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7月 09, 2020 日々雑感(My impressions daily)
<昨年7月の参院選を巡る買収事件で、東京地検特捜部は8日、前法相の河井克行容疑者(57)と妻の参院議員案里容疑者(46)を起訴した。起訴から100日以内の判決に努める「百日裁判」で審理される見通しで、有罪が確定すれば失職する。
起訴状によると、案里容疑者が立候補した広島選挙区内の首長や地方議員など延べ108人に、票の取りまとめの対価として計約2901万円を渡したという。これまでの取り調べで、2人とも容疑を否認しているそうだ。
■1億5000万円に切り込まず
最大のポイントは買収の原資だ。参院選前、自民党本部は河井夫妻の政党支部に破格の1億5000万円を送金している。当時の河井夫妻の懐事情から、買収は党の拠出金が充てられたとみるのが自然だ。原資に切り込めば、党本部や安倍首相の関与も明らかになり、“交付罪”で刑事責任が生じる可能性もある。安倍首相は案里陣営に自分の秘書を送り込むなど熱を入れていた。
ところが、特捜部は1億5000万円を不問にし、「河井夫妻の買収事件」で幕引きを図るつもりだとの見方が強まっている。
「検察はこれ以上、官邸とケンカする必要がない。人事も当初のシナリオに戻りましたからね。“官邸の守護神”だった黒川弘務の退任後、後任として林真琴名古屋高検検事長が東京高検検事長に栄転し、今月には検事総長に就任する見通しです。紆余曲折があったにせよ、予定通り林検事総長が実現する。また、検察庁法の改正も撤回され、検察としては思い通りになった。河井夫妻を逮捕した森本宏特捜部長も、地方の検事正に栄転する予定です。もし、捜査を続けるなら、特捜部長は交代しないでしょう」(司法担当記者)
先月、選挙区の有権者に香典を配っていた菅原一秀前経産相を検察が起訴猶予としたのも、検察と官邸が“手打ち”した結果だとみられている。
しかし、1億5000万円を不問にしていいのか。立正大名誉教授の金子勝氏(憲法)が言う。
「1億5000万円の提供は党内からも説明を求める声が上がっています。ところが安倍自民党は、党大会を結党以来初の中止にしてまで逃げています。河井事件は安倍案件。特捜が河井夫妻の問題で片付けるのは、真相の解明を願う国民への裏切り行為です」
幕引きは許されない>(以上「日刊ゲンダイ」より引用)
検察は安倍官邸の番犬だ。河井夫婦が昨年の参議院選で大っぴらに展開した贈収賄事件を贈賄側の河井夫婦だけを立件して事を収めるという。
何という事だろうか。収賄側も罪に問われるのが本来だ。公職選挙法にはそのように規定されている。東京地検特捜部は安倍官邸と深く交わる内に、安倍内閣お得意の「解釈改憲」の手法を身に着けて、「解釈公選法」を適用したのだろう。
しかし違法は違法だ。検察の歴史に大きな汚点を残すのは間違いない。そして河井夫婦が大っぴらに贈収賄を働く原資となった「党本部からの選挙資金1億5千万円」の送金の事実関係と、大金の使途の解明はどうなったのだろうか。
それすらも行わないで幕引きをしようとするのなら、検察など不要論が出ても仕方ない。ドロボーを捕まえない番犬は不要だ。すべて警察が起訴まで行うようにすれば良い。
そして国税当局も1億5千万円の使途に重大な関心を寄せないとしたら、国民は納税申告するのが馬鹿らしくなる。庶民に対しては僅か数十万円の経費処理ですら「見解の相違」として、厳しく調査する国税当局が国会議員が行う政党助成金の使途に関してノー・チェックとは驚く。
国民の納税の義務として納税申告を拒否しようとは思わないが、修正申告の勧誘に対しては徹底的に争うべきではないか。自民党から送金した「選挙資金1億5千万円」の使途解明すら国税当局が行わないのなら、庶民が働いて得た所得を正直に申告して納税するのがアホらしくなる。この壮絶な納税に関する格差は一体何だろうか。
国税当局と同じく、検察も官邸の番犬と化したようだ。秋霜烈日の検察バッジを定めた先人たちに現在の検察官は顔向けが出来るのか。少しは恥ずかしくないのか。
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