飲食や物販などまで含まれ、裾野が広い。市場は年間27兆円にもなります。しかし、感染再拡大の今は政府が『旅行に行こう』と旗を振っても、成果は出ない。むしろ地域にお金を渡し、感染対策など安心して受け入れられる体制づくりを支援した方が、地方経済の活性化につながります。『Go To』ではなく『Welcome To』キャンペーンにすべきですよ」
なぜ安倍政権には世界の常識が通用しないのか |
新橋で取材を受けたサラリーマンが、ボヤいていた。
「経済を回したいのか、感染を予防したいのか、さっぱりわからない」
これが多くの国民の実感だろう。経済を回したいのなら、感染拡大防止が先だ。それ以外に道はない。
「世界を見渡せば、感染拡大を早めに抑えた国ほど経済回復は早い。ニュージーランドやデンマーク、台湾などは短期間の自粛で徹底的な対策を取って蔓延を抑えました」(経済評論家・斎藤満氏)
ニュージーランドは6月8日に新規感染者がゼロとなり、アーダーン首相が「国内からウイルスを一掃した」と宣言。その後、感染者は出ているものの、1日平均1人程度で、それも国外からの入国者のみとなっている。観光目的の渡航者の入国は依然、禁止されているが、国内はマスクの着用やソーシャルディスタンスなどの制限はなく、通常の生活。経済活動もほぼコロナ前に戻っている。
ニュージーランドに限らず、経済を回すための世界の“常識”は、自粛とセットで補償金をきちんと払い、徹底的な検査で無症状者を含めた感染者を洗い出して隔離する、というやり方だ。
1日7万件のPCR検査を実施し、希望者は誰でも何度でも検査を受けられる米ニューヨーク州はその代表例だが、ドイツのPCR検査能力は1日15万件、フランスは10万件、中国は378万件である。ところが日本は、いまだ1日3万件。濃厚接触者や有症状者しか検査を受けられない。7日閣議決定された予備費1兆1257億円も、検査拡充については空港検疫の強化330億円だけだった。
医療ガバナンス研究所理事長の上昌広氏がこう話す。
「最近、韓国の研究者がランセットの関連誌に出した論文には、無症状者と有症状者は保有ウイルス量も排出するウイルス量も同じだったとあります。だから無症状者の検査が大事で、まずは医師や看護師、高齢者やホームレスらの検査をすべきなのです。いまの日本の感染症法では無症状者の検査には公費が使えないため、検査が進まない。感染症法を改正しないと、検査は増えません」
人が動かないと経済は回らない
政府の動きの鈍さには、現場の自治体や医師会も苛立っている。そこで、東京・世田谷区は現在1日200〜300件のPCR検査数を10倍に拡充する「世田谷モデル」の検討を始めた。自動のPCR検査機器を導入して医療従事者らのエッセンシャルワーカーを定期的に検査することや、ニューヨークのような「誰でも、どこでも、何度でも」の実現を視野に入れる。
東京都医師会も1、2カ月のうちにPCR検査のできる都内の医療機関を1400カ所に増やす計画を打ち出した。
日本医師会も5日、PCR検査や抗原検査の実施促進を求める緊急提言を発表した。
なぜ日本はいつまでも“検査後進国”なのか。なぜ安倍政権には世界の常識が通用しないのか。感染再拡大の中で「Go To」を進めても、日本経済は絶対に良くならない。前出の斎藤満氏が言う。
「京都と伊勢神宮に旅行してきたばかりの知人から聞いたのですが、現地は観光客がほとんどいなくて閑散としていたそうです。タクシー運転手には、『東京から』だと伝えると嫌な顔をされ、『降りてほしい』と言われて嫌な思いをしたと話していました。『Go To』効果は今のところほぼ空振りです。いくら政府が経済を回したくても、人が動かなければ回りません。つまり、動ける状況をつくってあげる必要がある。早く感染拡大を抑え込んで、国民を不安感から解放しなければどうしようもないのです。いまやるべきことは、2、3週間の短期間、休める人は休む。その代わり、きちんと休業補償を出す。自治体は財源がないので、国が10兆円の予備費から自治体に渡して手当てする。合わせて検査体制も充実させる。そうしないと感染拡大はいつまでも止まらず、経済の回復なんてとても見込めません」
いまのようなペースで新規感染者が増え続ければ、重症者も増え、医療現場が逼迫しかねない。経済はますます冷え込み、失業、倒産、廃業がさらに増える。それは安倍政権の“人災”である。
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