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6月 28, 2020 日々雑感(My impressions daily)
<新型コロナウイルス対策の方向性を主導してきた政府の専門家会議が突如、廃止されることとなった。政府が廃止を発表したのは、折しも会議メンバーが位置付けの見直しを主張して記者会見していたさなか。あっけない幕切れには、政権批判と受け取られかねないその提言を打ち消す思惑がにじむ。一連の経緯を検証した。
◇苦い経験
「え?もう1回言って」。24日夕、東京都内で会見していた専門家会議の尾身茂副座長は、記者から西村康稔経済再生担当相が会議廃止を表明したことを問われ、戸惑いをあらわにした。
専門家会議の見直し自体は、5月の緊急事態宣言解除前後から尾身氏らが政府に打診していたこと。この日の会見では、政府の政策決定と会議の関係を明確にする必要性を訴えていた。
背景には「十分な説明ができない政府に代わって前面に出ざるを得なかった」(会議メンバー)ことによる苦い経験がある。会議は国内で流行が広がった2月、感染症専門家を中心に置かれ、「人と人の接触8割減」「新しい生活様式」などを次々と発表。政府は提言を「錦の御旗」とし、国民に大きな影響を及ぼす対策を実行に移した。
その結果、専門家会議が政府のコロナ対応を決めているように映り、メンバーは批判の矢面にも立つことに。5月4日の安倍晋三首相の会見では、同席した尾身氏がPCR検査の少なさについて説明に追われた。
会議の存在感が高まるにつれ、経済・社会の混乱を避けたい政府と事前に擦り合わせる機会が拡大。5月1日の提言では緊急事態宣言の長期化も念頭に「今後1年以上、何らかの持続的対策が必要」とした原案の文言が削られた。関係者は「会議の方向性をめぐりメンバー間でもぎくしゃくしていった」と明かす。
◇高まる相互不信
揺れる専門家を政府は「どうしても見直すなら政府の外でやってもらう」(内閣官房幹部)と突き放していた。亀裂を表面化させない思惑が働いたことで最近になってから調整が進み、(1)会議の廃止(2)法的な位置付けを持つ新型コロナ対策分科会への衣替え(3)自治体代表らの参加―が固まった。当初は尾身氏らの提言を受け、25日に発表する段取りだった。
それが覆ったのは24日の尾身氏らの会見直前。「きょう発表する」。西村再生相の一声で関係職員が準備に追われた。ある政府高官は西村氏の狙いを「専門家の会見で、政府が後手に回った印象を与える事態を回避しようとした」と断言する。
専門家会議の脇田隆字座長や尾身氏には連絡を試みたが、急だったため電話はつながらないまま。「分科会とは一言も聞いてない」とこぼす専門家らに、内閣官房から24日夜、おわびのメールが送られた。
後味の悪さが残る最後のボタンの掛け違い。会議メンバーの一人は「政治とはそういうもの。分科会で専門家が表に立つことはない」と静かに語った>(以上「時事通信」より引用)
政府の専門家会議とは一体何だったのだろうか。会長たちも知らないところで廃止が決まったというから専門家委員たちも、さぞかしビックリ仰天だろう。
専門家会議に議事録はない、と驚かされたものだが、つまり専門家会議とは安倍政府・官邸にとってその程度の比重しかなかったということなのだろう。「専門家の意見を聴取して」とは安倍氏の常套句だが、それは格好の方便だったのではないか。
「嘘も方便」とは仏典にある言葉だが、安倍氏はまさか高僧にでもなったつもりではないのか。いやいや、あなたは悟りの境地どころか仏典すら紐解いたことのない俗物ではないか。
専門家会議は政府・厚労省の「方便」に使われただけではないか。「発熱後四日間自宅待機」という非常識な方針を専門家諸氏が示した当時に、私はこのブログで専門家とは一体何の「専門家」なのかと疑問を書いた。少なくとも感染症対策の専門家とは言い難いが、財務省のPCR予算削除の意に沿う「専門家」としてはあり得る方針だ。
感染蔓延対策として「検査と隔離」はイロハのイだ。原則中の原則だ。しかし日本の政府・厚労省は検査数の削減に躍起になっていた。そのため「検査すれば医療崩壊を起こす」とわけの分らない戯言を「専門家会議」の意見としてマスメディアが御用学者などを動員して国民に布教した。
ここに来て専門家の委員から「発熱後四日間自宅待機」という指針を出した覚えはない、との証言が飛び出した。しかし、それを検証する議事録はないという。まったく国民の税で運用している政府機関の議事録がないとは言語道断だ。専門家委員職に支払った日当や交通費の「根拠」は一体何だ。会議をしていないのなら支払った手当のすべてを返却すべきだ。会議した実績がある、というのなら証拠たる議事録を開示せよ。
政府・厚労省か専門家会議か、とちらかが嘘を吐いている。これまでの実績に鑑みると政府・厚労省が嘘を吐いている公算は大だ。そしてマスメディアが安倍官邸に盲従するのも国民はこの七年有余も観劇され続けている。専属弁士・スシローなる人物まで登場して、テレビは腐り切った安倍官邸の補完機関に成り果てている。
かつて「造船疑獄」で安倍氏の大叔父が逮捕直前まで行った。しかし現在では村の鋳掛屋が軍艦を受注して、大造船企業に下請けさせても「疑獄事件」化しない。まったく太平楽な世の中になったものだ。政敵に対しては煙のないところでマッチを擦って「政治とカネ」とマスメディアを焚きつけて騒ぎ立てたくせに、安倍官邸が持続化給付金で利権構造丸出しの「中抜き」を繰り返しても、地検特捜部は音なしだ。
息を吐くように嘘を吐く、とは安倍氏のことだが、日本のマスメディアもそのポチだということを忘れてはならない。いかに電通の広告宣伝費支配がマスメディアに浸透しているからといっても、ジャーナリスト・言論人の誇りを失ってまでしがみつく職場でもないだろう。マスメディアから「一言居士」は消え去ったのか。
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