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7月 31, 2020 日々雑感(My impressions daily)
<■コロナ禍で不気味な中国の動き
新型コロナウイルスの世界的大流行で人々の生活や行動は大きく変わった。各国は感染が拡大したコロナ対応に追われているが、その裏で超大国が不気味すぎる動きを見せていることへの警戒心は薄い。というのも、100日超も連続で日本領海外側の接続水域を中国公船が航行しているにもかかわらず、日本政府は「注視はしている」と言うが何らアクションを起こさず、ご機嫌を伺うようなダメダメぶりなのだ。
「世界の地図獲り合戦」という冷厳な現実を前に、どっちつかずの曖昧戦略をとり続ける日本は何をしているのかとの声は国内外から高まっている。虎視眈々と「お前のモノは俺のモノ」と軍事的覇権主義を突っ走る中国に対し、米国や英国などは「このバカチンが!」とばかりに対中強硬策に乗り出し、「新冷戦時代」の緊張は膨らむ一方だ。だが、武力行使を伴わなくとも強硬措置を講じる英米を前に中国は術がないのも事実で、もはや習近平国家主席がいつ「詰む」のかを見るフェーズに入りつつある。
■香港国家安全維持法はなぜ愚策か
コロナ禍で中国が推進している戦略は彼らの理屈で言えば「したたか」なのかもしれないが、普通に考えればあまりにも「愚か」なものだ。だが、それらを率直に教えてあげる役割がこれまでは不在だった。南シナ海や東シナ海で活発化させる海洋進出は、かねてアジア諸国の反発を招いてきたが、ここにきて中国の横暴ぶりがクローズアップされているのは人権侵害や弾圧、スパイ行為といったハリウッド映画も顔負けの「裏の国家像」が見えてきたからだ。日本では当たり前と思われている「自由、法の支配、基本的人権の尊重」という価値観は、かの国にはないに等しいと指摘されている。
ハイテク産業を育成し、海外企業を呼び込みながら急成長してきた中国の「裏の顔」が暴露される引き金となったのは、欧米の「虎の尾」を踏んだためだろう。1842年のアヘン戦争終了から150年以上も英国が植民地として統治した香港で6月末、香港国家安全維持法が施行。中国に返還した1997年から2047年までの50年間は「一国二制度」の下で高度な自治を認めると合意したはずだったが、中国はその約束をいとも簡単に反故にし、国家分裂や政権転覆を狙う行為などを犯罪とする悪法の施行に踏み切った。
■厳しい視線が注がれる中国の人権問題
この法がバカげているのは、単に香港での自由を制限するだけにとどまらず、中国の外であっても、いわば地球上のどこでも、同様の行為をした場合には中国が法律違反に問うことができる「域外適用」を可能にしていることにある。中国共産党による独裁を批判する勢力に対しては「どこにいても追い込みをかけて潰していきます」と宣言しているに等しい。それは日本においても同じで、さすがに「ジャイアンぶり、どんだけ〜」とツッコミを入れる声も聞こえてきそうだが、ドMでもない限り看過することはできないレベルだ。とりわけ、旧宗主国の英国をはじめ主要国は怒り心頭だった。
英国のボリス・ジョンソン首相は香港市民を対象に英国の「市民権」を付与する意向を表明するとともに、香港との犯罪人引き渡し条約を停止する方針を示した。英国内で中国批判した人物を中国側に引き渡す可能性を排除した形で、ドミニク・ラーブ外相は「この条約が悪用されるのを避けることが確実になるまで対応は変更しない」と説明した。同様の措置は豪州やカナダでも見られている。
英政府は次世代通信規格「5G」システムから中国通信機器「ファーウェイ」を締め出す方針で、7月19日には新疆ウイグル自治区の少数民族ウイグル族などに対する中国の弾圧に対しても深い憂慮を表明し、人権問題についても積極的に取り上げていく姿勢を見せた。中国外務省は「香港で植民地としての影響が続いているとの幻想を捨てるよう促す」と報復措置に出る可能性に言及したが、訳の分からない狼狽ぶりはそれだけ人権問題などに世界の厳しい視線が注がれることを嫌っている証左とも言える。
■中国が完全に孤立しているワケ
中国との貿易問題も抱える米国の対抗措置はさらに激しさを増している。ドナルド・トランプ大統領は、香港民主派への弾圧に制裁を科す法律や香港への優遇措置を撤廃する大統領令に署名。米商務省は7月20日、ウイグル族などへの人権侵害に加担したとされる中国企業への輸出を禁止する制裁措置を発表し、同21日には米司法省が米国や日本、英国、韓国などの企業数百社を標的に新型コロナ研究に関する情報や知的財産を盗もうとしたとして中国人2人を起訴したと説明した。
