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#河井夫妻巨額買収事件 河井夫妻だけではすまない “本丸”は自民党本部、安倍首相。自民党本部への強制捜査をやるべき!#買収目的交付罪 #安倍晋三 #自民党本部 #1億5千万円 #政党助成金 pic.twitter.com/GEXaD224Au
— 川上芳明 (@Only1Yori) July 8, 2020
河井夫妻巨額買収事件
“本丸”は安倍首相
しんぶん赤旗 2020年7月9日【3面】
昨年7月の参院選広島選挙区での大規模買収事件で、前法相の河井克行と妻・案里の両容疑者が公職選挙法違反(買収)で起訴されました。起訴事実は河井夫妻による選挙買収ですが、今回の大規模買収事件について明らかになった事実は、事件の“本丸”が安倍晋三首相であることを示しています。(若林明、中野侃)
自民本部が資金提供 「買収目的交付罪」も
自民党本部は、河井克行・案里両被告の広島県第3選挙区支部と広島県参院第7支部に合計1億5千万円の資金提供を行いました。自民党では1候補あたり1500万円といわれている党本部からの資金提供額の10倍にのぼり、同党の下村博文選挙対策委員長でさえ「ありえない話」と異例だと認め、「(二階俊博)幹事長、あるいは(安倍)総裁の判断ということ」(1月23日、BS番組)と述べています。
克行被告が現金を提供した94人のうち、40人が広島県内の首長と議員です。40人に提供した総額は1680万円に上り、そのほか後援会幹部ら54人に890万円が提供されていました。「安倍総裁」の意向を受けた1億5千万円の資金が大規模買収に使われたのではないかという疑惑が強まっています。
中国新聞6月21日付で報じた本部からの資金提供日(19年4月15日、5月20日、6月10日、27日)の前後に、安倍首相が官邸で克行被告と単独の面会をしていたことも明らかになりました。
また、専門家からは安倍首相自身が買収行為を目的で金銭などを交付する買収目的交付罪に問われる可能性を指摘する声も上がっています。
現金を「首相から」と “安倍氏自身の選挙”
自民党本部から資金提供が行われた5〜6月の時期に安倍事務所の秘書らが案里被告の選挙戦の応援に駆け付けていたことが明らかになっています。安倍事務所から選挙活動を行う人の支援を受けていたのです。
克行被告が「自宅への安倍総理秘書訪問が効いたのではないか」とライン(LINE)にコメントした広島県の自民党有力者と案里被告との面談予定は5月。広島県府中町議(6月29日辞職)が、克行被告から「安倍さんから」と言って現金を渡されていたのは5月でした。
自民党総裁としての一選挙区への支援を超えた“安倍首相自身の選挙”と言える実態です。そもそも、昨年7月の参院選への案里被告の出馬に、現地の自民党広島県連は強く反対していました。広島県連は同選挙に現職でベテランの溝手顕正・元防災担当相=落選=の出馬を決めており、2議席獲得は難しいと考えていました。
全国四つある定数2の選挙区で、自民党が2人を擁立したのは広島選挙区だけです。案里被告の出馬は党本部の主導で強引に決められたのです。
溝手氏は安倍首相とたびたび対立してきた人物です。
大規模買収の背景には、安倍首相自身の政敵つぶしを狙った選挙活動支援があったのではないかという重大疑惑が浮上しています。
1億2千万 国民の税金 自民の説明は二転三転
自民党本部が河井陣営に提供した1億5千万円は何に使われたか不明のままです。
自民党の説明は二転三転しています。二階俊博幹事長は6月17日の記者会見で1億5千万円の使途について「広報紙を複数回、全県に配布した費用に充てたと報告を受けている」と説明。「(政党助成金は)党本部では公認会計士が厳格な基準に照らして各支部の支出をチェックしている」と買収に使えないことを強調していました。しかし、同23日の記者会見では一変。「党として支出した先がどうなったか細かく追究していない」「党は承知していない」と、従来と食い違う説明をしています。
二階氏が説明を変えた間、中国新聞6月21日付が、1億5千万円のうち1億2千万円が政党助成金を原資とし、河井克行・案里両被告が支部長を務めた二つの支部が今年の春に広島選管に出した報告書に使い道を示していないと報じていました。
さらに、自民党幹事長室が「詳細が不明のまま(政党交付金)の使途報告書が提出されている」と説明したことが報じられました。(中国新聞7月2日付)
政党助成金は国民の税金を原資としています。民主主義の破壊が行われたとなれば問題はより深刻です。自民党総裁の安倍首相は国民への説明責任を果たすべきです。
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河井夫妻巨額買収事件 河井夫妻だけですまない
神戸学院大学教授・政治資金オンブズマン共同代表 上脇博之さん
しんぶん赤旗 2020年7月9日【3面】
資金1億5千万円 問われる提供目的
河井克行容疑者を実質上、選挙運動の中心的存在である「総括主宰者」として起訴したことは評価します。総括主宰者は公職選挙法上、より重い罪になります。妻の案里容疑者は候補者であり、克行容疑者と同様に罪は重くなります。しかし、2人を起訴しただけで終わる事件ではありません。
2019年の参院選広島選挙区(改選数2)で、自民党公認の現職で落選した溝手顕正氏の得票数は前回選挙から半減しています。克行被告らは、溝手票を案里票にするために買収したと考えられます。頭を下げるだけでは無理だから現金を持って行ったのではないかと思います。
克行被告の政治団体の収支報告書を確認すると、18年から19年にかけての繰越金は1千万円ほどしかありません。案里被告を当選させるため、自民党本部は克行被告と案里被告の政党支部に計1億5千万円の資金を提供しました。買収資金として使われることを想定して支出された可能性があります。買収目的交付罪にあたる疑いがあり、検察は党本部まで積極的に捜査を行うべきです。
党本部は1億5千万円を5回に分けて振り込んでいるとされます。それぞれの入金は何の目的だったのか、誰の指示で振り込んだのか、その点を詳しく調べる必要があります。
買収目的交付罪を立証するハードルは高いですが、不可能ではありません。党本部の資金が入る前に、克行被告は安倍晋三首相と単独で複数回、面会していました。選挙情勢を報告し、追加の資金を求めたのではないでしょうか。事件の本丸は自民党本部であり、党総裁である安倍首相や二階俊博幹事長らの関与です。
検察は広島県内の政界関係者を幅広く聴取し、買収の実態を把握しています。現金が配られた時期と両被告側の口座の入出金記録を照合して捜査を進めていくことがポイントになります。
安倍首相の秘書は、案里被告の陣営関係者と一緒に県内の企業を回っていました。克行被告が現金を渡した県議も訪問していたと報じられています。現金を配布した相手なら効果があると認識して投票の依頼をしていたと疑われます。秘書が何らかの形で買収に関わっていたとすれば、首相の責任も重大です。
1億5千万円に関して二階幹事長は当初、党勢拡大のための広報紙を全県に配布するために使われたと説明していました。その後、両被告側に渡った資金が「どうなったか細かく追究していない」とかわしました。1億5千万円の使途についての説明は尽くされていません。安倍首相や二階幹事長は説明責任を果たすべきです。(聞き手・丹田智之)
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