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厚労省が研究開始 7%が苦しむ新型コロナ「後遺症」の深刻
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/275863
2020/07/12 日刊ゲンダイ
なかなか収束しない…(C)新華社=共同通信イメージズ
10日厚労省が、新型コロナウイルスの「後遺症」について8月から研究を開始すると発表した。来年3月末まで、2000人を対象に実施する予定だ。政府が研究をスタートさせるのは、後遺症に苦しむ人が予想以上に多く、症状が深刻だからだ。
後遺症の症状は、発熱や頭痛、息苦しさ、倦怠感、味覚障害などさまざま。NHKの5月時点の調査によると、7%が後遺症に苦しんでいるという。PCR検査で陰性になり退院した後も、社会生活を送れないケースもある。どうやら新型コロナは陰性になったらオシマイ、という病気ではないらしい。
21歳の男子学生は、退院後も2カ月近く、37度5分前後の発熱や倦怠感、息切れ、嗅覚障害が続き、休学を余儀なくされているという。
また、10代の男性は、血液検査や肺のCT検査では異常は見つからないのに、発熱や頭痛といった症状が消えず、倦怠感の強い日はベッドから起き上がれないという。体重は8キロも減った。
イタリアの呼吸器学会は、新型コロナから回復した人のうち3割に呼吸器疾患などの後遺症が生じる可能性があると指摘している。
陰性でもウイルスが臓器に残っている可能性が
どうして、陰性になっても重い症状が続くのか。原因として“肺線維症”や“免疫暴走”“ウイルス残存”などが考えられている。
新型コロナに限らず、肺炎には“肺線維症”という後遺症がある。肺が萎縮して肺組織が硬くなってしまい十分に酸素を取り込めなくなり、息切れが起きてしまう。
“免疫暴走”は、免疫システムが過剰反応し、正常な細胞まで攻撃してしまう現象だ。発熱や頭痛は免疫暴走が原因の可能性があるという。
また、PCR検査では陰性でも、ウイルスが臓器に残っている可能性も考えられるという。
医療ガバナンス研究所理事長の上昌広氏が言う。
「新型コロナは、通常の風邪とは違うということです。このウイルスは、肺だけでなく、全身に影響を与え、炎症を起こす力がある。炎症が回復する過程でさまざまな症状が出ているとも考えられます。もちろん、肺線維症や免疫暴走、ウイルスが体内に残っている可能性もあるでしょう。いずれにしろ、まだ分からないことが多い。なぜ、人によって無症状だったり、後遺症まで生じるのかも大きな謎です」
安倍政権は「Go To キャンペーン」などと、全国規模の旅行を奨励しているが、大丈夫なのか。
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