マイク・ポンぺオ国務長官は7月21日、訪問先の英国に滞在している香港の民主活動家と面会して中国を牽制、同22日、米政府は米テキサス州ヒューストンにある中国の総領事館の閉鎖を要求した。わずか数日間で矢継ぎ早に見せた対中強硬姿勢は、もう1つの超大国としての責任感を感じさせる。
ウイグル族への弾圧を「今世紀最大のウソ」と言い張る中国は、「一方的な政治的挑戦であり、国際法のルールや条約に違反する」「中国政府は必ず断固とした措置をとる」と勇ましく反発しているが、その一方で「米国には中国を抑圧したり、いじめたりする人がいることは知っている」と漏らすなど、急に「被害者ヅラ」も見せる。ポンぺオ国務長官に世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長への買収疑惑まで暴露され、もはや中国はこの地球上で孤立していると言ってよいだろう。
■日本はリーダーシップを発揮すべき
すでに香港では赴任する従業員の安全を確保するため、海外企業が「香港回避」を進め、欧米メディアの記者たちも異動させる動きが見られている。香港空港管理局が発表したところによると、香港国際空港の6月の旅客数は前年同月比99.1%減となった。格付け会社は金融の中心地だった香港の位置付けが損なわれるリスクがあると指摘し、他の格付け会社も香港の「格」を引き下げている。
それにもかかわらず、中国指導部は超大国となった自負から現状認識能力を欠いているのか、習国家主席が海外企業に「われわれは改革と開放を深め続け、中国と外国の企業にとってより健全な事業環境を提供する」「中国にとどまり発展するとの決定は、正しい選択だ」と呼び掛けており、その「イタさ」が十分すぎるほど伝わるだろう。思春期かと思わせるようなレベルの反抗として、米発祥のハンバーガーチェーン「バーガーキング」での消費期限切れ食品販売疑惑を報じ、批判しているというのは、あまりにもな話である。
ただ、一方で9月の香港立法会(議会)選挙に「介入」する動きを見せ、民主派候補への資格取り消しなどに踏み切ることが懸念されている。7月21日には、抗議活動に参加していた民主派の議員が香港国家安全維持法違反で逮捕されたばかりだ。香港民主化運動のリーダーは同日のNNNのインタビューで「香港市民は早朝に何の前触れもなく突然逮捕されることを常に心配している。世界はこの問題をきちんと認識し、中国に対して人権侵害を是正するよう強く働きかけるべきだ」と訴えた。日本に対しては「アジアの中でリーダーシップを発揮すべきだ」と語っていたが、その悲痛な声と中国をめぐる情勢を日本政府はしっかりと受け止めていないのではないか。
■鈍感すぎる「外交下手」安倍晋三
日本といえば、いまだ習国家主席の国賓としての来日計画を検討し、安倍晋三総理は7月22日のコロナ感染症対策本部で、出入国を制限している中国や韓国などとのビジネス往来再開を交渉するよう指示した。入国制限が遅れに遅れたことはすでに記憶にないようで、コロナ感染者が増加しているにもかかわらず、観光事業「GoToトラベルキャンペーン」をスタート。感染再拡大の理由は国の無策を棚に上げて東京都の小池百合子知事の責任になすりつける始末で、その一貫性と先見性、責任感のなさは国民の多くを白けさせているに違いない。
台湾の外交部長は7月22日、海外メディアとの会見で「中国の次の標的は台湾だと指摘されており、非常に憂慮している」と懸念を示した上で、日本や米国など「理念が近い国との協力が不可欠だ」と訴えたが、安倍政権の鈍感ぶりは「外交下手」というだけでは済まされないレベルだろう。
■極東の緊張が一気に高まりうる
米英と中国の摩擦が一層激しくなれば、英国は最新鋭空母を派遣して極東の緊張が一気に最高潮に達する可能性もある。日本にも米英との合同軍事演習への参加が打診されるだろう。その時に日本政府はどう対応するつもりなのかを国民には早急に説明する責務がある。加えて、米国のジョン・ボルトン前大統領補佐官(国家安全保障担当)は7月21日の時事通信によるインタビューで、11月の米大統領選でトランプ大統領が再選を果たした場合には、約5万人の在日米軍は「削減・撤収されるリスクは格段に上がる」と警告している。それが万が一、実現することになれば極東のバランスは変化することも忘れてはならない。
