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さらば女帝さらば曖昧野党の東京都知事選
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2020年6月17日 植草一秀の『知られざる真実』
東京都知事選が明日6月18日に告示される。 小池百合子氏の都政に対して東京都の主権者がどのような審判を下すのか。 前回選挙では築地移転が大きな争点になった。 小池氏は「豊洲への移転を止め、築地の機能を残す」としたが、移転を遅らせただけで、結局は単なる豊洲への移転にしかならなかった。 経費が多くかかっただけで終わったのだ。 小池氏の生きざま、政治に対する基本姿勢が問われている。 『女帝 小池百合子』(文藝春秋) https://amzn.to/2ME3VkS の著者である石井妙子氏とジャーナリストの近藤大介氏による対談 「「学歴詐称疑惑」再燃の小池百合子…その「虚飾の物語」を検証する 『女帝 小池百合子』著者が真相を語った」 https://bit.ly/30gKir6 で近藤氏が次のように語っている。 「石井さんがインタビューされた池坊保子元新進党議員の話も興味深いですね。 「小池さんには別に政治家として、やりたいことはなくて、ただ政治家をやりたいんだと思う。 だから常に権力者と組む。 計算というより天性のカンで動くんだと思う。 無理しているわけじゃないから息切れしない」 これを読んで私はある官庁でトップまで上り詰めた官僚がしみじみ語っていた言葉を思い出しました。 「政治家には二種類の人間がいる。 自身の持論や主張を実現したいから上を目指す人と、出世そのものが目的の人だ。 政治家に仕える役人として、前者には敬意を持つが、後者には侮蔑の念しか抱かない」 小池百合子氏は自身の持論や主張を実現したいから上を目指しているのではなく、出世そのものが目的の人ということになるのだろう。 豊洲移転問題も豊洲への移転に問題があり、これを阻止しなければならないとの政治判断から争点にしたのではなく、都知事選で勝利するにはどのように振る舞うのが有利であるかだけの視点で判断したのだと考えられる。 2017年10月の衆院総選挙では、安倍政治に終止符を打つために大同団結を主導するかに見えた。 ところが、旧民進党候補者の全員合流ではなく、踏み絵を用意しての選別・排除の方針が示された。 このことによって「希望」が「絶望」に転落した。 安保法制に賛成であり、憲法改定に賛成である本性を垣間見せた。 学歴詐称疑惑はいまだに晴れない。 エジプト政府が動いているがエジプトの賄賂体質を知る者は、これで小池氏の疑惑が晴れたと思っていない。 主権者はウソをつく政治家に対してどのような判定を下すべきなのか。 じっくりと考える必要がある。 「1%のための政治」を目指すのか。 それとも「99%のための政治」を目指すのか。 私たちが考えるべき最大のポイントがここだ。 そしてもうひとつ。 東京五輪をどうするのか。 この都知事選で主権者が判断するべきである。 「99%のための政治」を目指す二人の候補者が出馬する。 宇都宮健児氏と山本太郎氏だ。 先に名乗りを上げたのは宇都宮健児氏。 山本氏は1ヵ月余り前まで消極姿勢を示していた。 山本氏は出馬する考えがあるなら、もっと早くに動くべきだった。 そして、候補者調整に力を注ぐべきだった。 この点は残念だ。 しかし、山本氏が有力候補であることは間違いない。 主権者は選挙情勢を見て、共倒れにならぬよう、最終的に投票を有力候補に集中させる必要がある。 二人の投票合計が小池氏を上回りながら、小池氏の再選を許すようなへまを演じるわけにはいかない。 |
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