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コロナ感染拡大いつまで?「最短でも9月半ば頃」と専門家
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2020/07/20 日刊ゲンダイ
再び増加に転じれば…(C)日刊ゲンダイ
「東京由来」との不名誉な呼称までつけられ、「Go To トラベル」キャンペーンからはじき出される要因となった東京の新型コロナウイルス感染拡大。先週は新規感染者が300人台に近づき、19日は188人と4日ぶりに200人台を下回った。少し減ったとはいえ、都民のみならず、全国の人々が「これからどこまで増えるのか」と不安を抱えている。新規感染者は今後も増加するのか、それとも減少するのだろうか。
ハーバード大学院卒で医学博士・作家の左門新氏(元WHO専門委員)は「それを見極める重要なポイントとなる理論が『正規分布』です」と指摘する。正規分布とは人間やその他の動物、ウイルスなど自然界の生物や物理の現象に見られる確率分布のこと。棒グラフや折れ線グラフをチェックすると、左から右肩上がりに弓状に数値が上昇し、ピークを経て右肩下がりに数値が落ちているものを目にすることがある。形が寺の梵鐘に似ているため、「釣り鐘形」と呼ばれることが多い。インフルエンザの流行などのグラフもこの形だ。
左門氏は現下の感染拡大も釣り鐘形をたどっていくと分析する。
「本来はあと3、4日分の増減数を観察しなければなりませんが、19日が180人台に減少したことから考えると、増加のピークを迎えたかも知れません。その場合はこの先、多少のデコボコがありながら、新規感染者数が上昇時と対称の曲線で減少していくのではないでしょうか。ただし、現在の増加傾向は人数が1ケタ台だった5月31日前後に始まっています。分布は横軸の時間経過を対数とするといっそう釣り鐘形、つまり左右が対称になるので、1ケタ台にさしかかるのはどんなに早くても1カ月半後。収束は9月半ばごろまでかかると思われます。都は現在、1日当たり6500件のPCR検査処理能力を1万人まで高める方針ですが、正規分布では一度感染者数が下がり始めると、検査数が多少増えても減少傾向が続きます」
再び増加に転じれば、さらに先送り |
ただし、20日から新規感染者数が再び増えれば、増加のピークは持ち越しとなるという。もちろん、収束時期も先送り。ますますメドは立たなくなる。今は微妙な時期にあるようだ。
東京の場合、現在の入院患者数は917人、重症者数は12人に抑えられている。
緊急事態宣言時のピークの患者数1413人、重症者105人から大きく改善した。
「重症者が少ないのは高齢者が外出を控えるなど感染に注意しているからでしょう。現在は感染者の中心が基礎疾患がなく軽症ですむ20〜30代なので、入院を必要としない人が多い。そのため、現状では医療崩壊の心配が近づいていないとは言えます」(左門新氏)
仮に感染者数がピークを迎えたとしても、落ち着くまでには、少なくともあと2カ月はかかる。コロナの収束はまだまだ遠い。
やはり「Go To トラベル」をやっている場合ではない。
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