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安倍自公政治を打破する基本戦術の確認
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2020年7月 2日 植草一秀の『知られざる真実』
東京都知事選は7月5日に投票日を迎える。 小池百合子氏の優勢が伝えられている。 小池氏は実質的に自公の候補である。 その小池氏を連合東京が支援していることの意味を考える必要がある。。 安倍政治に対峙する側からは宇都宮健児氏と山本太郎氏が立候補した。 宇都宮氏と山本氏の選挙公約には共通点が多い。 現在、国政では自公が議会過半数を握っている。 この議席は選挙を通じて獲得したもの。 選挙で自公が獲得している票は全有権者の約25%である。 選挙に参加している主権者は全体の約半分。 選挙に参加する主権者の約半分が自公に投票している。 自民党単独では17%程度。 主権者全体の6人に1人しか投票していない。 したがって、自民党単独では政権を確保することができない。 公明党と合わせると主権者の約25%の票を獲得できる。 投票者が主権者全体の半分しかいないから、25%の得票で政治を支配できる。 支配してしまっている。 その結果として惨憺たる日本の現状がもたらされている。 安倍自公政治の問題点は次の三つに集約できる。 第一に、日本国憲法が定める平和主義を破壊して、日本を「戦争をする国」に改変していること。 第二に、フクシマ原発事故の収束もできないのに、日本全国で原発の再稼働を推進していること。 第三に、圧倒的多数の一般庶民に苦しみを押し付けて一握りの大資本と富裕層だけを潤わす格差拡大推進の経済政策を実行していること。 これが安倍自公政治の問題点である。 この現況に対して、主権者の多数が反対の考えを有している。 第一に、平和主義は堅持するべきである。 第二に、原発は完全廃炉を決定するべきである。 第三に、大資本と富裕層の優遇をやめて、すべての国民に保証する最低ラインを引き上げるべきである。 この考え方を取る主権者が多数存在する。 したがって、この主権者の声を現実に反映することが求められる。 そのためには、選挙を通じて議会過半数を確保することが必要だ。 その際、重要になるのが選挙戦術。 現行の選挙制度を踏まえた選挙戦術を採用しなければ主権者の声を正しく政治に反映することができない。 三つの重要な課題を提示する。 第一は、当選者が1人しか出ない選挙制度が基軸にあるため、主権者のための政治実現を目指す側は候補者を一人に絞ることが必要不可欠なこと。 第二は、「単なる野党共闘」ではなく、「基本政策による共闘」に組み替えること。 第三は、実質的に自公の支援母体になっている「連合」と訣別すること。 この三つが何よりも大事になる。 都知事選では宇都宮氏と山本氏の2名が出馬して、選挙戦終盤になっても、投票を一本化する「戦略的対応」を示す気配がない。 これでは、小池陣営の思うつぼになる。 二人の候補者は共に優れた主張を示しているが、基本政策を共有する者が2人出馬しては、勝てる選挙も勝てなくなってしまう。 本年中に衆院総選挙が行われる可能性は高いと見られる。 すでに臨戦態勢に移行しているということになるが、自公と戦う枠組みが確定していない。 「単なる野党共闘」の最大の問題は、この「野党」のなかに「隠れ与党」が存在することだ。 平和主義、原発、経済政策で自公と同じ主張を示す勢力が混在している。 これでは、日本政治を刷新する勢力にはならない。 大きな背景に、自公の支援組織である「連合」とタイアップする勢力が野党のなかに含まれていることがある。 原発推進、消費税増税推進、戦争法制容認の「連合」は明確に自公の支援母体になるべきだ。 「政策を基軸にした連合体」=「政策連合」を構築して次の総選挙に立ち向かうべきである。 |
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