米司法長官は「(中国共産党は)数十年、数世紀の観点で考えているが、われわれは次の四半期の決算発表を重視する傾向がある」と分析しているが、日本が政争ばかりに明け暮れている間に中国は常に先を見た戦略を立てているのは間違いない。どこを向いて仕事をしているのかわからない政府高官が今やるべきは、コロナ対策を当たり前のようにやりつつも、たしかな国家戦略として10年、20年、100年先を考えた対中政策を練ることであるはずだ。事なかれ主義で「詰め将棋」を静観する国家に未来はない>(以上「livedoor news」より引用)
引用記事はlivedoor newsに掲載された麹町文子氏の論評だ。中共政府と中国民を分けて、中共政府を攻撃すべきと呼び掛けた米国務長官ポンペオ氏の声明と軌を一にするものだ。
日本政府に「親中派」がいると、米国は日本政府の一部自民党議員を名指しで批判している。それは習近平氏の国賓待遇招致の策動で炙り出されていたが、そうした意味では安倍氏本人と官邸も親中派というべきではないか。
ここに来て、なぜトランプ氏が習近平氏と対決姿勢に出たのか。それは上記にある香港への「国安法」もあるが、むしろ「武漢肺炎の由来」を米国だとして、武漢肺炎を世界に拡散した責任を米国に擦り付けようとした習近平氏の言動により、嘘つき中共政府の本性を知ったからではないか。もちろん米国がWHOを脱退するとしたのも、WHOが中共政府の支配下にあることが判明したからに他ならないが、それは取りも直さず世界が中共政府の支配下になりつつある現実を目の辺りにした瞬間ではなかっただろうか。
日本は随分と以前から中共政府の嘘つき体質は判っていた。南京大虐殺キャンペーンや尖閣諸島への領有権の主張など、根も葉もないことを持ち出して大嘘を世界へ向かって吐き通す。大抵の日本人なら大嘘を吐くと恥ずかしくて赤面するが、中共政府の要人たちや報道官たちは尤もらしく怒り狂って見せる芝居をしても、少しも恥ずかしくないようだ。彼らの日常生活に「嘘を吐く」習慣がどれほど浸透しているかの実態が現れているのだろう。
米国も中共政府の嘘にコロリと騙されていた。いや、金儲けのために騙されたフリをしていたのだろう。14億人の市場が魅力的に見えたのかも知れないが、6億人を占める月収1万5千円以下の人たちに自動車などが買えるはずがないではないか。
しかも蟷螂之斧を自身の実像と勘違いした習近平氏はAIIBや「一帯一路」や「現代のシルクロード」策などを展開し、過剰な「元」投資の貸付により後進国を縛り上げて租借港を世界中に建設して中共の軍事拠点を世界に広げた。それはドル基軸通貨に「元」が取って代わろうとする試みだ。ここに来て、やっと米国は中共政府の「凶暴性」に気付いた。
ポンペオ氏の「(自由主義)世界が中共を変えなければ、中共が世界を変える」との演説に繋がる。米国は米中貿易戦争などどうでも良くなった。そんなことをチマチマと駆け引きして議論している段階ではない。中共政府を滅ぼさなければ自由主義諸国が中共政府によって滅ぼされる、と共産党の世界革命思想にやっと気付いた。
しかし日本国内の政治家には米国の政治家が気付いた「危機感」を殆ど理解していない。未だに「保守政党」を自任する自民党の中枢に親中派が居座っているし、連立与党の公明党は支持母体のカルト宗教からして狂信的な親中派だ。
それだけではない、日本のマスメディアは未だに「中国四千年の歴史」と修飾句を冠して恥じない連中の巣窟だ。中国民は中国の土地に子々孫々と四千年暮らしているかも知れないが、政府は四千年も連綿と続いているわけではない。いわば大根のブツ切と同じで、連続性のない輪切りの歴史の積み重ねでしかない。
その証拠に、日本の古都のように千年以上の歴史を誇る文献や建築物が皆無ではないか。彼らは政権が代わる都度、前政権の建物を徹底して破壊し文化を根絶やしにして来た。日本国民は日本の国家と国民の関係を前提とした日本国民の目で中国を見ている。それは幻想でしかない。
米国が本気になった今こそ、中国民を中共政府の檻から解放するために全力を尽くすべきだ。もちろん中国は中国民が治めるべきだ。中共政府の私有物であってはならない。自由主義と民主主義が世界各国の国家体制の基礎になるまで、日本政府は世界に働きかける使命を持つと憲法に規定されているではないか。
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